【小説】東方幻想色 第Ⅱ章 フランドール・スカーレットの幻想色
チク…タク…
過去を刻む時計の秒針。
それに縋り付くのが…私…
【東方幻想色 第Ⅱ章 フランドール・スカーレットの幻想色】
私は495年間、ずーーっと、お外に出たことがない。
地下室で、独り。
過去を刻む時計の針に縋り付いて。
いつしか羽は立派な漆黒の羽から、壊れた羽になってしまった。
誰も、私のことなんて、かまってくれない。
触れただけで壊しちゃう。
こんなの、やだよ。
お姉様。咲夜。美鈴。パチュリー。小悪魔。
何で私を無視するの?
………私は、いらないのかしら?
ガチャ。
どうせ、期待はしないわ。
おやつでも持って来たのでしょう?咲……
フラン「誰?貴方は、誰?私の新しいおもちゃ?」
見上げた先には、見知らぬ黄色い髪の魔法使いが立っていた。
???「おもちゃとは失礼な。私は霧雨魔理沙だぜ。お前は何ていうんだ?」
私は、ぬいぐるみを抱きしめて言った。
フラン「……私はフランドール・スカーレットよ。それより、魔理沙はどうしてここに?」
魔理沙「お前、知らねぇのか?上では異変が起きてるんだぜ。そして、私はその異変を解決しに来たってわけさ。そしたらここに着いた。お前がこの館の主……」
その時、ぬいぐるみが弾け飛んだ。
フラン「私はこの館の主なんかじゃない。それは、お姉様よ。私は495年間、ここで独りよ。」
魔理沙「………そりゃあひどい姉さんだなぁ!そうか、そうか、辛かったな。じゃあ、この魔理沙様が特別に遊んであげよう!!」
フラン「…!!何して遊ぶ?」
魔理沙「弾幕ごっこだぜ!!」
こうして私は魔理沙と弾幕ごっこを楽しんだ。
フラン「ありがとう。495年で一番楽しかったわ。」
魔理沙「フラン…お前…なかなかやるぜ!!」
フラン「へへ、すごいでしょ?」
魔理沙「そこでお前に提案だ。お姉様?とやらを倒しにいかねぇか?私が手こずるとはなかなかの腕前なんだぜ。」
フラン「…そしたら外に自由に行けるかな?」
魔理沙は微笑んだ。
魔理沙「きっとそうだぜ!!」
私の顔はキラキラ輝いた。
ー紅魔館最上階ー
フラン「お姉様、何で私は外に出ちゃだめなの?お姉様はいいのに?」
レミリア「それはあなたを守るため…」
フラン「ごちゃごちゃうるさい!!いい?私はお姉様を倒して、外に出るの!」
レミリア「………そう。」
フラン「隙だらけだよ、お姉さ…」
お姉様は微笑んだ。
レミリア「フラン、ずっと独りで寂しい思いをさせて、ごめんなさい。」
フラン「…?!」
レミリア「貴方に、もっと自由を与えるべきだったわね。フラン、外を見てご覧なさい。」
フラン「紅色…」
レミリア「これは、この館の色は何色かしら?」
フラン「紅色…」
レミリア「正解。これから幻想郷は紅魔色に染まるのよ。だから…」
霊夢が飛んできた。
霊夢「そうはさせないわ!」
その後は、もう、よく覚えていない。
でも、その後、お姉様の言葉を思い出してみた。
それは…
私の色…【フランドール・スカーレット色】
それはこの館のいくつものところにあった。
前より自由に動けるようになった。
その時、気づいた。
お姉様は私のことを思っていたんだって。
そう、この館は
【フランドール・スカーレット色とレミリア・スカーレット色、そして優秀な従者の色が交わった紅色】に染まっている。
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