空想小説「青鬼」 第43話 隠目
闇氷「姉さんは大丈夫そうだったぞ。」
宿に戻った闇氷はひろし達にそう言った。
美香「本当よね?嘘じゃないわよね!?」
闇氷「そんな質悪ぃ嘘なんざつかねぇよ。大丈夫だから黙ってくれ、お前の声は耳に来んだよ。」
美香「そこまで言わなくたっていいじゃない!」
闇氷「事実だから言ってんだ、分かったら黙れとは言わねぇから声のトーンを下げてくれ。」
美香「…まぁそのくらいなら…」
闇氷「出来るなら最初からやってくれ…ってかこれやっぱ蒸れるな…」
闇氷は眼帯を外し、扇風機みたいにぶん回しながら言った。
たけし「やっぱり眼帯は暑いもんなのか…?」
闇氷「そりゃそうさ。一応通気性いい奴使ってるとしても限度はある。だからと言って外して戦うわけにもいかねぇしな。」
ひろし「何故外して戦うのは駄目なのですか?」
闇氷「相手に舐められないためだ。裸眼でずっと片目を瞑っていたらこいつは片目しかみえないんだなって思われて舐められるかもだろ?でも眼帯をつけりゃ本当に見えてるのか見えてないのかが透視でもねぇ限り予測出来ねぇ。だから付けてんだよ。まぁ私は片目で慣れてるから仮に見えない左側から攻撃が来ても対処出来るがな。」
ひろし「…本当は見えているのではないですか?」
闇氷「…は?どういう意味だよ?」
闇氷は普段敵に見せるような睨み顔をひろしに向け、キレたような声で言った。
ひろし「…いえ、なんでもありません。余計な詮索はしてほしくないんでしたね。」
闇氷「はぁ…さっきも言ったが根も葉もない噂は嫌いなんだよ。頼むぜ全く…」
そう言い、右手をあげてひろし達の元から離れていった。死角に顔が半分隠れた時、闇氷の閉じた片目がぼんやりと赤く見えたが、それが見えた者は居なかった。
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その頃、雪山では氷河とハクモは洞穴で休んでいた。
氷河「はあぁぁぁ…」
ハクモ「どうしたのさ、母さん?」
氷河「皆に合わす顔がない…あぁまではっしたない姿見せてさ…」
ハクモ「とりあえずその強すぎる責任感をなんとかする所から始めようか?」
氷河「…多分治らない…」
ハクモ「治す気がないの間違いじゃないのかい?」
氷河「う…でも責任感無さすぎても駄目じゃんか…」
ハクモ「ありすぎても駄目なんだよ?」
氷河「ぐぅ…」
ハクモ「君の仲間想いな所は良い所なんだから、その強すぎる責任感だけじゃなくて自己犠牲精神や過小評価も少しずつ直していってね?」
氷河「(´・ω・`)ショボーン…」
ハクモ「ショボーンじゃないよ、その性格のままだったら後々引き返せなくなるよ?」
そう言うと、氷河は体を起こし、洞穴の外を見ながら口を開いた。
氷河「元より引き返す覚悟なんざない。…仲間が生き残れば俺はそれでいい。」
ハクモ「ほらそういうとこ。自己犠牲も大概にしないと鉄砲玉にされるよ?」
氷河「それでいいんだ。俺がどこで死ぬかなんて俺が決める事やさかい。」
ハクモ「…君がいなくなった後、残った人はどうするの?」
氷河「…知らない。闇氷や2.5次元のあいつがなんとかしてくれるでしょ。そいつのお陰で死んだハクモが復活したんじゃんか。」
ハクモ「もしその人が助けてくれなかったらどうするんだい?」
氷河「闇氷はまだしも、あいつは慈悲深い。あいつに見放されるようなヤバい事をしない限りは助けてくれるさ。」
外を細い目で見続ける氷河に、ハクモは1つの問いかけを出してきた。
ハクモ「…何で君は自分を愛さないの?」
氷河「…は?」
その問いかけを聞いた氷河は目を普段より開け、驚きとキレたような声が混じった声を上げた。
ハクモ「君は自分の仲間達を仲間や友人として愛するじゃないか。なのに何で君自身は愛さないの?」
氷河「俺が愛するのは[仲間]だけだ。自分は入らない。自分で自分を愛すなんてただのナルシストだろ。それに俺自身誰かに愛されたいなんて思わない。皆冷やかしだよ。中学でそんな目に散々遭った。騙されて笑い物にされる。自分の中で期待を上げ過ぎれば事実を知った時絶望するのは俺だ。なら俺は俺自身への高望みをしない。それが懸命だ。」
ハクモ「じゃあ仲間を死なせないって思いは高望みじゃないのかい?」
氷河「それは他者への思いであって俺自身の思いじゃない。下手に外の人間にここで死なれたら後が面倒なだけだからな…」
ハクモ「…全く…君は素直じゃないね…少しはその眼に恥じない行動をしたらどうだい?」
氷河「どういう意味さ?」
ハクモ「その眼や技は、彼女のものだろう?彼女は君を信用してその眼や技を遺してくれた。君が犬死するために遺したものじゃないよ。」
氷河「犬死…?無駄死の事?別に無駄死はしないよ。死ぬなら何かの目的のために死ぬよ。」
ハクモ「犬死って言うのは何か意味のあるつもりであっても結局は何の役にも立たず、名誉にもならない死に方の事だよ。今、君は何かの目的のために死ぬって言ったね。でも今の君じゃこうなってしまいそうで危なっかしいんだよ。君が仲間想いってのはよくわかったよ。それなら、僕らも安心できるような行動をお願いできるかな?」
氷河「…………分かったよ。善処する。すぐには直せないだろうけどね。」
『というか絶対直らないよ…筋金入りだぞ?』
ハクモ「うん、少しずつでいいからね。さて、いつ頃宿に戻る?体は見た感じほぼ治ってるみたいだけど…」
氷河「それなんだよなぁ…あいつらに合わせる顔がない…」
ハクモ「ちゃんと反省したなら大丈夫だよ。今から戻る?」
氷河「いやー…気まずい…」
氷河が考え込んでいると闇氷がやってきた。
闇氷「帰る気になったか?」
氷河「うわっ…!闇氷って結構神出鬼没だよね…」
闇氷「何を今更。で?帰る気にはなったか?」
氷河「いやーね…やっぱり気まずくってねー…」
闇氷「自分で蒔いた種だろ。自分で蒔いた種は自分で収穫しろ。」
氷河「あうぅ…分かったよ…戻るよ…」
闇氷「決まりだな。あいつらに伝えてくるわ。」
そう言うと、足元の影へ消えていった。
氷河「…あの移動技いいよなぁ…」
ハクモ「君も飛んで移動出来るじゃないか。」
氷河「でもあの影移動の方が移動距離が少ないんだよ…例えるならマイクラのネザー経由の移動みたいな…」
ハクモ「…?ねざー…?」
氷河「あぁ、こっちの話だよ。でもまぁ…簡単に説明するなら異世界の溶岩地帯みたいなもんかな?」
ハクモ「なるほど?じゃあそのねざー経由っていうのはどういったものなのかな?」
氷河「まぁ、そうだね…例えば10歩歩いて着く所を4、5歩で行けるみたいな?」
ハクモ「縮尺が違うんだね。そう聞くととても便利に聞こえるね。」
氷河「実際便利だよ…本人が言ってた。」
ハクモ「そうかい。じゃあ、僕に乗って行ってよ。」
氷河「いやいいさ。もう歩けるよ。ほら、傷はもうないんだもん。」
ハクモ「表面上はね?」
氷河「はい??」
ハクモ「僕の目は誤魔化せないよ?君、表面上だけ治して内側はまだ傷だらけだろう?下手に歩けばまた傷が開くよ。」
氷河「ゔ……」
ハクモ「分かったら僕に乗って行って、母さん。」
氷河「そういや何故に自分を母さん呼びするのさ?昔の事も知ったならもう氷河呼びでいいんじゃ…」
ハクモ「刷り込み効果って奴だよ。昔からそう呼んでいたせいで慣れてしまったんだよ。意図しないとこうなる。でもいいだろう?侮辱の意はないんだしさ。」
氷河「…まぁ…そうだな…じゃあ行こうか…」
ハクモ「落ちないようにね?」
氷河「わーってらい。」
氷河はハクモに跨り、颯爽と雪山を駆けて行った。
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闇氷「どんだけ期間空けてんだよお前。」
霞「学級旗とか課題とか他.cteあったのー!!」
>>1
星飴「お、お疲れ様ですリア主さん…あ、僕もそっちに合わせてかぎ括弧付きにしてみました!
にしても氷河さんって仲間をとことん愛してますね〜でもちょっと過剰っていうか重いっていうか…自分の身を顧みませんよね…やっぱり昔に何かあったのかなぁ???」
>>4
霞「キーボードカチャカチャやってたらなーんかこうなっちゃうんよなー…」
闇氷「相変わらずイカれた思考回路してんなお前は…もうちょっとラフな日常出せよ…所でこの先どうなんだよ?」
霞「えーと…この先の章を簡単に言うとー…誰かがキレてー誰かが人化してー…大分後にカートリッジ形態登場だね」
闇氷「わけわかんねぇよってかキレてって単語出た時点で駄目だこれ…」