【小説】明日の空は

4 2023/03/28 14:42

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みなさんもどうぞ~。➜https://tohyotalk.com/question/486331

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痛い、死にたい。そんなことばかり考えている。

考えていたって何も変わらないのは分かってる。

でもやっぱり死んでしまった方が楽だと思ってしまう。

ベランダに出る。空は曇っていて暗かった。

手すりから身を乗り出す。目を閉じた。

しばらくして目を開くと美しい少女がいた。

天使だろうか。ああ、そうか。死んだんだ。

「大丈夫ですか」

「あなたは天使?」

「ええ、そうです」

「このまま天国に行きたいですか?」

「うん」

「それとも生まれ変わってまた生きたいですか」

えっ、いやいやいや。何のために死んだと思ってるんだよ。

「あっ安心してください、貴方の今までの記憶は

 きれいさっぱりないですからね」

無駄にテンション高いのがムカつく。

「嫌だよ、生きたくない」

「えーほんとに?」

「うん」

「困りますねそれは」

「何で・・・」

「私には役目があるので」

役目?

「役目がどうだの知らないけど嫌だよ」

「嘘だー、貴方後悔があるでしょう?」

「ないよ」

「何が辛かったのか教えてくれませんか」

「はあ・・」

説明しないと終わらせてくれなさそうだから説明した。

母からの虐待に苦しんでいたこと、父は私のことをちっとも

心配してくれなかったこと、これは虐待なのか自信がなくて

誰にも言えなかったことを。

「そう、辛かったね」

「でも貴方、夢があったんじゃないですか?」

え・・・・・・

「絵を書くの好きだったんでしょう」

そうだ、2年前くらいまでは将来はイラストレーターに

なるんだなんて言ってたな。短くて使いにくいぼろぼろの

色鉛筆で毎日のように描いていた。

「怖い、また同じことを繰り返すのが」

「そうだよね、分かります」

「私もね、そうだったから・・・」

その天使はぼそっと呟いた。

私もそうだった、もしかしてこの天使はもともと

私と同じことで苦しんでいた人間だったのではないか。

この優しく、どこか寂しそうな眼差しからそう思ってしまった。

「悔やんでからでは遅い、私みたいになってしまいます」

「やっぱりあなた、生まれ変わるのをやめた人間なのね」

「そうですよ、よく分かりましたね」

「だから今はこうやって後悔を残して死んだ者を救う、天使を

 しています」

後悔してからでは遅い、か。もうすでに自殺した時点で後悔

してるけど、またやり直せるなら。

「生きたい、私やっぱり生きたい」

「良かった」

「虐待されて自殺なんてもったいない」

「あなた全部知ってたんでしょ、私のこと」

「さあ、どうでしょうね」

天使はほほえんで消えていった。

目の前は光輝いて、私は目を閉じた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「礼、早く勉強しなさい」

「はーい、今やるから待ってー」

「もう、仕方がない子ね」

自分の部屋の机に向かう。窓を開けた。

「今日の空、青くてきれい。」

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その他2023/03/28 14:42:25 [通報] [非表示] フォローする
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すげー面白かったです!


>>2
ネタ提供あざした!


とてもいいですね!

天使推しです((((


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