あはは、、、、
固く蓋をした、幼い頃の記憶。
まだ幼かった僕の手には、ナイフが握られている。
目の前に倒れている“人”
フローリングを染める“赤”
これでいいんだよね。“おにいちゃん”
おにいちゃんのために体いっぱいに浴びた“赤”
おにいちゃんを独占するために咲かした“赤”
“僕らの幸せ”を守るための“赤”
おにいちゃんは、僕の後ろで泣いている。
いけない、おにいちゃんは怖がりなんだ。
真っ赤な手でそっと撫でようとすると、おにいちゃんは僕の手を握って俯いた。
かと思うといきなりバッと立ち上がって台所のほうへ歩いていった。
そして、迷いなく棚に手を伸ばし包丁を取り出して___フフッと笑った。狂気的な笑みだった。
赤
赤
赤
赤
赤
“2人”で咲かす“赤” 赤い花弁が舞い落ちる。
このとき一緒に遊んだ“赤”が、なによりも優美で美しかった_____。
✞✞✞✞✞✞✞✞✞✞✞✞✞✞✞✞✞✞✞✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟✟
そんな僕らも、もう高校生。
2人で登下校をして、休日は2人で沢山遊ぶ。
僕にとっておにいちゃんは、たった1人の“家族”だ。
友達なんていらない。2人でいる時間が、なによりも大切だった。
僕にはおにいちゃんしかいないから。
おにいちゃんも僕しかいらないから。
「あ、おにいちゃん!今日も一緒に帰ろうねぇ?」
「うん。ていうか、いつも一緒に帰ってるだろw」
「あはは、それもそうだね~」
幼い頃に犯した“罪”
それを、気づかない振りをする僕ら。
「おにいちゃん、大好きだよ?」
「俺も大好き。ずっと一緒、だろ?」
これでいい。ずっとこのままでいい。
染まった深紅が、僕らの“愛のカタチ”
2人ぼっち。それが“僕らの幸せ”
僕らの邪魔をする人は____『ハイジョシナキャネ⁇』
END
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タグ: 小説
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