【小説】『愛してる。』

11 2022/05/12 22:47

_登場人物_

香衣(かい)

藍瑠(あいる)

霧斗(きりと)

―ゆるきゃら(?)―

瑠美(るみ)

亜紀(あき)

花梨(かりん)

紗里(さり)

_あらすじ_

私(かい)は藍瑠の事が好き。女の子が女の子の事好きなんて普通じゃない。

でも私は藍瑠が好きなんだ。

【時間がある人におすすめします,めっちゃ長いからね?笑】

__始まり始まり∼!!__

セミの鳴き声が響く暑い夏の日。

私の親友で,誕生日が同じの友達,るーちゃん(瑠美)と一緒に下校していた。

るーちゃんと帰る時は登下校通路じゃない場所を通って帰らなければいけない。

それを,友達の亜紀ちゃん,花梨ちゃんと一緒に帰っていた

私の親友で,初恋の人,藍瑠が見つけて注意してきた。

「香衣,そっちから帰っちゃだめなんじゃないの?」

わ,言われちゃった,,と思いながら少し腹が立つ。

藍瑠と一緒に帰っていた亜紀ちゃんも,

お母さんに藍瑠と一緒に帰ってはだめと言われていたはずだ。

私は,るーちゃんに「ごめんね」と言って登下校通路に戻る。

藍瑠とすれ違いざまに「どうなっても知らないから」と言われた。

頭の中で「どうして?」「私何されるの?」と考えとかないと,

藍瑠に冷たく接されて泣いてしまいそうだったからだ。

いつもはメンタルは強い方だけど,大好きな人に冷たくされとすぐに泣いてしまいそうになる。

その日は特に気にする事もなく朝を迎えた。

∼∼翌日∼∼

今日は運動会の全体練習。

少し遅れてしまったからかばんを下駄箱の横に置いて運動場へ出た。

必死で藍瑠を探すけど見当たらない。今日は休みなのだろか。

朝学校に来るときも藍瑠と話したくてたまらなかった。

遅刻かもしれないが朝は話せない事に悲しくなる。

          ――――――――

全体練習,1時間目,2時間目と終わり業間休み。

特にする事もないので絵を描いていると藍瑠が来た。

「あ,藍瑠!おはよう!」

私なりに元気で挨拶できた。笑顔を返してくれる。‟そう思っていた”

藍瑠は私の方を見るなり少し睨んで自分の机へ歩いて行った。

え,,,,????な,,んで,,

言葉にできない動揺が隠せない。なんで?私何したの?本当に訳が分からない。

理由を聞きたくても人見知りが激しい私はどれだけ仲が良くても話しかけるのに戸惑う。

しかもあんな態度じゃ私には無理だ。悲しい。藍瑠があんなに私に怒っている理由が分からない。

自覚がない自分に腹が立つ。

全く話す事がないまま給食の時間になった。藍瑠は隣のクラスの友達と話している。

すべてに腹が立つ。藍瑠が隣のクラスの子と話しているのも。

給食当番を待っているときは歩かずに自分の席で座って待って行かなきゃならない。

歩いている人は給食当番に行って話していた理由を言うまで給食が配られない。

何度も注意しているのにやめない藍瑠にも腹が立つ。

それを見て藍瑠を庇うあの子にも腹が立つ。

昼休み。雨だから教室で過ごす。隣のクラスの子と藍瑠が話している。

昨日の私の事を藍瑠は皆に話している。

その後私が手を洗いに行くとさっき藍瑠と話していたさーちゃん(紗里)が

「やっほー,香衣,足,治ったんだ」

私はつい最近まで足を怪我していた。

「あぁ,治っt「へー,そーなんだ,ばいばい」

「あ,うん,,」

後ろで他の子の笑い声が聞こえる。正直言って,辛かった。

泣きたくなった。その瞬間察した。私,いじめられるんだ,今まで仲良かった子に。

ちょっと寄り道しただけじゃん。それなのに,,,

確かに寄り道はいけない。ちゃんと通学路を通って登下校しなきゃいけない。

でも,なんで私だけ?亜紀ちゃんだって立派な寄り道。なのに一緒に注意してきて,笑って,

ありえない。意味が分からない。

腹が立つ腹が立つ腹が立つ腹が立つ,,,

∼∼翌日∼∼

「おっはよー香衣」

「あ,さーちゃん,,」

さーちゃんが朝から話しかけてきた。

「なに,その服,香衣にしてはめずらしいね」

服,か,今日は最近買って貰ってお気に入りの,ト〇とジ〇リーのちょっとだぼっとしている半そでを着てきていた。

「え,そう?」

なんと答えればいいか分からないのでとりあえずそう返す。

「うん,もっと貧乏くさいの着てくるのかと思ったwあ,間違えた,可愛いねww」

「,,,」「ごめんって,香衣www」

めっちゃ笑ってる,,,謝る気無いでしょ,絶対。

「紗里言い過ぎーww」

一緒にいる子も笑っている。

はぁ,今日からずっとこんな日が続くのか,,笑

苦笑いをしてから足を速めて教室へ向かう。

「香衣おはよー!!」

同じクラスで親友の,るーちゃんが抱き着いてきた。

「おはよう,るーちゃん」

私的には精一杯の笑顔で明るく接したはずだった。

「え,どうしたの?香衣,元気ないじゃん」

ばれたの,,??いや,元気ないなんて事はない。

「大丈夫だよ」

心配してくれるるーちゃんを安心させるためにそう答える。

「そっか,,」

宿題を提出してからるーちゃんと雑談。

それが,今の私には一番の幸せな時間だった。本気で笑える時間だった。

そんな日々が続いて3ヶ月,,,,もうさすがに辛いな笑

藍瑠もずっと塩対応,,,もう消えてもいいかな?笑私はいらないって事だよね

そんな事を考えながら絵を描いていると,,

「何その絵」

誰かが話しかけてきた。

「え?なんだろ,何描いてたんだったっけわた,,,え,,?」

藍瑠だった。ちょうど3ヶ月ぶりだ,話すのは。目があったのも3ヶ月ぶり。泣きそうだった。

また何か言われるのかな,という恐怖とやっと話せた,という喜び。

2つの気持ちが交わり合って,ついに涙があふれた。

「えっ,ちょっ」

動揺している藍瑠も愛しかった。

なにより,自分に向けて言葉を発してくれているのが嬉しかった。

「泣かないでよ,,今までごめん,ほんとにごめん,謝りたかった。許してって言わない」

藍瑠が私にしている事に罪悪感を抱いて謝ってくれたのが嬉しくて涙が止まらない。

気付いた時には,無意識に藍瑠に抱き着いていた。

藍瑠は優しく頭をなでてくれた。抱きしめてくれた。

好き。

「え,,,??」

あ,,,思わず口に出てしまった。思いが溢れて。我慢できなくて。

もう良い。好き。藍瑠が好きだから。今だけなんだ,こんな事が言えるのは。

「藍瑠」「なに?」

「好き」

藍瑠の私を抱きしめる力が強くなった。

「香衣,,,俺も大好き,,,ほんとにごめん,,」

その時に藍瑠の一人称が俺な事に気付いた。

数ヶ月も話していないから全く知らなかった。

そんな事よりも藍瑠に大好きといって貰えたことが

何より嬉しくて私も藍瑠を抱きしめる力が強くなった。

散々泣いて,次の日。もうメンタル復活してるんるんで学校に行った。

「かーいっ」

この声は,,,さーちゃんだ。ていうか,まだこの呼び方で読んでいるのも自分でも謎だ。

無視して教室へ向かう。

「は?せっかく話しかけてあげてんのに無視すんの?感じ悪w」

教室に入ったらるーちゃんが,,,あれ,今日は霧斗が来た。

「ねぇ,香衣」「なに?」

とりあえず返事をする。

「最近大丈夫?なんで皆が紗里達の事先生に言わないのか不思議だわ,,」

心配そうに話してくる。そんな霧斗に

「そーいう霧斗も私の事助けてくれないけど」

と返す。

準備を終えて絵を描く。いつもの事。るーちゃんは今日は少し遅れているみたいだ。

また霧斗が来た。

「ねぇねぇ香衣?」

絵を描くのを邪魔されたくない。少しキレ気味に「なに?」と答える。

「もし俺が香衣に付き合ってって言ったらどうする?」

予想外の質問に少し固まる。のも一瞬でまた手を動かす。

「ねぇ答えてよぉ」

しつこいなぁ,,と思い,「無理」と答えると「知ってる」と声が聞こえた。絵に集中する。

べしっ

誰かに叩かれた,,??またさーちゃん達かな,,??いや,クラスが違うはず,,そんな事を考えながら顔を上げると,,

「藍瑠!おはよう!」

自然と顔が緩くなる。どうしても笑顔になってしまう。良い事なんだけどね笑

「おはよう,香衣。また紗里達に何か言われた,,??」

「ううん,大丈夫」

「そっか,ごめんね,俺のせいで,,」

「藍瑠のせいじゃないよ」

絵を描くよりは藍瑠と話す方が好きだ。するとまた霧斗がきた。

「香衣ちょっと来て」「え,,,」

私なんかしたかな?といろいろ考えていると学年教室についた。

「香衣さ,誰だったら付き合うの?」

「え,まだ言ってんの?w」

何回聞いても霧斗の話にはあきれる。

「答えて。」

さっきはネタだと思うけど今回のは結構本気な雰囲気だ。

教室の前でいろんな人の話し声が聞こえる。

「藍瑠,,,」

と小さい声でつぶやいた。

「え?」

霧斗には聞こえなかったようだ。

「私,,,藍瑠が好きなの」

「え,,,??女子,,だよな?」

「好きなの。だから,推しと,藍瑠とだったら付き合う。じゃぁね」

勇気を振り絞ってそれだけ答えて教室へ戻ろうとドアを開けた。ら,,

「あい,,,る,,??」

「あ,,,」

そこには顔を真っ赤にした藍瑠が立っていた。

「ちょ,こっち来て,,//」

言われるがまま付いて行くと,そこは誰も来ないような真っ暗な廊下だった。

「お願いがあるんだけどさ,良い?」

藍瑠のお願いならなんでも聞きたい。そう思い「うん」と答えた。

「お,れと,,付き合ってほしい,,//」

――――――息が止まった。まさか,こんな日が来るなんて。夢にも思わなかった。

恋が成功する事って,こんなに嬉しいんだ。

私,今まで藍瑠に好きになってもらえるわけが無いって思いこんでた。

そんな事ないんだ,,,嬉しい。

「返事は,,??」

上目遣いで返事を求める藍瑠はすごく可愛かった。

「お願いします,,,」

「ほんとに俺の事好き?」

「ずっと大好きだった。もちろん,今も」

「良かった,,」

にっこり微笑む藍瑠はまさに天使だった。

「藍瑠は?私の事好き?」

そう聞くと,一瞬きょとんとして私の事を抱きしめた。

「好きだよ,大好き。愛してる。」

ずるい,,,藍瑠はいつもずるい。でも,そんなところも,大好きだ。

「私も,愛してる」

私は,人生で一番最初に『愛してる』の言葉を口にした。

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その他2022/05/12 22:47:45 [通報] [非表示] フォローする
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え,はーと押してくれた人最後まで読んでくれたって事でおけ?(


めちゃめちゃ良いじゃん!まさかの霧斗くん……


>>2
ありがとうございます笑

え,霧斗くんに恨みある方?()


>>3
いやいやないよ!

ただそこ三角関係になるんだ❗って書こうとしたけどこれからの人のネタバレになるかなって思って、


>>4
実は僕飽き性で連載(?)とか飽きちゃうから読み切りで終わろうと

思ってたんだけど,,,笑


>>5
後から読む人がコメ欄見て、「あーー」ってなったら嫌だったから、大事な部分だけ黙っておいたの!


>>6
あ,そゆことか,お気遣いなく(は


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