新訳、幻想異邦伝、ゆゆちゃん
「これがしいたけ、こっちは毒キノコ」
少年は金髪の少女を見上げた。
籠にいっぱいのキノコを詰めた彼女は、ニヤリと笑い、キノコを一本掴んで、鍋に放り込んだ。
「見てみろ」
「すげー!」
正式に招待を受けた平太と違って、このお姉さんは、紅魔館への不法侵入を繰り返している。
「八卦路見せてよ!」
「あぶねえからだめだ」
「えー」
机の上の怪しいフラスコを何か別のものに入れながら、霧雨魔理沙は返した。
「平太、きのこ鍋食って帰るか?」
「うん!」
幻想郷には、揉め事を解決する時のルールがある。
「マスタースパーク見せて!」
弾幕の美しさを競う、弾幕ごっこ。
種族間の不平等を排すためのルールだ。
例えば人間は吸血鬼や、もっというとチルノにも勝てない。
異変解決も弾幕ごっこで、それが幻想郷のルール。
「マスタースパーク!」
しかし、平太には弾幕は撃てない。
弾幕を使うのは博麗の巫女や、山の妖怪や、八雲紫のような者たち。
「紫様って見たことある?」
「私はあんまりだけど、霊夢はよく合ってるぜ?」
「巫女様!?」
紫様は直接的には幻想郷の政を行わず、使いである式神や、博麗を通して、幻想郷を管理している。
「平太のことも見てるかもしれないぜ?」
「紫様が?」
「しょっちゅう人里を抜けてこっち来てるからな」
「あ〜」
紅魔館や白玉楼にも出入りしているから、西行寺幽々子の顔も見ている。
「ゆゆちゃんえらい人だもんね」
「幽々子をゆゆちゃんて呼んでるのは、色々とぶっ飛んでるのぜ」
「妖夢お姉ちゃんのご飯美味しいよ?」
「平太、あそこはかなり人間のいくところじゃないんだぜ」
「え〜」
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