[小説]君が報われない世界

5 2022/05/27 21:41

ある時に気づいた。

この異様な『体』になるのは突然だったと

戦場に巻き込まれた時、人々の嘆く声や叫び声うめき声

―血ー

赤く紅く暁く

染まってゆく。

必死になって生きようと僕の本能は言った

―その時。

グサッ

「うっ…!」言葉にならない声が僕の口から出た。

な、なにこれ…

血…

ドクドクと

音が聞こえるようだ。これは、僕の血…

痛い。

涙が出た。こんな、苦しい

「ぐっぁっ、は、は、あぁ…」息が、詰まる

あぁ

死ぬんだ。ここで

そう思った時、

ミシミシ、

と変な音が聞こえた。「あっ…あぁ!ぐはぁっあっ…は…」痛い痛い痛い痛い痛い痛い

死にたくない。

「あっ…ふ…は、は、」

「え?」

傷がなかった。

癒えた。

なにが…あったのだ

痛みが、消えた

この信じがたい出来事に、頭が追い付かず立ちすくんでいると、目の前に剣が降りかざる

「つっ…!」

僕は必死に走った

走り続けた。

森の中で一人。

お腹がすいたのどが渇いた何があった何処にいるのか

そんな感情を圧し殺して、ただただ歩いた。

もう―

限界だ

ぐらっ

足元がふらつく。崖に落ちていった

目の前で人が死んでゆく姿を見た僕は、心にショックをうけていた

うん、

もうどうでもいい。訳がわからない

そんなことを考えながら落ちていった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

目が覚めた。

「あれ…」死んでないのか?

「うっ!」体が痛い…

ここは、何処だ。

「あ!起きたんだ!」と、一人の少女が言った。

僕は咄嗟に、「今、何月何日だ」と聞いた時の進みが、わからなかったから。

「んーいま?今は9月24日だよ?」と少女は答える。

僕は唖然とした

あの日から、4日たっている。

生きていたことが奇跡だと。

「そ…うか」

すると僕の体に包帯が巻いてあったのに気づいた「これは?君が?」と尋ねた。

すると少女は、

「うん。すごい血だったから」と言う

その言葉で思い出した…シュルシュルと包帯を取ると、

やっぱり、傷がない。

少女は「うそ!さっきまではあったのに!」と驚くように言った

なんだこれ、なんなんだよ

その前に、ここはどこかだな「ここはどこだ?」

「ここは村だよ。私は一人暮らし。ま、小さい小屋だけど」

「そうか…」と僕は呟く

「いく宛がないならここにしばらくいなよ!私も話相手欲しいし!」と眩しい笑顔で言ってきた

「いや、でも…」「いいからいいから!!」押し通されて、僕はそこに居ることになった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1ヶ月ほど経った。

「この生活が楽しくなってきたよ」

僕が少女に言う。

少女の名前は「ゆあ」だ。

「…私も」とゆあは笑った

その時だった。

突然、ゆあは血を吐いた

僕は唖然とし、言葉が出なかった

すぐゆあにかけより、僕は言った「どうした!?なにがあった?!」

ゆあは苦しそうにせきをした後、「大丈夫…大丈夫だから」と言う

大丈夫?そんなわけないだろう。

僕はゆあを安静な場所へ移動させた

「ゆあ!ゆあ!大丈夫か!?」

僕は声を荒げた

ゆあはかすれた声で、「ごめんね…」と言って、涙を流した

僕は、なぜ謝るのかわからなかった。

するとゆあは、「ありがとう。少ない間だけど、楽しかった」と言った

僕はゆあの手を掴み、「死ぬのか?」と強張った声できいた

ゆあは、「…ごめんね」と言い、僕の手の中からスッと落ちた

僕はゆあを抱きしめ、「ありがとう」と、涙を流しながら言った

そして、僕と過ごしたひとりの少女は、もう、いなくなってしまった

僕はこれからどうしようか

なぜ僕は傷が直ったのか

目の前が真っ暗だった

『カラン』手元に包丁が転がった。

僕はそれを掴み、自分の心臓におもいっきり刺した

グサリ

痛い。

死んでしまい『そう』なほど。

苦しい

なのに、

なんで

なくなるんだ

傷はすぐになくなった。

残ったのは僕の血だけだった

ああ…そうか。僕は死ねないんだ

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その他2022/05/27 21:41:51 [通報] [非表示] フォローする
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2: K.ドラ93 @doraaa 2022/05/27 22:41:43 通報 非表示

「僕が報われる世界」も作ってください!


3: 匿名3 @BB7 2022/05/27 22:43:05 通報 非表示

おぉー、いいですね。改めて死と命というものを感じられました。


5: 匿名3 @BB7 2022/05/28 08:47:02 通報 非表示

>>4
最後が最後なんでこれで完結だと思いますよ


なんだこの中二病真っ最中の小説しにたい


>>7
いつのトピにコメしてんの


>>8
自分のトピックさかのぼってみてたらなんかしぬほど厨二病でつらい


>>9
これありゅのトピだったんだ

初耳


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