小説「天使の道」3話

7 2022/04/25 19:51

桜満開

今日から始まる高校生活

高校に続く道には

桜並木

「桜が一番好きな花」

おばあちゃんが春になると

公園に連れて行ってくれて

毎度口にしていた言葉

おばあちゃんと同じ様に

私も桜が一番好きな花となった

「・・・綺麗」

立ち止まって立派に咲いた

桜を眺める

家から学校への道のりに

桜が見れる

適当に選んだ学校だけど

この景色があるなら

この先の学校生活が

楽しみになってくる

ワクワクとドキドキが入り混じった

感情を胸に学校へと足を進める

門の前に着くと校庭にも桜の木が沢山あり

思わず笑みをこぼしたのが数秒前

私の顔は

青ざめている

「・・・うそ」

次々と校舎に足を進める

生徒たち

その姿は

カラフル

「まぢ入学式とかかったるいんだけど」

「あ、つけま忘れた」

「おいテメー!今ぶつかったろ!」

「あぁ?やんのかコラ!」

私の住んでいた田舎には

滅多にお目にかかる事の出来なかった

いわゆる

不良不良不良不良

ギャルギャルギャルギャル

髪の色は皆カラフル

耳にはジャラジャラとピアス

女子はメイクばっちり

(おばあちゃん・・・私は早速道を間違えたようです)

初めて見る不良やギャルの姿に

ビクビクしながらクラスを確認する為に

校舎の入り口にやってくる

大きな掲示板に入学生のクラスが張り出されている

人混みが凄く私は少し距離を置いて掲示板を見る

視力に自信はあるので

自分の名前を探す

(若宮 天使・・・)

わかみや てんし

それが私の名前

小さい頃からこの名前で何度かイジメられてきた

だから私はこの名前があまり

好きじゃない

(あった・・・1年A組)

あいうえお順なので

わ、から始まる自分の名前は

簡単に見つける事が出来た

「あったー私A組!」

「あ、私も!一緒じゃん!」

「・・・なにこれ!A組に天使とかいうやついるじゃん!」

「ギャハハッ!まぢだ!うける!読み方エンジェルとか!」

「きもっ!ギャハハ!」

自分の前にいた女子生徒2人の会話に

天使は肩をビクッと揺らし

新入生はすぐ体育館へと案内があったので

直ぐにその場を立ち去る

(・・・不安しかない)

同じクラスになるであろう女子生徒2人の会話が胸に突き刺さる

どうか

平穏な毎日が暮らせますように

天使はかけていたメガネをくいっと

あげて

早足で体育館へと向かった

小説「天使の道」2話

https://tohyotalk.com/question/299532

小説「天使の道」4話

https://tohyotalk.com/question/330285

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