[小説]暁の十字架1話から5話まとめ

5 2022/05/21 08:04

ーー…紅葉が舞った。10月。天を仰いで目を細めた、その時、ふわっとなにかが俺を包んだ。

吃驚するスキもなく、俺は飲み込まれたんだ。

「ここは!?」ガバッと起き上がると、そこは見たことのない所だった。「…なんだこれ。」それに、みたことのない植物に生物。薄暗い細道。まだ状況が掴めないが、ここが「普通」ではないことは確かだ。

俺は警戒しながら薄暗い道をゆっくりと進んだ。周りを見渡してみても、なにもなかった。俺は思わず、

「誰かー…?」と声を漏らす。

…………

声を出しても葉の音しかしない。誰もいないのだろうか。まず、ここは何処なのか。

すこし時間がたってから、俺は現実的になった。冷静に考えた。……おかしい。

そこまでなにかに詳しいわけではないが、この空間はおかしい。なぜか、それだけは確信だった。

足を止め、状況を整理していると、さっきまでは聞こえなかった異音が鳴った。「ガサガサッ」

その音に俺は警戒した。……近くの木に隠れよう。……足音…??

足音が聞こえた俺は、すこし、かおを出し、状況を見た。

薄暗くてよく見えないが、あれは……?

あの足音の正体は…

なんだ?黒いローブに帽子…全身黒ずくめだ。

もしかして

…魔女?それにしては小さい気が…。

幼女か?俺はなぜかほっとした。人がいたのが安心してしまったんだ。

その時、すこし気を抜いてしまった俺は足音をたててしまった。「ガサッ」…

やべぇ!!

取り乱したのもつかの間、その幼女(?)は言った。「だれかいるの?」俺は冷や汗と背筋が凍るような感覚を覚えた。

ドクンドクンと心臓の音がうるさい。

するともうひとつ声がした。「ばぁか。こんなところに人がいるかよ。」…もうひとりいたのか。

すると最初に喋った幼女が言う。「でも、ガサッてなったのよ」呆れた息を漏らす。「どうせ、葉の音だろう」幼女らしき者は、しょんぼりしながらその子についていった。

………………

ふぅ、危なかったな。

ところで、あれはなんだ?人間?

……もしかしたら俺の「あたりまえ」とは違う世界かもな

なんて非現実的なことを考えた。

あれこれ考えていると

???「みつけた!」

声が響いた

俺は固まった。

さっきの…幼女じゃないか…

どうしようと考えていると、幼女は喋った。「わたし、ルアーサ!いちにんまえのまじょになるのがゆめなの!」

…将来の夢かな。俺も小さな頃はヒーローになるとか言っていたし。

俺は、小さな子がプリキュアのコスプレをするようなことと同じだと思って、こう話した。

「ルアーサちゃん。俺はここにきたばかりで、ここについてよく知らないんだ。詳しく教えてくれないかな?」と優しく笑いかけた。

するとルアーサは嬉しそうに言った。「ここはルーベルト・レーマンっていうところだよ!ここのもりは、まじょのもりっていわれてて、まりょくがつよいひとしかはいれないっていわれてるもり!でも、ルアーサ、ここにひみつではいった!」と笑顔で答えた

笑顔で答えたルアーサは、俺を見てこう言った。

「お兄さん、名前は?もしかして、迷子?」

…迷子…なのか?

とりあえず俺はルアーサの質問に答えた。

「俺は神木紅蘭(こうのぎくらん)だ。旅をしてたら、迷ってしまって…」

スラスラと真実とは違う言葉を並べた。

ルアーサは「そっかぁ…」といい、すこし考えている。なにを考えているのだろう?

間が空いたとき、はっ!とルアーサは閃いたように瞳を輝かせた。

なんだなんだと俺はルアーサを見た。

するとルアーサはこう言った。「そうだ!お兄さん、うちの家においでよ!」

…え。

見ず知らずの男を…?!

さすがに悪い。俺は否定した。「いやぁ…その気持ちはありがたいけど、悪いよ…」

そう言っても、ルアーサは聞かなかった。グイッと俺の腕を引っ張って、はしった。

…………はぁ、はぁ

ルアーサが足をとめた。「ここだよ!!」そう言ってこちらをくるりと向いた。

わぁ……!!その建物に思わず俺は見惚れてしまった。

ルアーサがつれてきた『家』は、

おとぎばなしに出てくるような薄暗い城?のようなものだった

小さなころ、絵本で読んだものとそっくりなほど不思議な見た目をしていた。

俺が黙って見惚れていると、ルアーサが「くらんおにぃさん、どうしたの?」とこちらを覗いた。

その言葉で我に返り、俺はルアーサがこっちこっち!と言うほうに向かった。

その城の中も、信じがたい作りだった。なんだろう。俺には博物館のような感覚だった

ルアーサが俺の腕を引っ張って誘導する。

するとルアーサは、立ち止まって、「ここだよ!」と言った。

着いた所には……

ルアーサと同じ服装の少年少女がいた。

みんな黒ずくめのローブを身にまとっている。

そういえば俺は今学校の制服だったとふと思い出した、

そんなことを考えていると、ルアーサが「みんな、まじょになるためにことでがんばってるの!」

とニコッと言った。

えっ…?まじ…?と俺は思った

思考がすこし止まっていたところ、後ろから声がした

「ルアーサ、そいつは誰だい?」

その声は老婆の声だった。

ばっと振り返ると、後ろにいたのはまたまた…

おとぎばなしに出てくるような『魔女』だったのだ。俺は目を疑った。

なんてったって迫力がすごいんだ。

長い、黒い爪に銀色の髪。そしてその魔女の、『瞳』吸い込まれそうな澄んだ瞳をしている。

その事実に言葉を失っていると、「そこのお前」と老婆の声がした。

ビクッと俺は背筋を立たせた。

「あのっ、あのね、この人、森で迷子になってたの!」とルアーサが慌てる。すると老婆は

「勝手なことしてんじゃないよ!!全く!だからあんたはまだ半人前なんだよ!」と声を上げた。

ルアーサは言葉を飲んで、うつむいた。

……いっ、いたたまれない…!!

気まずい!!

そこで俺は「あ、…あの!すみません!彼女は悪くないんです!俺が迷子になってしまって…彼女が助けてくれたんです!」と弁解した。

すると老婆は黙ってルアーサを見つめた。

ルアーサは俺の服の裾をつまんで、老婆を見ている。

そのうち老婆がはぁ…とため息を漏らした。

そこで俺はこう言った。「す、すみません!迷惑ですし…!あ、ルアーサちゃん、ありがとう。もう俺は平気だから、行くね。」

と行く宛もなくそう言った

そして老婆に謝ろうとしたところ、老婆は俺を見つめた。俺は吸い込まれそうになり、息を飲んだ。

魔女の瞳をじっ…と見つめていた。しばらくして、魔女はふと視線を落とした。

「こっちへおいで」と言って、ちょいちょいとこちらへ誘導する。

なんだろうとついていくと、そこには、なんだか雰囲気のある小屋があった。

くるりと振り返った魔女は、俺を見てこう言いはなった

「お前、家族は?家は?」突然の質問に、ぽかんとしてしまった。

すると魔女は目付きを尖らせて、「さっさと言いな」と俺を睨む

……どう答えようか。突然ここにいました。なんて、誰が信じるか。

俺は何も考えないままスラスラ答えた

「僕はここのものではないんです。先程も言いましたが旅をしていたら迷ってしまっていて…」

ここまで言って顔色を伺った。

嘘に真実を混ぜる。これは基本だ

「もちろん、家族もいました。家もありました。けれど、すごく遠いところなので、もう、一生帰れないかもしれません…」

演技のつもりだった。

なのに「一生帰れないかもしれません…」その言葉に、やっと気持ちが追い付いた。

俺だって、あっちでの生活があった。

なのに…

ここにいるんだ。気づいたら。

もう、一生、家族にも会えずに死ぬのかな?

そう思ったら、すごく、なにかを失った気持ちになった。

すると、視界が歪んでいくのを感じた。瞬きをすると、はらりはらりと水滴が頬をつたった。

やばっー…

こんな、人前、しかも他人の前で泣くなんて。

急いで涙を拭った。「す、すみません」と言いながら。

すると、俺の耳元でふわりとラベンダーが香った。

吃驚して、なにがなんだかわからなかったけど、

なんだ、その、

老婆の魔女が、俺の頭を抱きながら撫でていた。

「…それは災難だったな。」と

魔女は呟いた

その言葉に、

俺の涙は

留めなく溢れて

俺は孤独を感じた

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

まとめてみました!

1から5までです!まだまだ、暁の十字架はつづきます!!

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1: くれ @FJ0309 2022/05/21 08:12:44 通報 非表示

続き気になるぅ⤴︎


3: くれ @FJ0309 2022/05/21 08:13:24 通報 非表示

>>2
うぇぇぇぇい⤴︎


>>3
いっえええええい⤴️


5: くれ @FJ0309 2022/05/21 08:14:18 通報 非表示

>>4
ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ((((((え


7: くれ @FJ0309 2022/05/21 08:16:38 通報 非表示

>>6
(爆笑)(((((((いや笑う要素どこにあんの


>>7
面白い人ですねー

(リアルでキライなひとへの対応)


9: くれ @FJ0309 2022/05/21 08:22:10 通報 非表示

>>8
……………


>>9
………

うぇー☆((は


11: くれ @FJ0309 2022/05/21 08:23:39 通報 非表示

>>10
………………え (((


続き気になるなぁ、、


>>12
読んでくれてありがとっ!


14: つきねこ @otakudayo2022/05/21 18:43:54 通報 非表示

ありゅさんの小説たぶん全部読ませていただきました

とても素敵なお話でした


>>14
本当ですか!すごく嬉しいです…!!

あなたは小説だしていますか?

出しているなら見たい…!!


16: わらび餅 @wapabi 2022/05/22 10:57:17 通報 非表示

凄かったです!!

本売ったらマジで売れそうなマジの内容でした!!

続きがすごく気になりますね!!


17: つきねこ @otakudayo2022/05/23 06:27:12 通報 非表示

>>15
返信遅れました。

僕も小説書いてます。

ぜひ読んでください!


19: つきねこ @otakudayo2022/05/25 07:12:55 通報 非表示

>>18
やたあ


>>16
本当ですか!!

めっっっっちゃ嬉しいです…!


面白いねぇええええ

ただ そこで俺はこう言った。「す、すみません!迷惑ですし…!あ、ルアーサちゃん、ありがとう。もう俺は平気だから、行くね。」 この部分は喋る部分は改行してよかったかと・・・

繋げたいなら 俺は「〇〇〇〇」と言った、にしたほうがいいと思う!!


>>21
ありがとおおおおおお

確かに…なんだけど、俺、

私は「○○○○」と言った。って書く小説が個人的に好きじゃなくて、それをやらないように作ってるんよww(((謎のこだわり


23: わらび餅 @wapabi 2022/08/27 18:04:18 通報 非表示

>>20
いえいえ∧( 'Θ' )∧


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