【小説】生きる 第二話「真実」

2025/07/16 23:29

もし、あなたの言った「正しい」ことで誰かを傷つけてしまったらどうしますか?

あぁ、今日も無駄なことをしてしまった。ジャコモはキャスターだ。役職上は、どんなに人が苦しんでも真実を伝えなければならない。でも、でも俺の妹が、友人が、娘が、息子が泣いているのを幾度も見たんだ。そろそろ辞めなければならない。

犯罪を犯した同級生がいて、暴動犯した叔父がいる俺にはそもそも向いてなかったんだ。そうだ、辞めよう

あぁ、あれから3週間が経った。今日も迷惑電話が鳴り響く。信じたくない、考えたくない、報道して欲しくない。確かに言うことは分かる。自分がそうだったから。

もう、いやだ。あの悲しみが詰まった声は聞きたくない。叔父に殺されたシッターのバースデイビデオも見たくない。でも、それも俺のせいじゃない。あの憎たらしく忌々しい犯人のせいだ。でも、その真実じゃ救われない人もいる。救われない人のためにメディアはあると思っている。でも、でも、叩かれているキャスターもいる。大方政治関係に詳しい人なのだが、失言が多い。例えば、「国民は税収のためにある」。これは誰が聞いても気分を害すると思う。

知りたくない人のために、何が出来るだろう。報道しないのは良くない。それを念頭に入れると、言葉選びとかだろうか。

報道するのは、俺たちにとって仕事だからで、気分を害するためではないことを知っていて欲しい。政治家も、国民もキャスターもみんな

「明日を上を向いて大切な人と歩いていくためにあるんだ。」

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今日、暗い人生を歩んだ人も、夜は明けるから。


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