【短編小説】いじめられっ子

11 2021/06/11 16:30
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足音をなるべく立てないように

静かに、ゆっくり階段を下りる

時計を見ると、3時半を回っていた。

どうしてこんな夜中に目を覚ましたんだろう

取り敢えず、水でも飲むか。

コップに並々注がれてゆく水。

こんなに何気ない物を「美しい」と感じる程、

僕は精神的に参っていた。

理由は、学校でのいじめ。

まぁ良いことではないが、よくあることだ。

昔、いじめる側になったことがある。

その時の自分の感情を思い出す、そして

どうせ誰も助けてくれないと言う結論に辿り着く。

苦しいというか、面倒臭いというか。

人を傷付けて楽しむのは良いことなのか。

多少なら我慢する。

昔加害者側を味わったから。

ある日、明るい感じのクラスメイトが僕を見た気がした

僕は 

ありがとう、気にかけてくれてるんだね、でも良いんだよ

という意味で、その子に笑いかけた。

するとその子は少し申し訳なさそうな顔をして

いじめの主犯格と一緒に何処かへ行った。

いじめられる側も大変だが、

いじめなければいけなくなるのも大変だ。

いじめられっ子を庇えば自分がいじめられる。

いじめっ子に従わないと自分がいじめられる。

一生に両方経験できるなんて、珍しい。

辛いかと聞かれたらまぁ辛い。

だがどうせ助けは来ないのは知ってるから。

考え事をしていたらいつの間にか眠りについていた。

そして今日、状況が一変した

前に僕を見たあの子がいじめっ子を止めている

僕にはできなかった、その行動。

そして僕は救われた。

いや、救われたのか?

恩人を失ったというのに。

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