【小説】星の花が降る頃に 後日談3.5話

3 2023/12/07 16:05

「きれい」

 言葉にならない言葉で戸部くんは言った。

暗い中パラパラと落ちてくる銀木犀はまるで雪のようだ。

「受験が終わったら、またここで会いたいな」

 気づけば声が出ていた。

独り言か、戸部くんに向けてか。私でもわからない。

でも、戸部くんは顔を赤くして、少しうなずいたように見えた。

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