【小説】東方幻想色 第Ⅱ章 フランドール・スカーレットの幻想色

19 2024/01/13 21:29

チク…タク…

過去を刻む時計の秒針。

それに縋り付くのが…私…

【東方幻想色 第Ⅱ章 フランドール・スカーレットの幻想色】

私は495年間、ずーーっと、お外に出たことがない。

地下室で、独り。

過去を刻む時計の針に縋り付いて。

いつしか羽は立派な漆黒の羽から、壊れた羽になってしまった。

誰も、私のことなんて、かまってくれない。

触れただけで壊しちゃう。

こんなの、やだよ。

お姉様。咲夜。美鈴。パチュリー。小悪魔。

何で私を無視するの?

………私は、いらないのかしら?

ガチャ。

どうせ、期待はしないわ。

おやつでも持って来たのでしょう?咲……

フラン「誰?貴方は、誰?私の新しいおもちゃ?」

見上げた先には、見知らぬ黄色い髪の魔法使いが立っていた。

???「おもちゃとは失礼な。私は霧雨魔理沙だぜ。お前は何ていうんだ?」

私は、ぬいぐるみを抱きしめて言った。

フラン「……私はフランドール・スカーレットよ。それより、魔理沙はどうしてここに?」

魔理沙「お前、知らねぇのか?上では異変が起きてるんだぜ。そして、私はその異変を解決しに来たってわけさ。そしたらここに着いた。お前がこの館の主……」

その時、ぬいぐるみが弾け飛んだ。

フラン「私はこの館の主なんかじゃない。それは、お姉様よ。私は495年間、ここで独りよ。」

魔理沙「………そりゃあひどい姉さんだなぁ!そうか、そうか、辛かったな。じゃあ、この魔理沙様が特別に遊んであげよう!!」

フラン「…!!何して遊ぶ?」

魔理沙「弾幕ごっこだぜ!!」

こうして私は魔理沙と弾幕ごっこを楽しんだ。

フラン「ありがとう。495年で一番楽しかったわ。」

魔理沙「フラン…お前…なかなかやるぜ!!」

フラン「へへ、すごいでしょ?」

魔理沙「そこでお前に提案だ。お姉様?とやらを倒しにいかねぇか?私が手こずるとはなかなかの腕前なんだぜ。」

フラン「…そしたら外に自由に行けるかな?」

魔理沙は微笑んだ。

魔理沙「きっとそうだぜ!!」

私の顔はキラキラ輝いた。

ー紅魔館最上階ー

フラン「お姉様、何で私は外に出ちゃだめなの?お姉様はいいのに?」

レミリア「それはあなたを守るため…」

フラン「ごちゃごちゃうるさい!!いい?私はお姉様を倒して、外に出るの!」

レミリア「………そう。」

フラン「隙だらけだよ、お姉さ…」

お姉様は微笑んだ。

レミリア「フラン、ずっと独りで寂しい思いをさせて、ごめんなさい。」

フラン「…?!」

レミリア「貴方に、もっと自由を与えるべきだったわね。フラン、外を見てご覧なさい。」

フラン「紅色…」

レミリア「これは、この館の色は何色かしら?」

フラン「紅色…」

レミリア「正解。これから幻想郷は紅魔色に染まるのよ。だから…」

霊夢が飛んできた。

霊夢「そうはさせないわ!」

その後は、もう、よく覚えていない。

でも、その後、お姉様の言葉を思い出してみた。

それは…

私の色…【フランドール・スカーレット色】

それはこの館のいくつものところにあった。

前より自由に動けるようになった。

その時、気づいた。

お姉様は私のことを思っていたんだって。

そう、この館は

【フランドール・スカーレット色とレミリア・スカーレット色、そして優秀な従者の色が交わった紅色】に染まっている。

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タグ: 小説 東方幻想色 Ⅱ章フランドール スカーレット

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アニメとゲーム2024/01/13 21:29:17 [通報] [非表示] フォローする
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