空想小説「青鬼」 第46話 親の話
ハクモ「つれてきたー!」
氷河「呼ばれたんで連れてこられましたー。」
ハクモが元気いっぱいで降りてきたのに対して氷河は不本意のようだった。
卓郎「んで美香は結構早くにバレてたんだな。」
美香「(´・ω・`)」
闇氷「姉さんがどつかなかったのは珍しいな。」
氷河「別に聞かれたくなかった話はなかったし。後闇氷並に手癖足癖は悪くない。」
闇氷「んだとお前」
氷河「表出る?」
ハクモ「2人、喧嘩しない。」
氷河 闇氷「(;¬_¬)………」
ハクモが圧を掛けると氷闇はすんなり大人しくなった。
たけし「い、一発で鎮静しやがった…」
闇氷「こいつをキレさせるとどうなるか分かったもんじゃねぇ…」
氷河「絶対勝てん。んで、話すネタはなんとかなるーって言ってたけどあるのか?」
美香「うーん…じゃあじゃあ、何で氷ちゃんはナイフを愛用してるの?」
氷河「軽くて振りやすいから。リーチは考えもんだけどね。まぁそん時はリーチ伸ばすなりなんなりするけどね。」
美香「そんなの出来ちゃうの!?」
氷河「そりゃ普通のナイフじゃ基本無理だよ。これは属性で作ってるんだから訳ないよ。」
美香「わけない…?」
氷河「…属性で作ってるんだから簡単だよって事だね。」
美香「それも故郷の言葉?」
氷河「いや…これは違うと思うけど…」
たけし「にしたって、俺らいつになったら帰れるんだろうな…」
卓郎「あー…かれこれ多分…13日くらいはここにいるからなー…母さん心配してねぇかな…」
美香「トンネルが通れないからなんともね…」
氷河「…母さん…かぁ…」
母さん、という言葉を聞いた氷河はどこか複雑そうな顔をした。
美香「氷ちゃんのお母さん、心配してそうなの?」
氷河「…いや、そうでもないんじゃないかな。だって自分、清青町…だっけ?あそこで住んでるの自分と闇氷だけなんだからさ。後の家族は皆故郷だよ。」
たけし「え!?氷河、親と暮らしてないのか!?それ大丈夫なのか…?」
氷河はさらりと告げたが、それを聞いたたけしは驚いた声を上げた。
氷河「法律上は問題ないよ。1人暮らしは何歳からでもいいからね。正確には自分と闇氷の2人暮らしだけど。」
卓郎「よく親の同意貰えたな…」
氷河「結構ゴリ押した。」
ひろし「それに賃貸を借りるのも苦労したのでは?」
氷河「何かして何かしたら何とかなったわ。」
闇氷「素晴らしいほど何も理解出来ねぇなおい。まぁ私関与してねぇから知らねぇけど。」
氷河「だから親の顔なんざもう全然見てないよ。どう思ってるかすら分からん。」
卓郎「一体いつから自立したんだ…?」
氷河は少し考える素振りをしたが、すぐ首を振った。
氷河「いつだったかなー…忘れた。少なくとも1ヶ月は経ってるかな。」
美香「氷ちゃんって意外とすごい道歩んでるのね…」
氷河「…そうだな…すごい道、歩んでんな…」
氷河はどこか淋しげな顔で呟いた。
ひろし「…よく破天荒って言われません?」
氷河「ん?あぁ、よく言われるよ。」
闇氷「破天荒すぎて頭おかしくなってっけどな。」
氷河「それも今更じゃないか?」
闇氷「開き直ってやがるこいつ…」
氷河「ヤベー奴はヤベー奴なりに行かなきゃだからねぇ。」
ひろし「直そうと努力はしないのですか?」
氷河「直せたら苦労はしないよ。」
闇氷「ひろし、姉さんにそういうのは諦めた方がいいぞ。」
ひろし「やれやれ…」
ひろしが呆れる中、美香が新たな話題を出した。
美香「ねぇねぇ、氷ちゃんのお父さんお母さんってどんな人なの?」
氷河「自分の父さんと母さん?母さんはお店でパートをしてるよ。父さんは植物とかの会社で課長…だったかな?まぁそれは忘れたけどそこで仕事してるよ。やる事はちゃんとやれーって感じの真っ当な2人だよ。」
美香「へぇ、そうなのね!」
氷河「そういう美香さんはどうなんです?」
美香「私の両親はお父さんは柔道、お母さんは空手の道場をやってるわ!」
闇氷「だからフィジカルぶっ壊れてんだな…お前は?」
闇氷はたけしを指差して言った。
たけし「え、俺…?俺の方は…父さんが大工やってて、母さんは…スーパーのレジをやってるぜ。」
氷河「へぇ、大工か。物作り上手そうだね。」
たけし「おぅ、机とか本棚とか…作ってたりしてたぜ。」
氷河「自分の父さんといい勝負出来そうだね。こっちの父さんも器用だからさ、色々作ってたりするんだよね。」
たけし「例えば?」
氷河「そうだね…本棚…机…ビニールハウスに鶏小屋…」
氷河はまたさらりと口に出したがそれもまたたけしは驚きの声を上げた。
たけし「え!?鶏小屋!?ビニールハウス!?」
卓郎「またさらっとすごいの言ったな…」
美香「氷ちゃんって鶏飼ってるの!?」
氷河「ペットにね。食用じゃないよ。」
氷河は少し怪しみの目で美香に言った。
卓郎「その小屋を氷の父さんが作った…って事か?」
氷河「うん。ビニールハウスは家で野菜育ててるからそれで。」
卓郎「すごいな氷の父さん…」
氷河「うん、自慢の父さんだよ。」
たけし「それなのに離れたのか…?」
氷河「いずれは自立しないとだろ?それがそん時だったってだけだ。生憎ホームシックにはなってないね。」
たけし「強いなぁ…」
闇氷「メンタルはガラス豆腐だけどな。」
氷河「ちょっと闇氷…」
たけし「ガラス豆腐ってどういう事だ…?」
闇氷「些細な事で病んで1度壊れると中々立ち直らない奴。」
ひろし「両方の悪い所を取ってるじゃないですか…」
たけし「混ぜるな危険じゃねぇかよ…」
氷河「(´・ω・`)」
美香「あ、氷ちゃんがショボーンってなっちゃった。」
ハクモ「なおしてくよーそういうとこ!」
氷河「(´−ω−`;)アゥー…」
闇氷「じゃあ話を戻して。ひろしはどうなんだ?」
ひろし「私ですか。父は会社の部長を、母は教師をしています。」
闇氷「やっぱエリートだなお前のとこは…」
ひろし「その分周りの圧も中々に来ます。エリートの息子はエリートとは限らないのですから。」
闇氷「でも実際問題お前は頭のキレる秀才じゃねぇかよ。」
ひろし「それは結果論です。」
闇氷「身も蓋もねぇなぁ…」
氷河「じゃあー卓郎さんは?」
卓郎「俺の方は、父さんがサッカーのコーチやってて、母さんはテニスのコーチやってるぜ。」
闇氷「そっちも別ベクトルでフィジカルエグいな…」
卓郎「体育の成績は今まできっちり5点中5点だぜ!」
ひろし「ですが数学などの理系はガタガタだと言っていませんでしたか?」
卓郎「そ、それは言わないでくれひろし…」
ひろし「戻ったらまた教えますね。」
卓郎「おう、頼むぜ…」
そんな話をワイワイ話し、お昼ご飯の時間の時も楽しく食べていった。
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霞「実際1人暮らしは本当に何歳からでもいいらしいよ。ほいこれ。」
闇氷「限度ってもんがあるだろうが限度ってもんが。基本は18歳からだよこのアホ主が。」