[小説]東方 永遠の月下 #01
永遠(とわ、えいえん)とは、物事の変化を認識するための概念である時間に対し、変化しないものの概念であり、常に移ろい過ぎ去っていく時間に対し、不変のものを言う。また、時間が有限であるのに対し、永遠であるということは無限、無期限であるということでもある。
「申し訳ございませんでした。」
◎◎の目下には、土下座をして詫びる友人の姿があった。
何があったか思い返す。一瞬にして理解した。
口を開くと、
「...いいのよ。気にしないで。私自身も、“地上”に興味があったもの。」
自然と言葉が出てきた。
友人は驚愕した様子で私を見つめる。
そのまま口を開く。
「“月”の生活にも飽き飽きしてきたし、一緒に“地上”で暮しましょ?○○。」
「...っあ、お許し、ありがとう、ございます...」
「その代わり、」
◎◎は○○を指差す。
「一緒に地上へ降りなさい、○○。」
「......。」
目を開けると、いつもの天井。
横を向くと、誰もいない布団。綺麗に整えられている。
布団を被り直し、夢での出来事を思い出す。
月にいた頃に、まだあの頃の名前の時に、あの年に...
襖が静かに開く。
「姫様、そろそろ起床なさってください。」
聞き慣れた永琳の声。
布団を下げ、顔を出す。
「は〜い...」
渋々布団から起きる輝夜。
すると、服には赤いものが付着している事に気づいた。
「...って、また服血だらけにして...布団にも付いてますよ。」
永琳が顔を顰める。
「殺し合って頭跳ねかけたんだった...首折れかけたわぁ〜」
輝夜は首を左右に動かす。
ゴキ、という音と共に、ゆっくり動く。
「...姫様も、程々になさってくださいね。」
そう言い残し、永琳は部屋から出て行った。
再び、夢での出来事を思い出す。
だが、思い出せなかった。
廊下を歩いていると、突如、玄関の扉が開く。
「おい、不細工!!!!!」
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