【小説】生きたくないから死ぬって話 #1
キーンコーンカーンコーン
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放課後のチャイムが鳴った。
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今の時間帯なら生徒はとっくに下校している。俺は下校している生徒たちを上から眺めた。
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もうこいつらと二度と会うことはない。今日決めたんだ。もうすぐ、実行する。
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俺は生まれつき体が弱い。持病があるせいでクラスのほとんどの人は俺に近づかない。
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人にうつる病気とかじゃないのに避けられる。俺はちゃんと生きているんだ。
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此処にいる。生きているのに、此処にいるのに、みんなから見た俺は空気みたいな存在だ。それじゃあまるで生きていないみたいじゃないか。
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生きている心地がしない。
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俺が生きていても死んでいても何も変わらないし俺が死んでも明日は当たり前のようにやってくるんだ。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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もういい、こんなことを考えるのもやめよう。もうすぐここから飛び降りて楽になれるのだから。
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足音が近づいて来た。誰か来たんだ、先生か...?
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だとしたらまずい。屋上にいるなんてバレたらどうなることか。
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バンッ
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びっくりした。
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「ちょっと西園寺くん」
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げ、神凪琴葉。
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神凪琴葉は俺の一番嫌いな奴だ。いつも学校でギャーギャーうるさいし授業中に話しかけてくるし唯一何故かこいつだけが俺に関わってくる。
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「何か用でも?」
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俺はそっけない態度で言葉を返した。
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「机の上にカバン置きっぱなしなんだけど!あんたの下駄箱みたらまだ靴あるし学校内にいると思って探したの。しかも何で屋上の鍵開いてんのよ、先生にバレたら親に連絡されるんだからね!」
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神凪琴葉は俺のカバンを両手で抱えながらそう言った。
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「屋上の鍵は俺が勝ってに職員室から取った。たまたま先生誰もいなかったんだよね」
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神凪琴葉いちいちつっかかってくるし、鬱陶しい。大嫌い。
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「何やってんのあんた、屋上で何がしたいの」
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「俺、此処から飛び降りるんだ」
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神凪琴葉は呆然としていた。少しだけ、沈黙が続いた。
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「何馬鹿げた事言ってんの、つらいことあるかもしれないけどこれからなんだよ!人生頑張って生きようよ、まだ死んじゃダメに決まってんじゃん」
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案の定こいつに俺の気持ちなんて分かるわけがない。
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死ぬなって言うな。頑張れって言うな。生きろって言うな。神凪琴葉、死ね。
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「生きたくないから死ぬんだよ、それだけ」
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神凪琴葉は何か言いたげにしていたが俺は気にせず神凪琴葉のそばから離れた。
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そして今
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飛び降りた。
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《続く》
2話https://tohyotalk.com/question/199665
>>30
通知の反応が悪いのでこっちに返信しますね!
明日で平気ですよ!作っとくので明日来てくれると嬉しいです♪
>>34
あ、多分それ私が全ての限定公開トピを受け付けないように設定していたからだと思う!ごめん設定し直すね
持病を持っている
→頭痛が痛い
修辞技法として使ってるわけじゃなさそうだし直したほうが良いかも
すっげえあるあるの少女漫画展開の苦手なタイプだけど、これはそこまで無理じゃなかったです〜
>>47
https://d.kuku.lu/8f2c4307cだから頭痛以外にもあると思う、例えば高血圧とか糖尿病とか(