【小説総選挙】 「とても暑い夏の日でした」(3)
8/20?(7:00)
絵冬「彰弥〜!朝だよ、起きなよ?」
彰弥「あれ...?俺はあの日あの時、楓と一緒でトラックに引かれて」
絵冬「はぁっ?何言ってるわけ?寝ぼけてんの?」
ここは、病院?いや、いつもの部屋だ
じゃあ、夢?いや確かに痛かった
絵冬「朝ご飯冷めちゃうから、早く起きてきなさいよね!」
あぁこれは、
彰弥「タイムループだ」
小さな声でつぶやいた彰弥の声は絵冬には届くことはなかった
じゃあ今日は、事故が起きる2日前っていうことか
8/20?(7:30)
絵冬「わぁっ!!ホットケーキだ!」
俺の姉の絵冬はホットケーキが好きだ
ちなみに俺も
絵冬「お母さんありがと!大好き!」
彰弥「はぁ、さっさと食うぞ」
絵冬「はーい」
8/20 食事中
絵冬「そういえば、今日楓ちゃんと遊ぶんでしょ?」
彰弥「あ、あぁ、そうだけど」
絵冬「交通事故には気をつけてね」
彰弥「急に何言って...」
絵冬が、ちょっとニヤけたのが見えた
楓が事故に合うのなんて、本当の8/20なら誰も知らないはず
なんで今、事故に気をつけろなんて言えるんだ...?
彰弥「うん、わかった」
絵冬「あれ?今日は聞き分けが良いね!じゃあ一緒にショッピングでも...」
彰弥「お前と一緒に行くと荷物持ちにされるからやだ」
絵冬「ちょっとぐらいいいじゃない!?ケチ!」
彰弥「誰がケチだよ!?」
母上「まぁまぁ、仲良くしましょ?今度3人で、お買い物でもいきましょ?」
絵冬「はーい!」
俺の父親は、俺が物心ついた頃にはいなかった
顔も知らない、名前も知らない、性格も知らない
絵冬「彰弥もう9:30だけど、準備しなくていいの?」
彰弥「あ!いってきまーす!」
母上「気をつけてね」
やっぱりあの日だ
俺は、繰り返す
あの8月20日のように、セミが鳴いてるし、暑いし、歩いているひとも全く一緒だ
でも、一つだけ違うことがある
それは、楓を救おうとしてる俺、彰弥がいるってこと
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