【小説】強く生きる。(※仮タイトル)第1話「突然の出来事」
「んん…ん…?」
目を覚ますとそこには知らない誰かが複数人いる密室だった。
『意識が戻ったようです!』『もう一人の方はどうだ?』『まだみたいだな…早く戻るといいんだが…』
そんな会話が聞こえた。
どうやらここは救急車の中らしい。そして姉もいるようだ。
救急隊員であろう男性が近寄って来た。
『痛い所や怪我はないかい?』
「えっあ、はい…!大丈夫だと思います」
『そうか、それはよかった。』
なんだか優しそうな人だな…
『早速の質問で申し訳ないんだけど、今目が覚める前に何が起こったのかわかるかい?』
えっと…何かあったんだっけ…状況がよくわからない。
「えっと…わからないです…。」
『そうなんだね、答えのわからない質問をしてしまってすまないね。』
「いえ!大丈夫です!」
『事件の可能性が高いみたいでね…。君も被害者ということみたいなんだ。』
事件…か。救急車の世話になる程の事件に巻き込まれるとは…
『あぁ、そうそう、衝撃的な写真になっちゃうけど、この子(現場での写真を見せる)は君の家族かい?』
「!?!?……はい、そう、です…。私の姉です」
『そうなんだね…。君のお姉さんも乗っているんだけど重症みたいでね…。もうすぐ着くから待っててね。』
「…はい。わかりました…。」
どうして…どうしてこうなっちゃったんだろう…。この赤いの…全部血…なんだよね…?心が痛い…。
『そういえば名乗っていなかったね、僕は救急隊員の狭山というよ。君と君のお姉さんの名前も教えてくれるかな』
「そうですね!私は雪原琴葉(ユキハラ コトハ)といいます!姉は雪原楪奈(ユキハラ ユズナ)です!」
『ありがとうね。改めて、これからしばらくよろしくね、琴葉さん。』
「はい!」
しばらく経った。
『病院に着いたみたいだよ。動けるかい?』
「はい!心配ありがとうございます。」
病室に着いた。私は軽症で身体はほぼ大丈夫だが、念の為検査するため1週間程この病院にいることになった。
狭山さんが病院の方に2人は姉妹だと伝えてくれたのか、姉と隣同士の部屋にしてくれた。
もう夜だ。ド深夜になる前に寝よう。
ベッドの中で本当に気を失う前に何があったのか、改めて考えた。
しかし、全く思い出せない。
「何があったのかわからないと本当にモヤモヤする…」
「…もしかして、だけど…
いや、私の他に誰かいる時に言おう。それが本当かもわからないし、目撃者が近くにいるかもしれないし。」
とにかくもう寝よ。