【小説】ikebara 2話

1 2023/05/01 21:26

俺は状況の理解が追いつかなかった。

今、一番に何をすればいいのか、頭が朦朧とした。

「瑠璃!!聞こえるか?返事をしてくれ!!」

瑠璃は何も声を発することなく、動きも止まっていた。

「瑠璃、聞こえているなら返事を、返事をしてくれ、、頼むから、、」

俺は救急車と警察を呼んだ。

10分ほどで、救急車のサイレンと共に、救急隊が到着した。

続いて、あとから警察の人も来た。

この時の状況は微かにしか覚えていない。

だが、これだけは覚えている。

瑠璃の状態を見て、救急隊の人が顔をしかめていたことだけは。

俺はわけも分からず、壁にもたれかかった。

気づいたら、俺は病室にいた。

あまりの驚きに意識を失っていたようだ。

2分くらいぼーっとしてたら、看護師が暗い顔をして俺の方に向かってきた。俺は察した。

これは忘れられないセリフになった。

「池原冬矢さんで間違えないですよね?お気の毒ですが、池原瑠璃さんは、午前4時17分、精一杯の死力を尽くしましたが、お亡くなりになられました。」

「本当にお気の毒だと思います。私達も死力を尽くしましたが、」

「もういいです。考えたいことがあるので、出てってください。」

本当に死のうかと思った。もう死んでいいと思った。

瑠璃がいなくなったこの世界では俺は生きてはいけない。

「何でこうなるんだよぉぉぉぉぉおお!!」

俺は病室のテーブルを破壊した。

3日後、俺は自我を取り戻し、家に帰った。

警察の捜査はとっくに始まっているようだった。

テレビをぼーっと見つめていたら、インターホンが鳴った。

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