残滓。
もしも僕のところに君の残滓があるならば、それはきっとソーダの香りだ____。
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あの日君は、
「ソーダとサイダーの違いってなんだと思う?」
と言った。
柔らかくて、耳に心地よい独り言だった。
ソーダは炭酸飲料全般で、サイダーはフランス語の……
そこまで思い浮かべて、言うのをやめる。
きっと、君が欲しいのはこれじゃないだろう?
「ふふ、」
不意に眉間を指先でなぞられる。
「困ってるの、珍しーね。変な顔してる」
君の指先から伝わった熱は、まるで猛毒のように瞬く間に全身に回って、
僕の頭を支配した。
その熱に名前をつけるなら____。
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雨の日、だった。
手を伸ばせば触れられそうなほどの、気怠げな雲。
雨粒が、紅を引いた様に鮮やかに染まる。
君は眠るように、飴細工のように溶ける赤の上に横たわっていた。
いつしか強くなった雨がふんわりとした君の髪を艶やかに濡らしていく。
君が飛び立ったマンションは、陳腐なレンガもどきのデザインだった。
まつ毛の先を伝って落ちた雨粒は、さながら涙の如く。
悲しい、よりは美しい。
寂しい、よりは儚い。
あでやかに雨に結い上げられた髪で、君の死に顔が見られなかったのが、唯一心残り。
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君がいなくても世界は回る。
僕の鼓動も止まらない。
所詮僕は僕で、君は君だってことは知っていたはずなのに。
ソーダの泡がすぐに溶けてしまうのは、サイダーの甘みが消えてしまうのは
あまりに美しすぎるからかもしれない。
ソーダの泡のような
サイダーの甘さのような
一瞬にして絶世の恋。
忘れたくない。
あるいは、忘れた方が幸せかもしれない。
それでも軌跡を刻むように、サイダーを飲み干す。
最後の一滴まで、氷のかけらすら残さぬように。
喉仏がドクンと鳴った。
もし次があるならば……
今度はアイスでも乗せて、ソーダの泡を、サイダーの甘みを閉じ込めてしまおうか。
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トピ主誰だ(
この小説というかなんというか、これは3ヶ月前に封印したやつ((
いい写真見つけたから結局アップしちゃった
羽海ちゃんのと食べ物ネタで被っちゃいますね…すみません。
決してパクったわけじゃないです。本当に。
>>9
え、うそ((
私こんな純愛系書かないんだけどな……………
あ、死ネタじゃんこれ(
>>25
なんで?
もっと自信もってええと思うけどw
あーが思ってる以上にこれすごいよ?
才能の塊だしww
ということで2話…ww
>>30
あれが思った以上に長くなりそうだったからめちゃくちゃ話の流れを変えることにした((