《小説》冬空の雫#2
「だれ?」
冷静で落ち着き払った声が響き、それと同時にまわりの粉雪やら冷気やらが一気に吹き飛んだ。
現れたのは、同い年ぐらいの女の子だった。
とてつもなく美人で、肌や服は真っ白に染まり、どこか悲しい目をしていた。
まるで天の使いの様だった。
「あなた、おなまえ、なに?」
女の子が口を開いた。
「、、、綾乃。アヤって呼ばれてる。」
ちなみに、「アヤって呼ばれてる」と言うのは嘘だ。こう言うみんなからのあだ名みたいなのを教えて、少しでも友達がいるように見せかけたかったからだ。
「アヤね。よろしく。
時峯雫よ。私はね,通りすがりの人の願いを何でも叶えてあげられる、精霊なのよ。貴方の願いは?」
一般の人であれば、人の願いを何でも叶えてあげられるなんて胡散臭いの他何でもないだろう。
しかし私は、この雫と名乗る女の子に願いを言ってしまった。
「、、、好きな人と、両思いになりたい、、、、。」
「、、、ふっw」
ゑ?
え?え?なんか笑われたんですけど!
「貴女、小学生でしょ?そんな胸も尻も無い年頃で片想いだなんて、乙女ねぇ。」
「、、、っ!
べ,別に恋する年なんて人の自由でしょっ!!」
馬鹿にされたような気分になり、思わずカッとなって怒鳴る。
「冗談よ。」
雫は笑いながら答えた。
「私は精霊と言ってもまだ駆け出しのようなもの。人間の願いを叶えるとなるとかなり強大な力で、もしかしたら“呪詛”を齎してしまうかも知れない、、、。それでもアヤは願いを叶えたい?」
そう言われると少し考え込んでしまう。でも、、、
「叶えたい。」
私は決意を固めた。
「ふふ、、、じゃあ早速、一つ目の鄙錑術を使いましょうね、、、
そのような覚悟があるのならば、早くお願いを叶えてあげなくちゃ。」
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