【小説】春と孤独を救う招き猫～エピソード７～

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「あのさ、お母さん。俺サッカーチームやめる。」

「えっ、どうして？」

「あんなに頑張ってたのに。」

「いいんだ。中学に入ったらサッカー部に入るから。」

「そう。分かった。」

お母さんは深く質問してこなかった。

これでいい。自分でけじめをつけないと。

また新しい環境でやり直せばいい。

そう思うと少し楽な気持ちになった。

ー翌日ー

「俺、明後日の試合でこのチームから出る。」

「何でだよ。泰がいないと無理だよこのチームは。」

「勝ちたいって思うなら少しは練習頑張ろうよ。」

そうか。みんなにも勝ちたいという気持ちはあったんだな。

俺だけじゃなかった。

さあ頑張ろう、最後の試合を。そして楽しもう。

「泰、パス！」

「いけっ、ゴール！」

「パス、パス！」

笛がなった。試合が終わった。

「ありがとう。勝てなかったけど楽しかった。」

「じゃあな。また。」

「泰、今まで練習サボってばっかでごめん。」

「じゃあな。」

俺は勢いよく手を振って自転車に乗り、グラウンドから出た。

涼しく気持ち良い風を浴びて、家に帰った。

高麗 泰 編　[完]　　　　　　　　

最後までお読みいただきありがとうございました！

次回から新編がスタートします！

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