【小説】ikebara3話

2023/05/06 16:18

俺はドアを開けた。

しかし、誰もいなかった。しかし、俺の足元に小さなダンボールが置いてあることに気づいた。

「なんだ宅配便かぁ、一言くらいなんか言えよな」

俺はソファに座って開けてみた。

「嘘、だろ、なんでここに?、、どういう事だよ」

そこに入ってたのは紛れもない、瑠璃の結婚指輪だった。

俺は死にそうになった。

「瑠璃の指輪、なんでここにあるんだよ」

そして、小さな紙切れが入っていた。

「お届け物です。」

紙切れにはそう、書いてあった。

「もう、俺、死にたい。。。」

「なんで瑠璃だけなんだよ、、他にもいっぱいいるだろうが!!」

「なんで瑠璃だけ、なんでだよぉぉぉぉおお!!」

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙」

俺はいつの間にかソファで寝ていたようだ。

翌日が瑠璃の葬式だということを忘れて。

午前11時、俺は葬式のことを思い出して起きた。

いい夢だった。これまでにないくらい、いい夢だった。

瑠璃が起こしてくれて、朝ごはんを一緒に作り、行ってきますと言って一緒に仕事に行く。いつも通りの生活だが、全てが特別に見えた、最高の夢だった。

「瑠璃に、会いたい。」

俺は喪服を着て、午後4時から始まる葬式の準備をした。今回は近親葬で、瑠璃の両親が来ていた。

両親共々、ショックのあまり、電話が繋がらなかった。

近親葬だが、俺の一番の親友である彰人も来ていた。

俺が呼んだのだ。

彰人が急に話しかけてきた。

「冬矢、本当に、本当に申し訳ないことをした。」

「本当にすまない、冬矢」

俺は突然の謝罪で、動揺した。

「どうしたんだよ彰人」

「お前は悪くないよ。」

「でも、俺が居酒屋に誘わなかったら、瑠璃さんは、亡くなってなかったんだろ?」

「いや、瑠璃は、死後9時間経ってたらしい。」

「でも、俺が誘ってなかったら救えたかもしれなかっただろ?」

「冬矢、俺は何でもするから本当に何でもするから」

「悪い、ちょっと来てくれ彰人。」

俺は彰人をトイレに誘った。

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