空想小説「青鬼」 第37話 一か八か
闇氷「戻ったぞ。」
宿の戸を開けると、すぐに水刃さんが迎えてくれた。
水刃「おかえり。どうだった?氷河ちゃんは…?」
闇氷「まぁ待て。居間で話す。」
闇氷は短くそう告げると、宿に入っていった。
美香「あっ、待ちなさいよ闇ちゃん!」
たけし「うわぁぁ待ってくれって!」
たけしと美香は闇氷を追って宿に入っていった。
卓郎「闇氷、なんか苛ついてるか…?」
ひろし「おそらくそうでしょう。言動が少し変わっている気がします。まぁ、ここで話していても仕方ありません。私達も行きましょう。」
卓郎「だな。」
宿に戻った闇氷達は、先程あった出来事を説明した。
水刃「そう…氷河ちゃんが…」
黙って内容を聞き終えた水刃さんは静かに言った。
水刃「今まで見てきたけど、あの子は自分の仲間の事を大事に思う子だから…誰一人として欠けて欲しくないと思っている。欠けてしまえば…」
闇氷「自分のせいってほざいて1人抱え込んで、投げやりになって自暴自棄になる…って事だろ?」
ひろし「よく続きを繋げれましたね…」
闇氷「仮にも私はあいつの妹だ。ある程度は分かってるつもりだ。」
闇氷は若干呆れた声で言った。
たけし「でも、こっからどうすんだよ…?」
闇氷「今すぐなんとかするんなら、ハクモを復活させる事だな。」
闇氷の発言にひろしが反応した。
ひろし「しかし、死者が復活など出来るはずが…」
闇氷「考えてみろ。ハクモは永に造られた存在だ。なら、ハクモの[何か]があれば複製出来るだろ。…と思ったが、ハクモは消滅してるっぽいし、だめか…」
そう言い、少し気落ちする闇氷だったが、卓郎がなにかに気づいた。
卓郎「ハクモの何か…あっ、これは使えるか?」
卓郎はハクモが消滅した際に残った羽を取り出した。
闇氷「なんだそれ…羽?」
卓郎「ハクモが消滅した時に残った物だ。もしかしたらこれで…」
闇氷「貸せ!」
闇氷は卓郎から羽をひったくるように取った。
闇氷「これ、本当にハクモが消滅した時に残った奴なんだな?」
卓郎「あ、あぁ…」
闇氷「他にはあるか?」
美香「羽、私も持ってるわよ!」
たけし「俺も…」
ひろし「私も1枚預かっています。」
3人は闇氷に羽を手渡した。
卓郎「あぁ、そうだ…後1つあるんだが、氷が持ってるんだよな…」
卓郎は不安そうに言ったが、そんなのは気にしていない。そんな事よりかなり乗り気な表情で言った。
闇氷「っしゃ…!勝機が見えたぞ!」
卓郎「本当か!?」
闇氷「ちょっと待ってろ!一か八かやってやる!」
闇氷は4枚の羽を持って階段を駆け上がっていった。
美香「闇ちゃん…なにする気なのかな?」
たけし「…闇氷ってあんなノリノリな顔するんだな…」
ひろし「それは流石に失礼でしょう…」
闇氷は階段を駆け上り、ひろし達が知らない宿の3階に来た。
闇氷「要はこれ、バックアップって事なんだろ?なら…」
闇氷は何もないところに蹴りを入れた。すると、空間がひび割れ、中から1人の女が現れた。
???「そっちから自分を呼ぶなんて珍しいねぇ。」
女はひび割れから出てくると、闇氷の顔を覗くように言った。
闇氷「うるせぇ。んな事より、だ。手伝ってもらうぞ。」
???「へぇ、手伝い?なにかな?」
闇氷「ハクモを復活させろ。」
闇氷は直球に内容を伝えた。女は少し驚いた顔をすると、ほのかに笑みを浮かべた。
???「…変わったねぇ、闇氷。」
闇氷「変わったねぇ、じゃねぇよ。そう仕向けてんのはお前だろうが。ハクモを…いや、誰かを復活させんにはお前みてぇな力を持つ奴の協力もねぇとダメなんだよ。そうだろ?」
???「…わかった。だけど、闇氷にも結構手伝ってもらうかんな?」
闇氷「は?」
???「そりゃそうさ。自分の能力もただで使えるもんじゃないんだよ?」
闇氷「…まぁいいさ。上等だ。やってやろうじゃねぇの。」
闇氷はやる気に満ちた顔で言った。
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>>4
霞「この辺り実は新規で打ってるから時間かかるんよね…」
闇氷「四の五の言わず高校の課題終わらせてやっとけ。」