初心者が小説書くから読んでくれ
大人でも子供でもない、高校生の時の話。
卒業アルバムを見つけて、思い出したくもないものを思い出した。
小学五年生の頃から、私は小説を書いていた。
自分の好きが詰まったものをただ書いていた。
みんなみんな、周囲の人たちは自分を褒めてくれた。
小学生だったからというのもあるかもしれないけど。
中学のとき、私はある日小説投稿サイトを見つけて、その小説を投稿した。
もしかして人気が出ちゃうかもな───
なんて思いはすぐ砕け散った。わずか数日で。
コメントの通知に飛び上がってスマホを確認した
とき、私は泣きそうになった。
『初心者乙。小説書くのやめたほうがいいね』
調子に乗った私は、まだ中一なくせに大人です。なんてことを書いていたから。そしてもう一言までつけて、パッキリと私の夢を掻っ切った。
『これで大人とかは引きます。あきらめましょう。』
数秒がん、と頭が痛くなった。
その数秒が終わると、ようやく言葉の意味を理解してきた。
貶されたんだ。
ちゃんとそれが頭でわかって、そんな瞬間身体がざわざわとしてくる。
怖くて、怖くて、怖かったのだ。
手がガクガクと震えて、気づけばスマホを投げ出してしまった。
涙を我慢できず、声を漏らしてしまった。
幸いなことに親はいなかった。
泣くというか、叫んでいた。
否定されたから。今までみんなが褒めてくれたものを貶された。貶されただなんて、って。
……本当に、しんでしまうかと思った。
ひくっ、ひくっ、ひくっ。
泣く声を抑えることはできなくて、数十分ずっと泣いていた。
鏡を見る余裕もなかったけれど、たいそう顔は真っ赤に染まっていたのだろう。
何十分も何十分も泣き喚いて、涙ももう出尽くしかけた時。ようやく我に返ったのだ。
声すら出なかったけども、咄嗟にティッシュを
取って涙を拭った。そのまま、スマホの方へゆっくりと歩いていった。
スマホが涙で汚れないように、腕でも涙を拭った。
スマホを覗くと、黒い画面。
それを指で押すと、またあのコメントの画面が表示される。
涙は我慢して、返信ボタンを押した。
『ごめんなさい』
それしか思いつかなかった。今の私には。
情緒も安定していなかったし、仕方ないことなのかもしれない。
これはアンチというものではない。
これはきっと私の小説になんの感情も持たなかった人の吐き捨てるような一言。