空想小説「青鬼」 第9話 能力開花

1 2023/11/30 01:12

ドアの先は、体育館程の空間が広がっていた。1m先の地面には青い線が引かれており、その空間には、青色の光が舞っていた。

氷河「この青い光は…」

氷河はこの青い光を眺めていた。卓郎は周りを見渡し、後ろを向いた。

卓郎「見た感じ、ここから先は何もなさそうだな。別ルートがないか戻ろうぜ。」

美香「分かったわ!」

そう言い、美香はドアに手を伸ばし、開けようとした。が、その時、美香は違和感を覚えた。

美香「あ、あれ…?」

美香は何度もドアをガチャガチャするが、開く気配が全く無い。

美香「扉、開かないんだけど…」

氷河「その持ち前のパワーで何とか出来ないんですか?」

と氷河が言うと、美香は思いっきりドアに蹴りを入れた。

美香「いったあぁぁぁぁぁいっ!!!」

美香は足を押さえ、と絶叫しながら飛び跳ねた。

たけし「美香でも壊せないってこれ終わったくね…?」

美香「わぁぁぁぁぁん!!!」

美香は痛さで半泣きしながら地面に手をを思いっきり叩きつけた。その瞬間、突然波動のようなものが広がり、4人は吹き飛ばされてしまった。

美香「…へ?何、これっ…?って皆!大丈夫っ!?」

卓郎「あ、あぁ…それより美香、さっきのは一体何なんだよ…?」

卓郎は背中を押さえながら言った。

美香「わ、私にも分からないわ…」

そう言うと、氷河は背中の痛みで顔をしかめながら口を開いた。

氷河「もしかしたら…この青い光は何か…能力のような何かが使えるのでは…?」

氷河が言うと、ひろしは呆れ半分で言った。

ひろし「そんな非科学的な事、起こりうるはずが…」

卓郎「ファイアアアアアァァァァァァ!!!!!」

言い終わる前に、卓郎が指パッチンをして炎を出していた。

卓郎「すげぇ!!炎が打てるぜ!!」

美香「…それっ!」

美香はたけしに向かって人差し指を上に向けると、たけしが空中に浮いた。

たけし「うわわわわわわっ!?ううう浮いてるっ!!?」

たけしは手足をジタバタさせながら言った。

美香「あら、私は念力みたいね!」

卓郎「後は元からある格闘な。で、二人はどうなんだ?」

ひろし 氷河「………………」

卓郎がひろしと氷河の方を向くと、2人は固まって思考停止していた。

卓郎「お、おい、ひろし、氷?」

卓郎が声をかけると、2人は卓郎の方に向いた。

氷河「あ、ご、ごめん、フリーズしてた…」

ひろし「すみません、私も思考停止してました…」

卓郎「氷もそうだが、ひろしが思考停止するなんて相当だぞ?」

卓郎が苦笑しながら言った。

たけし「そ、そりゃ、目の前で非科学的な事が起こったらポカーンってなるよ…」

たけしは美香に浮かされた状態のまま言った。

氷河「今それがたけしさんに起きているわけですが…それどうなってるんですか…?」

氷河が質問をすると、美香が挙手した。

美香「あ、これ私が浮かしてるの!」

美香がノリノリで答えた。

氷河「エスパーと格闘ってもう最強じゃんか…」

氷河は呆れながら言った。

たけし「ちょ、1回おろしてくれ、美香。俺も属性の確認したいから…」

美香「ん、わかったわ。」

美香は地上にたけしをおろした。

たけし「え、えーと…とりあえず適当に…」

そう言い、皆のいない方向に指を指すと、雷が落ちた。その大きな音に全員音の方向を向いた。

氷河「ふぁっ!!?え、雷落ちた!?」

ひろし「ら、落雷…!?」

たけし「あ、あ、俺は電気属性みたいだな…ガタガタガタガタ」

たけしはさっき自分が放った雷に啞然としながら言った。

美香「わぁ、なかなか強いじゃないの!」

卓郎「じゃー、ひろしと氷の属性も見ておくか。」

氷河「あ、はい。…と言っても、どうします?指パッチンすれば何とかなりますかね?」

ひろし「やってみたらどうですか?」

氷河「あ、ひろしさんから先にお願いします。」

ひろし「わ、分かりました。」

そう言うと、ひろしは目を瞑り、前に手を伸ばした。すると、野球ボール程の氷塊ができた。そして、目を開くとその氷塊は前方へまっすぐ飛んでいった。

美香「ひろしは氷結属性みたいね。」

卓郎「じゃ、次は氷の番だな!」

氷河「わ、分かりました!では、行きます…!」

氷河は目つきを鋭くし、奥の壁に腕を伸ばして指を鳴らした。その瞬間、奥の壁の3分の1が氷漬けになった。その光景に全員呆気にとられた。

氷河「・・・ふぁっ?」

氷河も自分でやったとはいえ、呆気にとられた。

ひろし「見た感じ、私と同じ氷結属性でしょうか…?」

たけし「火力…違い過ぎないか…?」

ひろしとたけしは啞然とする中、美香は氷河の事を称賛していた。

美香「氷ちゃんすごいじゃない!その火力出せたら最強じゃないの!」

氷河「あ、あはは…自分は格闘とエスパー複合持ちの美香さんの方が強いと思いますけどね…」

卓郎「氷に氷結属性は似合ってるな!名前も雪原氷河、だしな!」

氷河「あ、あぁ…まぁ、ありがとうございます…」

たけし「こ、これで全員属性がわかったな…」

ひろし「私と氷河が氷結属性ですね。」

たけし「で、俺が電気属性で…」

美香「私が格闘兼エスパーね!」

卓郎「それで、俺が炎ってとこだな!」

氷河「でも、知った所で何になるんですかね?多分これこの青い光がなかったら使えませんよね?だから、知った所で特段意味はないんじゃ…」

美香「…いや、そうって事もなさそうよ?」

美香がやる気に満ち溢れた顔で奥を見つめて言った。振り返って見ると、そこには青鬼がいた。

ひろし「あの鬼、水属性を持っていますね。どうしますか?」

ひろしが言った。見ると、ひろしの手元に電子パネルのような物が浮いていた。

美香「あらひろし、分析能力があるのね。」

美香は感心して言った。

卓郎「水なら電気だ!たけし、行って来い!」

たけし「うぇええええええぇぇぇぇぇ!!?」

唐突に指名されて思いきりたけしは驚いた。

ひろし「水には電気…なのでしょうか…?」

美香「てなわけで、行ってらっしゃい!」

たけし「えぇ…あぁもう分かったよ、やってやるよぉっ!!」

美香「あ、スイッチ入った!」

氷河『いや、これ自棄だと思うんだが…』

たけしが青い線を跨ぐと、瞬時に結界が張られた。

ひろし「結界…!?」

氷河「あぁこれ、途中交代、参戦不可の1on1バトルか。」

氷河はなんとなくそうだと思った。

卓郎「おーい、たけしー!聞こえるかー?」

卓郎は突然たけしに声を掛けた。

たけし「き、聞こえるぜー…!でも、いきなりどうしたんだ、卓郎…?」

たけしは振り返って言った。

卓郎「あぁいや、この結界声は通すのかって思っただけだ!通してそうだから大丈夫だぜ!こっからアドバイス出してくから、頑張れよー!」

と、卓郎は手を振って言った。

たけし「おっしゃあぁぁぁ!こぉぉい!!!」

たけしが声を上げると、鬼はこちらに殴りかかってきた。

たけし「うえええぇぇぇ!?」

たけしは持ち前の足の速さで即座に逃げた。

ひろし「物理…拳に属性を付けていますね。つまり、奴は近距離系の相手ですね。」

ひろしは分析能力で青鬼の能力を見抜いた。

美香「それなら!たけしー!そいつ、近距離系らしいから、遠距離からバシバシ攻めていきなさーい!」

美香はたけしに聞こえるように大きな声で言った。

たけし「え、遠距離の技…?って、これ色々と即興で技作んなきゃいけねぇじゃねぇか…!!えええええっと、と、トロンー!!」

半ばパニックで技を考えたたけしは手を前に伸ばした。すると、電撃が直線上に放たれた。そのレーザーのような電撃は青鬼にヒットした。

ひろし「当たった!」

卓郎「おお!電気のレーザーか!」

卓郎は目を見開き、興奮した様子で声を上げた。すると、青鬼は腕を伸ばし、掌(てのひら)を上に向けた。すると、黒雲が上に立ち込め、大雨が降り出した。

氷河「あ、雨…!?」

その雨は見る間に足元まで溜まった。

ひろし「これでは、まともに電気技を撃てば感電してしまいますね…」

たけし「す、水圧が重い…」

途轍もない大雨に、たけしは苦痛の声を上げていた。それを聞いた氷河は表情を歪めて考え込んでいた。

氷河『や、やばい…!考えろ考えろ考えろ…!この危機を脱する方法…!』

   「…たけし!電磁浮遊とか出来ねぇか!!?」

氷河は半ば自棄でたけしに言った。

美香「ひ、氷ちゃん、口調が…」

美香は氷河の突然の男子口調に少し驚いた。

ひろし「ですが、仮に浮けたとしても雨の水圧は…」

ひろしは氷河の方を見て言うと、両腕を振り上げる。

氷河「んなの、根性論でなんとかするに決まってんだろうが!!」

と、勢いに任せて早口に言った。

ひろし「無茶苦茶ですね…」

たけし「や、やってみるぜ…!」

話を聞いたたけしは、足元に力をためて、水圧に負けじと、高く飛んだ。すると、たけしは空中で浮いたまま留まった。

たけし「う、うおぉっ…!う、浮けた…っ!」

卓郎「っしゃあ!たけし、かませ!」

卓郎は腕を突き上げて言った。

たけし「お、おうっ…!え、えぇと…!レクスボルトォォォ!!!」

両手をを青鬼に向けると、掌から青鬼目掛けて電撃が走った。水も相まって一層ダメージが入っていった。そして青鬼は黒焦げになり、崩れていった。

たけし「え゙、崩れたんだけど…これって…」

たけしは地上に降りながら言った。すると、さっき張られていた結界が消えた。

氷河「これ、結界が無くなったって事は多分勝ったんじゃないですか?」

たけしが戻って来ると、美香と卓郎が称賛した。

卓郎「流石だぜたけし!」

美香「すごかったわよ〜!」

たけし「え、えへへ…」

たけしは照れくさそうに頭を掻いた。

ひろし「ですが、まだ終わりではないようですよ。」

見ると、奥にまた別個体の青鬼がいた。それもかなりの筋肉質な奴がいた。

氷河「あれ、絶対脳筋系な奴じゃないですか…」

氷河はそうぼやくと、ひろしが口を開いた。

ひろし「あの鬼は属性を持っていませんね。代わりに純粋な力が途轍もないですが…」

そう言うと、美香が声を上げた。

美香「私が行くわ!」

卓郎「お、今度は美香が行くのか。」

たけし「あの鬼終わったな…」

たけしは苦笑しながら言った。

氷河「気をつけて下さいね、美香さん。」

美香「私が負けるとでも?」

氷河が言うと、美香は氷河の方を向き、笑顔で言った。

氷河「あぁ…」

氷河は何かを察した。

美香が線の内側に入っていった。そして、結界が張られた。

美香「さぁ、来なさい!」

美香が青鬼に向かって手招きをしてみせた。すると、青鬼はこれを挑発だと思ったのか、声を上げて殴りかかってきた。

美香「動きが遅いわよ!」

美香が軽く避けると、腹に右ストレートを決めた。そこから更にパンチを入れていく。

たけし「うわぁ…やってるなぁ…」

たけしは苦笑いしながら言った。青鬼も負けじと、美香を掴んで壁に向かって投げつけた。壁にヒビが走り、土煙が舞った。

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ひろし 氷河「…どうしてこうなった…」


3: UFO-X @tukuru2023/11/30 15:43:59 通報 非表示

>>1
海樹「普通の人間が能力を...これは興味深い。」

ビーム「今度ご飯に誘おー。」

ドクター「何のんきなこと考えてるの。」

ハンマー「まだ様子見だな」

ソード「ねぇねぇ、ここに青鬼来てない?」

ドクター「なら迅速無音丁寧に倒すぞ。」

〜青鬼撃退〜(大体30秒)


>>3
霞「あー、いたいた。いつの間に青雅洞窟に行ってたのか…って何か増えてない!?いつの間にカービィちゃん達連れてきたの!?」


5: UFO-X @tukuru2023/11/30 15:51:08 通報 非表示

>>4
ソード「僕はソード!」

ハンマー「俺はハンマー!」

ドクター「僕はドクターです。」

ビーム「僕はビームだよ〜」

ソード「4人揃って!」

「「「「スーパーカービィハンターズ!」」」」

海樹「決まったねぇ。」


>>5
霞「カービィハンターズか〜カッコいいねぇ♪ギャラクt…淵源を巡る英雄とも戦ってたりするのかな?」


7: UFO-X @tukuru2023/11/30 15:55:54 通報 非表示

>>6
ドクター「ああ、ギャラクティックナイトさん?」

ソード「ギャラナイトは港町にいるよ。」

海樹は帰った

ハンマー「いやぁ、それにしてもギャラさんは強かった。」

ビーム「だねぇ」


>>7
霞「え、ギャラクティックさん今港にいるの?戦い起きないのか?」


9: UFO-X @tukuru2023/11/30 16:16:30 通報 非表示

>>8
ハンマー「起きないぜ。和解したからな」


>>9
霞「なるほど。平和な世界でいいねぇ♪」


11: UFO-X @tukuru2023/11/30 16:30:34 通報 非表示

>>10
世界線はだいたい5年後だね。とりまこれに集中しよう

https://tohyotalk.com/hideaway/1smwhuQxL95D


>>11
霞「了解!」


2: 神ゲー @kamige2023/11/30 03:58:05 通報 非表示

痛すぎるwww


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