【小説】社長の娘 第1話

4 2023/07/11 12:23

なんとなく関わって、なんとなく仲良くする。

お父さんが大手会社の社長だというのに、私はこんなんなんだ。

学校では、咲姫のおかげである程度は目立つ方だけど。

咲姫の仲良しグループに入ってる私は、めちゃくちゃ浮いてると思うけど。

仲良しグループのメンバーは咲姫、私、舞のたった3人だけど。

私たち3人はまるで性格がマ反対。

咲姫は、クラスの中心人物で、おしゃれ好きだけど、私は咲姫と舞がいなきゃ行動できない陰キャで、おしゃれに興味もない。

ちなみに舞は、そんな目立つ方じゃないけど超ポジティブ人間。

だいたい、私なんかが2人と仲良くしていいことなんかないと思うけど。

「あーんなっ!」

「ふぁっ!?」

後ろから飛びついてきたのは・・流星くん。

さっきも言ったように、私は社長の娘だから、家はマンションほどのでかさの一軒家。

私とお父さんとお母さんじゃあ使いきれないから、親戚と同居生活をしてるの。

で、その「親戚」っていうのが、楓家の3兄弟。

一番上が楓紗夜くん。完全なツンデレ男子。

真ん中が楓凪くん。優しくて頼りになるおっとりタイプ男子。

末っ子の楓流星くんがよく私に飛びついてくる甘えん坊。

楓家の両親もわりと大手なほうだからお金持ち。(だと思う。)

ちなみに流星くんと私が中1っていう同い年だけど、同居してるのは学校には内緒。

バレたら絶対やばい。

なぜかというと、うん。楓3兄弟はうちの赤椿学園の1番モテる奴らだから。

ヘンな誤解されたくないよね!?

「なに、流星くん。」

「紗夜兄が呼んでたよー!」

紗夜くんは高1だから、南校舎に行かなきゃか。

「ありがとう。行ってくる。」

「紗夜くん・・!」

「おう。」

「用ってなに?」

その瞬間、紗夜くんはカバンからある本を出した。

「これ。」

『理科 ~植物と生物~』

え・・?これを渡すだけのために南校舎に呼んだの?

「え・・?」

「おまえ、最近テストの点数ヤバいだろ。伊藤から聞いたぞ。」

伊藤って・・ああ。咲姫か。

咲姫、よくも言ってくれたなっ!

「ってことで、明後日までにp.15まで完璧に覚えとけ。」

「無理無理そんなの。」って言いたいところだけど。

紗夜くんは楓家と私の誰よりも頭いいから、逆らえないんだよね。

「は、はい・・」

ピーンポーンパーンポーン

昼休みが終わって、授業が始まる。

私は自分の席に座って生物の本を机に出した。

「なにそれーっ!」

舞が私の席に来た。後ろに咲姫もいる。

「生物の宿題。紗夜くんからの。」

「あ、うちが紗夜先輩に頼んどいたやつ?」

「え、紗夜センパイッ!?」

2人でさえ、秘密の同居生活のことを知らないから・・

「よかったねぇ杏菜ちゃん。紗夜センパイからなんてねぇ」

みたいなことを舞が言ってくる。

「よかったでしょー?紗夜先輩で。うちが教えるより、好きな人に教えてもらった方が気合入るでしょ。」

な、なんか変な誤解されてる。

別に同居してる親戚同士なだけで、好きとかじゃないし・・

「アンは、結局誰推しー?」

私の返事を待たずに咲姫が続けた。

「やっぱ紗夜先輩?」

「あ、あ、流星クンだったり?!」

舞もつなげる。

「凪さんもいいよねー」

二人でどんどん進んでいく会話に私はついていけない。

聞いてたら頭がごちゃごちゃになって、思わずいけないことを言ってしまった。

「ちがうっ、全部違うから!流星くんたちはただの友達っ!」

私は普段おとなしいほうだから、こんな大きな声が出たことに2人は呆然している。

おまけに視界には、傷ついた顔の流星くんがいた。

彼はしばらく立ち止まり、席に着いた。

(最悪だ・・。)

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テクノロジー2023/07/11 12:23:18 [通報] [非表示] フォローする
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コメントよろすすおねがいしゃす


神作あざます。

とーとってこういう作品あんまないから助かる(?)


>>2
え、まじ?w

神作ではないけどあざす


イケメン男子と暮らすって現実的に・・w


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