【小説】「冬が2人を迎えるから」Prologue
「雪……降らないかな」
隣で空を見上げていた彼が、白い息を吐きながら言った。
「こっちは全然降らないもんね。にしても、真はほんとに雪好きだね」
その整った横顔に少しだけ、見とれてしまっていた。
少しばかり羞恥が襲ってきて、気を紛らわすように私も空を見上げた。
「……うん。雪は…綺麗だから」
「そっか。私、あんまり雪見たことなくてさ、どんぐらいきれいなの」
「白くてふわふわしてて。でも触ると溶けて消えちゃってさ。その儚さが綺麗だなって思ったりする」
ふふ、と笑ったその顔が、少し寂しそうに見えたのは気のせいだろうか。
「ねえ乃和。来年は、雪降るかな」
「わかんないけど、降ると思うよ。きっと」
正直言って、降るかどうかなんてまだわからないけれど。
願えばきっと、叶うはずなのだ。
……雪が降れば、雪降る街でイルミネーションデートとかできたりするのだろうか。
誘ってみたいな、なんて思ったり。
「…凪、喜ぶかなぁ」
妄想に耽っていた私に、真はポツリとそう零した。
どういう意味か、わからなかった。
そんな私の顔を意味ありげにじっと見つめてくる真。
やがて口を開いて、私に微笑みかけた。
「_来年の冬になったらさ」
「俺のこと、忘れてね」
_どうやら来年の今頃には
君はこの世にいないらしい。
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✎ 金沢乃和(かなざわ のわ)
✎ 主人公(女)
✎ 大学1年生
✎ "真"に恋をした
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✎ 真(まこと)
✎ 18歳
✎ "早原凪"の別人格
✎ "早原凪"を痛みや苦しみから護るために生まれた
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✎ 早原凪(はやはら なぎ)
✎ 18歳
✎ "早原凪"の主人格
✎ 金沢乃和のことを知らない
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