小説 「幻封縧」という「題名」

2 2022/11/27 12:59

「幻封縧」という「題名」

「ねぇ茶魔」

「何?」

「私たちが住む世界は何故 幻封縧 と言うんだろう」

「この名前にはきちんと由来があるの」

「へぇ、どんな由来?」

「祖父母から聞いた話だから本当かどうかは分からないよ、凜兎」

「いいよ」

「これは千年。いいえ、何億年もの昔のこと」

              ☆*。:⭐︎:。*                 

うーん、ふわぁよく寝たな〜。あれ?ここどこだろう、とても綺麗でどこか懐かしい。

結界だ。本で読んだ時に見たことあるけど、実際に見るのは初めて、本当に存在したんだ…。

………私これからここに住むのかな、誰もいないようだけど私が初めてなのかな。そうだったら、ちょっと嬉しい。かな…

もし、本当に住むのなら、ここに名前…いや、題名をつけなきゃ。たった今から始まる物語の題名を。

そうだなぁ、幻はつけたい、「幻」の世界という意味で。後は…結界だから封印されてる?じゃぁ「封」もつけようかなぁ…。

これから築かれていく命…はどうやって表そう。簡単には表せられない「命」を……

「糸」

そう思ったら勝手に口から出ていた。そう、糸だ。糸のように連なって切られなければ、ずっと絶えない糸。でも糸じゃなくて…

うん、いい題名。

こうして、水空遥がつけた初めて誕生したこの世界の名、いや題名は

              げんふうじょう

               「幻封縧」

          幻の封印された世界で繋がれる命

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