空想小説「青鬼」 第9話 仲間

2 2023/02/10 23:32

氷河「いやまぁ…親しく接してくれてるって言うのは凄く嬉しいしありがたいんですよ?嬉しいんですけど…なんだろう、無理矢理つきあわさせてる気がするんですよ…私の話の内容もいいものがありませんし…自分が居ても邪魔なんじゃないか…って…」

うつむきながら申し訳無さそうに言う氷河の元に卓郎が近寄ってきた。

氷河「…?何でしょうか、卓…」

郎さん、と言い切る前に、氷河の肩を掴み、ぐいっと動かして氷河と卓郎が顔を見合うような状態になった。その赫色の混じったあたかも燃えているような眼は氷河を真っ直ぐ貫いた。

卓郎「氷…言ったよな…?俺達は仲間なんだ、ってさ。氷、お前は俺達の仲間なんだ。仲間だから色んな話をしたり、助け合ったりするんだ。仲間なら当然の事だろ?」

卓郎は静かに、なおかつ力のこもった声で氷河に言った。氷河は青く濁った片眼を逸らそうとしたが、それは出来なかった。

氷河「それですよ。仲間だから、と言う事はクラスメイトだから、と言う事でしょう?だから、クラスメイトだから接している、ということでsy」

卓郎「違う!!」

卓郎が突然大声を出したので思わず、

氷河「うわあああああぁぁぁぁぁ!!?な、何ですかいきなり…」

と、半泣き状態で氷河は驚いていた。

卓郎「違ぇよ…俺は…俺達はお前の事を仲間だけじゃない、友人として接しているんだ!俺達はお前の友人だ!だからそんな自分が邪魔なんじゃないかなんていう考えはもう止(よ)せ!」

卓郎はそう氷河に訴えた。そしてしばらく黙り込んだ後、氷河は口を開き、小声で呟いた。

氷河「全く…一体いつ友人判定になったのやら…まぁでも…ありがとうな…。」

卓郎「ん?氷、お前なんか言ったか?」

氷河「いや別に?まぁでも、ありがとうな、卓郎さん。お陰で気持ちが吹っ飛びましたよ。」

氷河は笑ってそう言うと、卓郎は肩から手を離し、

卓郎「ふっ、そうか。じゃ、時間も押してるから、早く帰って学校門前集合だぜ!」

氷河「はい!」

氷河が返事をすると、卓郎はひろし、たけし、美香に向けて、

卓郎「うし!そうと決まれば、お前ら!走って帰るぞ!」

ひろし「と、唐突ですね…」

美香「分かったわ!ほらひろし、たけし!行くわよ!」

たけし「うわぁぁぁ!!!ちょ、腕引っ張らないでくれ美香!痛い!痛いからぁぁぁ!!」

その様子を見た氷河は、美香にちょっとした注意をした。

氷河「美香さん美香さん、流石に痛がってるので離したほうがいいのでは…?」

美香はちょっぴり考えた後、

美香「そうね。じゃあたけし、しっかり走りなさいよ!」

そう言うと、美香はたけしの腕を離してくれた。

たけし「よ、よし!…って美香、氷河…!俺ら2人に置いてかれてるぞ…!」

前をよく見ると、最早点に見えるほどの遠くの所にひろしと卓郎が居た。

卓郎「おーい!早く来いよー!」

卓郎がこちらに向けて叫んでるのか聞こえてきた。

美香「卓郎が呼んでるわ!早く行くわよ、二人共!」

そういった後、美香はぐんぐんスピードを上げていった。

氷河「ちょちょちょちょ、いくらなんでも速すぎでしょう!!た、たけしさん、急ぎましょう!!」

たけし「お、おぉ…!」

その後、最早持久走とも呼べる位の距離を走った氷河達であった。

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アニメとゲーム2023/02/10 23:32:35 [通報] [非表示] フォローする
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1: 雪原氷河 @overwrite 2023/02/10 23:34:01 通報 非表示

「氷、お前は俺達の仲間なんだ。」

今回のサムネは赤城卓郎です!


卓郎の距離の詰め方リアルなら恐怖だよね


3: 雪原氷河 @overwrite 2023/02/13 23:28:40 通報 非表示

卓郎「え、俺怖いのか?(・_・;)」


卓郎カッケー!


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