[小説]夏色 第五話「異変」
一話:https://tohyotalk.com/question/302835
二話:https://tohyotalk.com/question/303046
三話:https://tohyotalk.com/question/303202
四話:https://tohyotalk.com/question/303931
ガラッ
教室の引き戸が開いて人が入ってきた。
「初めまして皆さん。獅々田 来栖と言います」((読み:ししだ くるす
教室に入ってくるなり来栖はそう言い先生をちらりと見た。
先生もいきなり来て自己紹介をすぐ済ませた来栖に若干動揺しているようにも思えた。
先生の指示のもと、来栖は教室の隅の席になった。
茶色のくるりとしたくせっ毛の髪を持つ、少女・・・
そんな彼女はあっという間にクラスに馴染んでしまっていた。
休み時間、会って間もないクラスメイトと仲良さげにワイワイと会話し盛り上がっている。
海空はそれをただじっと眺めているだけだった
「こんにちは!あなたは?」
ぼーっとしているところを来栖に話しかけられた
突然だったので海空は驚いてあわふたしてまともに返事が出来なかった。
「へぇ海空と書いてそら、と読むんだ。へぇ~不思議ね」
来栖はそう意味深に言った。
何だったんだろう?名前の読みだけ聞いて・・・?
そう疑問を抱いていたがすぐに忘れてしまった
◆◆◆
「ただいまー」
「おかえりー海空」
どうやら凪は先に家に着いていたようだ
試しに学校はどうだったー?と訊く
んー別に何とも。あ、月原星奈て子に話しかけられた、と返ってきた
「星奈ちゃん!?あの子すごくいい子だから仲良くしたしてあげてね!!」
海空は少々食い気味にそう言って凪は若干目を見開いて驚いた仕草を見せた
「あぁ・・・うん、分かった」
翌日・・・
ガラッ
「おはようございます・・・」
教室に入り、いつものように挨拶をする。いつもなら誰かしら返事をしてくれる。
「・・・」
シーン・・・
皆が静かに押し黙ったのだ
「・・・え?」
続く