【小説】ikebara 2話
俺は状況の理解が追いつかなかった。
今、一番に何をすればいいのか、頭が朦朧とした。
「瑠璃!!聞こえるか?返事をしてくれ!!」
瑠璃は何も声を発することなく、動きも止まっていた。
「瑠璃、聞こえているなら返事を、返事をしてくれ、、頼むから、、」
俺は救急車と警察を呼んだ。
10分ほどで、救急車のサイレンと共に、救急隊が到着した。
続いて、あとから警察の人も来た。
この時の状況は微かにしか覚えていない。
だが、これだけは覚えている。
瑠璃の状態を見て、救急隊の人が顔をしかめていたことだけは。
俺はわけも分からず、壁にもたれかかった。
気づいたら、俺は病室にいた。
あまりの驚きに意識を失っていたようだ。
2分くらいぼーっとしてたら、看護師が暗い顔をして俺の方に向かってきた。俺は察した。
これは忘れられないセリフになった。
「池原冬矢さんで間違えないですよね?お気の毒ですが、池原瑠璃さんは、午前4時17分、精一杯の死力を尽くしましたが、お亡くなりになられました。」
「本当にお気の毒だと思います。私達も死力を尽くしましたが、」
「もういいです。考えたいことがあるので、出てってください。」
本当に死のうかと思った。もう死んでいいと思った。
瑠璃がいなくなったこの世界では俺は生きてはいけない。
「何でこうなるんだよぉぉぉぉぉおお!!」
俺は病室のテーブルを破壊した。
3日後、俺は自我を取り戻し、家に帰った。
警察の捜査はとっくに始まっているようだった。
テレビをぼーっと見つめていたら、インターホンが鳴った。
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タグ: 小説
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