【小説】TIMEカプセル 第一話
主人公 奏(かなで)
妹 泉(いずみ)
親友 千夏(ちなつ)
〜プロローグ〜
部活が終わったら教室にカバンに取りに行ったら帰るつもりだった。だけどその時、妹の泉から一通のメールが来た。
『緊急事態!部活終わったらこっちの校庭来てくれる?!』
「?!」もついてたし、どうしたんだろう。
泉は2つ年下の小5で、青空小学校に通っている。青空中の私にとっては、小学校は通学路だから、手間もない。
『わかった。すぐ行くね』
そう返信し、私は学校へ向かった。
〜第一章 カプセルと記憶〜
「お姉ちゃーん!」「あ、泉ー」
前から走ってくる泉を見て手をふった。
「これ見て!」
泉は私の手を引っ張りながら、砂場へと連れてった。そこには、小さな青色のカプセルが埋まっていた。
その瞬間、小4のときの記憶がよみがえる‥
−三年前−
「ねぇー泉?タイムカプセル作ってみない?」
「きゅうにどうしたの?でもたのしそう!」
「じゃあ家にあるガチャガチャのやつ、持ってくるか!」「わーい!たのしみー」
−現在−
なんて書いたのかは、覚えてない。
だからこそ見て見る価値はあると思う。
「覚えてる?これ。」
泉が先に話しかけた。
「うん。開けてみる?」「いいよ?」
そこには、小さな手紙が2つ入っていた。
『未来の奏さんへ
こんにちは。小学四年生の宮月奏です。
元気ですか。私は今、学校を楽しんでいます。
来週には移動教室があります。楽しみです。
また、手紙を書けることを願っています。』
『みらいの泉さんへ
こんにちは!小学2ねん生の宮月泉です。
げん気ですか!いま泉が楽しんでることは
一ねん生とのこうりゅう活どうです。またお手がみかきたいです。』
はっきりいって、「奏さん」って書いてあるの可愛い。自分のことなのに。私はその紙を見つめて大事にカバンにしまった。
「ねぇ、また未来に書こうよ!今度は泉が中学生になったら見てみたいなぁ。」
「え?また書くの?そういう年じゃないでしょ。」
私は泉の意見に反対した。
タイムカプセルだなんて、この年になってやること?‥なわけないよね。
「んえー!楽しそうじゃん!お願いっ!」
犬のような目で見つめてくる泉に言われた。
「今回だけだよ。」仕方ないか。
「やったー!ありがとう。お姉ちゃん!」
〜第二章 泉の願い〜
あのあと、私と泉は手紙を書いた。
「これでいいよね。」「うん!いい!」
また青いカプセルに戻し、土で埋めた。
埋まった頃にはもう空は暗かった。
「早く帰んないとお母さんがうるさいよ。」
「そーだねー。帰ろー」
帰り道、泉が急に言い出した。
「ねぇ。明日また見に行っていいー?」
え?タイムカプセルの意味なくない?
「それじゃあ、埋める意味ないよ。」
私はそう答えた。
「過去から手紙来たりしないかなぁ!」
いや、そんなことあるわけないし。
過去が未来に書くことはできるけど、未来が過去に書くのは無理に決まってるじゃん。
「すごく非現実的だね。」
「えー!そうだったらファンタジーなのに」
−いやいや。ファンタジーだからありえない話なんだよ。わかる?
〜第三章 未来からの手紙〜
翌日、私はいつも通り親友の「千夏」とお弁当を食べていたときのこと。泉からメッセージがきた。
『やばい!手紙の内容が変わってる!』
「んー?誰からきた?」千夏がつぶやいた。
「妹。」「なんて?」
昨日のことを千夏に話した。
そして泉からのメッセージの話もした。
「手紙の内容が変わってるってどういうこと?」「私に言われても。」
そしたら千夏が「じゃあ、私も連れてって!」
え、どこへ?まさか、小学校?
「小学校に?」「うん。行くんでしょ?」
え、行くって言ってないし。まあ気になるけど。
『今日の四時半。校門に行く。』
そう返信して、ため息をついた。
「はいはい。今返信しといたから。」
「ありがとうー楽しみにしてる!」
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