アニメ『ダイヤのA act II』はおもしろい?つまらない?
沢村役の逢坂良太は声に絶対的な個性があるわけではないので、実際、画面に多くのキャスト映っている場面で、沢村の内心のモノローグが流れた時に、それがシリアスな演技だと誰の声なのか解らなくなることが多々あった
けど、気になったのはそれくらいで、基本、元気にまくし立ててて、挑発して、愛ある貶めをかましまくる演技は聞いていて小気味よく、上手く演じてるなぁ、と
鉄心やクリス、結城などはあまりに出来過ぎた人格設定で、うーん…
ヤンキーキャラの過剰演出も、そこまで?とは思ったが、まあまあ許容はできたか
確かにここまでは楽しめたのだが、ここを読む限りシーズン3からIGが抜けて諸々のクオリティが下がったようなので若干気掛かり
その感想はまた見た後にでも
最近シーズン4の制作が発表されたようなので、まだ評価はされてるんだなぁ、と思った次第
で、ようやくactⅡ全話視聴
原作は知らん
端的に、ゲームメイクシミュレーション
ここで散々な書かれ様だったので心配してたが、存外楽しめた内容だった
このシーズンの見せ場はとにかく、春の都大会での敗退後に、監督からベンチ入りメンバーの白紙化と再選考が発表され、夏大会予選までの間に行われる、レギュラーを目指す部員各々の試行錯誤と葛藤
そして、豊富に組まれた練習試合における、刻一刻と変わる試合状況での可能な限りの最適解の追求の描写、といったところか
この作品は青道高校内でも優秀なキャッチャーが多く登場するので、そこも見応えをもたらしてくれた長所
いかにゲームを組み立てていくべきか、の視点が丁寧に描かれていた
現状のランナーとカウントならば、どの球種でどのコースに投げさせるべきか、どこへ打たせてアウトカウントを稼ぐか、守備位置はどう取らせるべきかというセオリー
そこに、投手と打者の、これまでのデータとその日の調子を加味しての答えを出す
それらを、御幸、小野、奥村、由井の、キャッチャーそれぞれの差異ある熟達度合での視点でもって思考させ、視聴者側にも考えさせる構成
はっきり言って、考えながら見ていて疲れた
たぶんスカッとした、スケールの大きい心地よさを求める層にはウケが悪いだろうとは思う
個人的には、チーム内で息苦しく競い合う、夏大会までのこの僅かなタームの濃密な描写は、今まで見た野球アニメの中では最も良かったかと思う
自分も野球をやっていたし、他の運動部にもいたので実感するが、本当に地味な積み重ねしか上達する方法は無いので、そのやるせなさや、ほんの少しでも発展できた時の喜びが思い出されて、なんとも言えん気持ちになった
「地味な作品になってしまっている」という原作者の気掛かりとなっている作風は、個人的にはリアリティの裏返しでやむを得ないし、寧ろ説得力を持たせている点で評価する所かなとも思う
その点が、プロ野球選手をはじめ高校球児、今をときめく大谷にも好まれている作品の所以かなとも思う
この戦術視点は、サッカーアニメのアオアシの仔細な戦術論的作風と似通っている所でもあると思われ
沢村が次第に考える野球へと志向する成長過程も丁寧に描いていた
その向上心がチーム内に伝播して、皆で偏差値の高い野球を志す方向性も良かった
ただ、ID野球然とした論理的作風は、公式戦となる夏大会の予選が始まるとやや弛緩させている
そもそもアニメでエンタメなので、本来そっち路線が王道なのだからそれでいいと思う
寧ろずっとあのロジカルシンキングを求められ続けたら見てるこっちが持たなくなる
これまでのところ、都内の高校の選手たちの群像劇の色彩が濃く、全国的なスケールで地方他方のチームを丁寧に描いていけるのか、少し疑問はある
今でさえ他校の選手を活かし切れていない部分もある印象を受けるのでそう思うが、さんざん作られてきた野球漫画で、新たなキャラ立ちを創造するのは大変だろうな、とは思う
そもそも原作は沢村が高校2年時の甲子園夏大会直前で終わっているみたいなので、4期製作が発表されたもののどうするのかな、と
これからペースを落とすにしろ原作を再開して、その後にアニメ化するのかわからんが
相変わらずポンチ絵的ガス抜きは悪くなかったし、畠中演じる浅田など気弱な子の活かし方も悪くなかった
奥村と沢村の新しい絡みは素直に面白かったし、御幸と沢村との掛け合いの相性の良さも再認識した
もともと作画よりもストーリーの運びの方が、個人的には優先度が高いので、特にIGが抜けてもそれ程違和感は無かった
1期がどんな作画だったか覚えてないのもあるけど
あんま焦らないで4期やってくれれば、と思う
とにかく、野球を長くやってきた原作者の野球愛に関しては、それが充分に伝わってきたシーズンだった

