[再UP]空想小説「青鬼」 第2話 頼もしい(?)仲間

1 2023/10/10 17:08

授業は何事もなく終わり、下校時間となった。

女子生徒A「一緒に帰ろー!」

女子生徒B「お、いいよー!」

様々な生徒達の声が飛び交う。

氷河は賑やかだなぁ…とそんな事をぼんやり思っていると、後ろから声が聞こえた。

「氷河ちゃーん!一緒に帰ろー!」

後ろを振り返ると、隣の席の白河ひろし、教室で助けてくれた赤水美香と、金髪の男子生徒と赤茶色の髪の男子生徒がいた。

氷河「おぉ。えっと、貴方は確か教室で…」

美香「そそ!私赤水美香っていうの!」

美香は手を合わせて言った。

氷河「そ、そうですか。よろしくです、美香さん。ところで、後ろの3名は…ひろしさんはわかりますが…」

氷河は後ろの3人に目線を向けた。

卓郎「あぁ、俺達の名前言ってなかったな。俺は赤城卓郎だ!よろしくな!」

たけし「お、俺は黄河たけしだぜ…」

後ろの2人、黄河たけしと赤城卓郎が自身の名を教えてくれた。

氷河「なるほど。まだすぐには覚えきれないと思いますが…」

氷河は自信なさげに言うと、ひろしは優しい声で言った。

ひろし「大丈夫ですよ。最初は誰だってそうです。ゆっくり覚えけばいいですよ。」

氷河「あ、ありがとうございます…」

卓郎「ははっ、そうかしこまんなって!俺達のクラスになった以上お前も仲間だ!」

氷河「か、軽い基準ですね…」

  『…まぁでも…ありがとうな…』

そう言いながらも氷河は自分を仲間だと言ってくれた事の感謝を自分の中で述べた。

美香「まぁ、そんなもんよ!これからよろしくね!」

氷河「はい!あぁ、そうだ。改めて名前言いますね。雪原氷河と申します。氷河とでも、氷とでもお呼びください。」

氷河は改めて名前を言った。

美香「じゃあ、今日から氷ちゃんって呼ぶわね!」

氷河「と、唐突ですね…まぁ、好きに呼んでください。」

たけし「じゃあ、行くか…!」

皆と帰る道中はそれはそれは盛り上がっていった。その後ひろし、美香、卓郎が別れ、たけしも別れる事になった。

たけし「じゃあ、俺家こっちだから…」

氷河「了解です!では!」

たけし「じ、じゃあな…!」

1人になった氷河の目は寂しそうな目になっていた。

氷河「いい人達だったな…さっきの4人…嫌々じゃなかったらいいけど…」

静かに歩いていると後ろで大きな声がした。

男子生徒A「おい待てよ雑魚厨二!」

振り返ると朝に絡んできたあの二人の男子生徒がいた。

氷河『またお前らかよ…!』

氷河は一瞬嫌そうな表情を見せたが、すぐに表情を戻して二人の男子生徒を見た。

氷河「…また貴方達ですか。何か御用でも?」

男子生徒B「何か御用でも、じゃねぇよ!よくもあの時恥を晒してくれたな!!」

大声で怒鳴る男子生徒Bに氷河は呆れ口調で言った。

氷河「いや悪いのはお二方でしょう。恥晒しもなにも、お二方があのような行動に出たからそのような結果になったのでは?」

氷河が正論を述べると、二人の男子生徒は逆上した。

男子生徒A「うるせぇよ雑魚!!あん時は運良く守ってもらえたが今回は誰にもサポートしてもらえねぇ!ここで俺らがお前の事をリンチしてやるよ!!!」

氷河『…リンチ?何だそれ…まぁ、多分言動的に…』

   「つまりは二人がかりで私を潰すと。」

男子生徒B「そういう事だ!覚悟はできたな??」

にやけつく二人を見て氷河は「はぁ…」と一息つくと、学校のリュックをコンクリートの上に置いた。

氷河「分かりましたよ。そんなに言うんならやってやりますよ。」

そう言い終わると氷河の目つきは鋭くなった。

男子生徒A「はっ、カッコつけやがって!」

男子生徒B「すぐに後悔させてやるよ!!!」

そう言って殴りかかろうとした瞬間、男子生徒Bがふっ飛ばされた。男子生徒Aが見ると、腹を抑えて唸っていた。

男子生徒A「おい、お前なにした!!!」

大声で怒鳴る男子生徒Aに氷河は鼻で笑う。

氷河「はっ、腹パンして蹴り飛ばしただけですが?」

そう言った後、鼻で笑った時の表情は消え、無表情で男子生徒を見つめた。

男子生徒A「はぁ…!?チッ、こうなったら俺一人で…!!」

男子生徒Aが氷河めがけて走り出そうとした瞬間、手首をとてつもない力で掴まれた。

男子生徒A「ぎゃああああああぁぁぁ!!!誰だああァァ!!!」

そう言い振り返ると…そこには満面の笑顔の美香がいた。

美香「もうこんな事しない…って教室で言ったわよね?それなのに、なぁにしてるのかなぁ?」

氷河「み、美香さん!?家に帰ったんじゃなかったんですか!?」

突然の美香の登場に驚いた氷河が美香に聞くと、美香は意気揚々と答えた。

美香「氷ちゃんが一人になってこいつらに何かされないかちょっとつけてたのよ。そしたら…案の定こうなってたからこうしたってわけ!」

氷河「あ、あぁ…なるほど…」

美香「後は私に任せて!気をつけて帰るのよ!」

氷河「あ、は、はい…」

  『これは彼奴等(あいつら)終わったな…』

そう思いながら足早(あしばや)に曲がり角を曲がった。そして走りながら内心ホッとしていた。

氷河「危なかったなぁ…ワンチャンあの男子生徒か美香さんに見られるとこだった…」

そう呟いて、ちょっとした路地裏へ入っていった。そこには、もう奥へ行ったのか、はたまた路地裏を抜けて曲がっていったのか、氷河の姿はそこにはもうなかった。

いいねを贈ろう
いいね
1

このトピックは、名前 @IDを設定してる人のみコメントできます → 設定する(かんたんです)
画像・吹き出し

タグ: up 空想小説「青鬼」 2話

トピックも作成してみてください!
トピックを投稿する
その他2023/10/10 17:08:39 [通報] [非表示] フォローする
TTツイートしよう!
TTツイートする

拡散用



霞(リア主)『多分いらない豆情報!

4人に改めて自己紹介した頃にやっと氷河の目にハイライトがつきました。』


画像・吹き出し

トピックも作成してみてください!
トピックを投稿する