帝虎学園物語
「いいか、力ってのは大事なモンを守るために使うんだ、無闇にケンカするんじゃねえぞ?」
「やっぱりリュウは優しいね!」
眠そうにしていた妹がそう言って笑いかけて来たので、妙に気恥ずかしくなる。
「優しくねえよ、ヤンキーだぞ?」
「でも、私のこと守ってくれるでしょ?」
「あたり前だろ、アニキだからな。」
「優しいじゃん。」
「早く寝ろ。」
「ヤンキーでも、私はリュウの事大好きだよ?」
「俺もだよ。」
「だーいすき!」
抱きついて来た、今日はこのまま寝るか。
「妹?」
「おう。」
「リュウちゃん二人暮らし?」
「色々あったんだよ。」
「カッコいい。」
「うお!いきなりくっつくなって。」
彼女の桜木セナがもたれかかって来た。
「妹さんのこと、守ってきたんだ。」
「アニキだからな、それにアイツは優しい奴なんだよ、俺なんかとは違って。」
「もう、バカアニキ!」
後ろから声が聞こえた、泣いてる?
「ひまわり!お前何で…アイツらは…」
「うーちゃんたちだったら通してくれたよ?」
「だからって高校の屋上まで来ることねえだろ。」
「だってえ!寂しいんだもん!」
「おいおい泣くなって。」
バシッと背中を叩かれる。
「んだよ?セナ。」
「さっさと、抱っこ!」
「おっおう。」
ひまわりを抱き上げて頭を撫でる、ビンタされた。
「おい、何すん…」
「リュウのバカ!俺なんかと違ってなんて言わないでよ!バカァ。」
「悪かったな、謝る。だから笑ってくれよ、俺ァお前の笑顔がみてぇんだ。」
「もう、言わないって約束して。」
「ああ、約束だ。」
「えへへ、大好き。」
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