この恋が叶うとは思わなかった #13 悲劇
ついに俺が楽をしているのに気付いたか、頼翔よ。
「ちょっとこれからみんな予定が空きだしただろ、またどっか行こうぜ。」
頼翔が唐突に言い出す。
「賛成は手を挙げろぉ!」
気迫に押され、反射的に手が挙がる。
他の2人もそうだったようだ。
「よぉし、なら週末に連絡すっからな。」
そしてその日は解散した。
そしてやって来た約束の日。
集合場所の駅に来てみると、やはり琴葉と頼翔はまだ来ていなかった。
「おはよう。」
知弘がそう言うと、スマホを見ていた雫の顔がこちらを向く。
「お、おはよう。」
そしてすぐに顔を背けた。
スマホを見ている雫の顔はあまりにも綺麗だった。
雫がまたこちらを向いて目が合いそうになるが、知弘の素晴らしい顔逸らしの技術でそのリスクを避ける。
知弘は少しの間立っていたが、足が疲れたためベンチに座った。
数分後、琴葉、頼翔コンビが遅れてやってきた。
あいつら本当にどうなってんだ。
言い出しっぺは1番遅くに来ないだろ。
「あ、ごめーん、遅れた感じ?」
「いや、遅れて“は”ない。」
「なら大丈夫だな。」
「で、今日はどこ行くんだよ。」
メインを事前に言わないということはサプライズか?
「えーとな、行き先は電車に乗って行く。」
その後は言ってくれなかった。
着いてからのお楽しみってやつか。
一行は電車に乗り込んだ。
空いていればいいなと思ったが、現実は甘くない。
誰一人席に座れなかった。
欲を言えば雫の隣に座りたかったのだが…
大人しく吊り革を掴み、電車に揺られた。
カタンコトンという程よいリズムは、たびたび知弘の目蓋を重りに変えた。
休日だからか、ホームの階段も混み合っていた。
「まいったな、こりゃ…」
頼翔が頭を掻いた。
「しっかり立っとけよ、足を滑らしたら終わりだ。」
頼翔がまるで崖側にでも立っているかのように言った。
知弘たちの前からはどんどん人が降りてきた。
すると背後で物音が鳴った。
振り返ると、雫が人波に押されて階段から足を滑らせるところだった。
いつもなら少し細い目を、見開いて。
まだ幸いにもあまり上っていなかったため、重症ではないだろうが、それでも13段ほどはある。
どこからどう見ても痛くないとは言えないほどに雫は落ちていった。
地面に転がった雫は、気絶しているようだった。
後ろには運悪く誰も居なかった。
「雫!」
知弘に続き、琴葉、頼翔と、顔を引きつらせ階段を下りる。
周りの人々も、電話をかける人や、知弘たちと同じように駆け寄る人もいた。
雫は誰の呼びかけにも応じなかった。
知弘たちは病院で夕方まで雫のベッドの横に付き添っていた。
翌日は学校があったが、知弘は学校に行かなかった。
>>5
22秒返信か…やるな、だが私は6秒で返信してことがあるのだ!勝ったな、フハハハハ!((誰お前
>>24
おっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっしゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
終わったーーーーーーーーーーーーーーーー!!