東方二次創作小説「董子と華扇」
心地良い春風と花びらを散らす桜。
「今日もいいお天気ねぇ。」
私、茨木華扇はつぶやいた。
今日は、朝ひさしぶりに霞を食べた。
美味しいものじゃないけどね。
動物たちにえさを与えて、玄関わきの掃除をしようと思ったとき、聞きなれた声がした。
「華扇ちゃんっ」
ゆっくり手を振りながら近づいてくるのは、私の友達の董子。
外の世界の人間だけど、オカルトボールで幻想郷に干渉してから
眠っている時だけ幻想郷に来れるようになった。
本人はドッペンゲルガーとか何とかいうけど、結局
気にせず遊びに来る。
「今日もまた居眠りかしら?学校は平気なの?」
「先生ぐらい軽くまけるわよ。今日は祝日だから学校はないし。勉強だって退屈。」
あきれるほど危機感がないように思えるけど、かなりの実力者なのは確かなのよね。
「そうだ、お茶でも出すわね。宴会で残った花見団子もあるわよ。」
「いぇ~い!華扇ちゃんのお茶おいしいのよねぇ。」
「いつも言うわねそれ。」
私は棚から花見団子を出す。それから宴会で三妖精が出していた桜の塩漬けを茶に浮かべる。
「どうぞ召し上がれ。」
「待ってました!」
ぱくっ
「しょっぱ!」
「あらほんとだ、花見団子がしょっぱいわね。」
これ作ったの霊夢だったかしら。酔っぱらって気づかなかったのね。
「でもこれはこれでいけるかも!」
「それは董子が雑食なだけじゃないわよね?」
「違うわよ!」
その後、董子は動物に触ったり外の世界のことを話したりして帰っていった
にぎやかな話声が過ぎ去った後の風の音は、少しだけさみしく聞こえる。
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