【小説】未完成の形 第二話 「侵入者」
侵入者はこういった。
「子供…?もしかしてこれが神殺しの兵器?」
「カナヒ、そっち終わった?」
「シキ!!!大人は倒した!けど、子供は、、」
どうすればいいのだ。この状況、死ぬはずであった僕は今生きている。ならそれを利用して逃げればいい。首輪も、僕の力が弱いものでももう外れるようになった。
逃げるほうが断然良いのに僕は少し彼女たちに興味を持った。
だから僕は、煽るように口を開いて言葉をはいた。
「殺さないの…?僕はあなた達の敵。」
そうすると相手は黙り込む。
「カナヒが殺さないなら僕が殺す。」
その言葉に僕はドキッとくる。
「いや、まって。これは私が預かる」
驚いた。敵というのに保護をする…?なんて馬鹿な人なんだ。もしこの人が言っていた神殺しの兵器が僕たちなら…。そうゆうのを作る組織なら…。僕は今ここで殺すべきだ。
それをしないのは、あとから尋問するから…。あるいは、お人好しだからか?
「…かなひ、この研究所は燃やすんだっけ?」
「そうそう!上からそうしろって言われてるからさ〜」
上…?この人たちも僕たちと同じとこかの組織の人達なのかな。
そんな感じのことを考えているといきなり視界が霞んできた。
僕は死を悟った。…これは毒だ。
あぁ、檻を出たときから、僕はもう死んでいたも同然だったんだ。
毒だとわかった瞬間僕の意識はそこで絶えてしまった。
次目を開いたときには研究所ではなくなっていた。そこは見たことのない部屋だった。考えられるのはカナヒとか言う人が僕をここまで連れてきた、ということだ。毒を取り除いたのか?まてよ、人がそこまでできるか…?
僕は変だな…と思いつつもそこから起き上がった。
部屋から出てしばらく歩くとそのカナヒという人に出会した。
「あれ、もう起きた…?身体はもう大丈夫?」
僕はコクリっとうなずくとカナヒという人は「ご飯あるから、」といって僕は部屋に入れられた。
なんて無理やりな人なんだ…と心の底ではそう思っていた。
「はいっ!これご飯。」
机の上には色々な食事がのっていた。
これは毒などは入っていないのか…と少し疑ってみてはいたが、それを口にするとすごく美味しかったのだ。研究所の食事よりはるかにおいしい、とそう感じたのだ。
美味しさのあまり少し涙が滲んだ。
「あれっ、どうしたの?!」
「‥、なんでもない。」
「そっか。」
その人は少し笑顔を見せる。
少し時間が立って僕が食事を終えたとき、その人は口を開いた。
「ねぇ、君の名前ってなんかあるかな?」
名前、というキーワードを聞いたとき僕ははっとした。
「…、レイム」
「レイムちゃん!!いい名前だね!」
僕は少し顔が熱くなった。
その熱くなっている顔を隠すかのようにそっぽを向き、僕はこういった。
「僕も名乗ったんだから、きみも名乗ってよ。」
「あ、ごめんごめん。私は叶姫(かなひ)!!」
「本題だけど…」
「研究所のこと…?それなら僕は何も知らないよ。なんせ、ただの欠陥品だから」
「そっか。ごめんね」
このカナヒという人はなんだか不思議なんだ。人って感じがしない。魂がないとかそんなんじゃなくてもっとこう、、上の立場みたいなそんな感じなんだよね…。
「そういえば、ここってどこ…」
「あ、ごめんいい忘れてた…、ここはね。神様が住んでいる一つ念願神社だよ!」
神様…。神殺し‥。繋がった。僕たち、ミックスアビリティーが戦う理由。それはともかくこの人たちだ。
けど、この人たちを殺して何になるんだろう…。
「そろそろシキが返ってくる。」
続く。
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