翠玉色の君 【小説】『アベアテ』
間違いで同じ小説が二つありますが、作者は同じなので気にしないで大丈夫です。
この小説はYouTuber『アベル&アテネ』の二次創作です。
大怪我等はありませんが擦り傷ほどの表現はあります。
上記が苦手な人は回れ右!
大丈夫な人はレッツゴー!
ーー
土砂降りの日だった。
でも、だからこそ、君を見つけられたのかもしれない。
ーー
その日は傘を差しても意味が無い程の土砂降りだった。
誰でもそんな気候のもと外に出ようなんて、絶対しないだろう。
だが、俺はどうしても外に出ないといけなかった。今日中に投稿しなければならない動画の編集があったのだが、まるでタイミングを見計らったかのように、丁度キーボードが壊れてしまったからだ。
ネットで売ってないか探してみたが、適当なものが一切なかった。それでその時、キーボードが売ってあるお店へずぶ濡れになりながら向かっているという、仕方のない状況になっていた。
なんとかお店につき、適当なキーボードを見つけ出し購入をした。ずぶ濡れで店員には冷ややかな目で見られたが。
そしてお店の中で、またこの土砂降りの中家まで帰るのか…と憂鬱な気分になっていた。
ふと、ガラス張りのお店だったからか、外がやけに暗く見えた。
ガラスには如何にも憂鬱な気分、というのが見てとれる、俺の顔がうつっていた。
『またのご来店お待ちしております』と書いてある小さな看板を横目で見ながら、俺は傘を持ち、店を後にする。
やっぱり傘も意味がない土砂降りに、深くため息をつきながら、家に向かって歩き出した。
丁度家まで100メートルぐらいのところに差し掛かった時、何故か引き込まれるように目に入ったものがあった。
暗い路地裏の手前の方で、鮮やかな黄緑色…だが、少し汚れていたパーカーのフードを深く被り、うずくまっている_”人”だった。
その子のフードの中からは、金色の髪が見えた。外人なのだろうか…。
近寄りがたい雰囲気を出していて、外人かもということもあり少し怖かったのだが、俺はまた吸い込まれるように、その子に手を伸ばしていた。そのままそっと声をかける。
「あ、の…大丈夫……ですか…?」
もちろんコミュ障の俺には優しい声かけなどわからず、誰もが真っ先に思いつくであろう言葉になってしまった。
その子は少し肩を震わせ、しばらく何の返事もくれなかった。俺にはどうすればいいのかわからず、最初にとる行動では無い行動をしてしまった。俺は_恐る恐るその子の顔を覗き込むようにして見た。
その”女の子”の瞳は___翠玉色だった。
俺が顔を伺うとその女の子はバッとフードで顔を隠した。
このトピックは、名前 @IDを設定してる人のみコメントできます → 設定する(かんたんです)