幻想異邦伝、朽ちても貴女と
ついに幻想郷の頂点と顔を合わせてしまった少年の日常は、それまでとあまり変わらないながらも、白玉楼の財政を立て直すために始めた道場で負けなしとなるくらいには強くなった平太であった。
負けなしと言っても門下生の話で、妖夢にはまだ勝てないのだけれど。
幽々子の食費に溶けていく白玉楼の予算、それでも剣術教室のおかげで、少し落ち着いた。
「あだ!」
「そんなに大きく振りかぶってると、隙もその分大きくなりますよ?」
いまだに一本取れたことがない、一本取れたら、,,切れぬものなどあんまりない,,という師匠の決め台詞を言ってもいいことになっている。
「妖夢お姉ちゃんつえー」
大の字になって寝転ぶ。
「大きくなったら、白玉楼に仕える、米炊けるもん」
「お米だけじゃ幽々子様は満足しないから、お味噌汁作れるようにならないとね」
「はーい!」
妖夢お姉ちゃんと二人で、幽々子様に仕えるのだ。
人里の子供が数人、護身とか寺子屋の成績とかのためにここに通っている。
「みんな、無理はだめですよ?」
幻想郷の揉め事は基本的に博麗の巫女が解決するといえど、護身の術は必要だ。
「弟か妹、どっちかな?」
そろそろ赤ちゃんが産まれてくるのだ。
安産祈願と七五三の時の参拝客の多くが守矢に流れた霊夢にとっては痛手だが、古くからの由緒ある神様のブランドには勝てない。
「やっと神様らしく、専門分野の加護を人間に与えることができるってもんだ」
先の異変で人里の家の一部が壊れたので、八雲より直々に、だだっ広い紅魔館の部屋を貸すようにと伝達が行った。
「これがぶどう?」
西洋のものはなんであれ目新しい。
「わぁ‥」
「どうだ!」
街の人を脅かしては失敗している多々良小傘、彼女は刀を打つこともできる。
「君の刀だよ、白玉楼の庭師さんとこの子」
「これ俺の!?」
「だから君のだよ」
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