【小説】ヤマノカミ

4 2023/05/22 22:33

〜作者から〜

「ジブリみたいなのを書きたい!」と一念発起して書いた駄作です。

あんまり気に入っていません。

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「陸前与湖山神社。陸前与湖山神社です」

車内放送が、そう一本調子に駅名を読み上げると、バスは音を立てて停車した。

発車した直後はほぼ満員だった車内だが、今はもう2、3人しか乗っていない。

 これほどまで人のいないバスは、徹はこれまで見たこともなかった。

バスに乗るときは大抵朝か夜のため、混んでいる車内しか見たことがない。通勤や帰宅の時間帯と重なってしまうためだ。

 すると、バスがグラッと揺れた。どうやら発車したらしい。

さっきの駅は「陸前与湖山神社」。徹が降りるのはもう4駅ほど先だ。

ちょうどいい。ちょうど眠くなった頃だったし、降りる駅まで寝よう。

 徹は大きな欠伸を一つすると、窓にもたれて眠りに落ちた。

先程まで、町に立ち並ぶビル群を形作っていた影は、生い茂る木々の影に変わり、バスの車内に映し出された。

 整地された地面を走っていたバスは、次第にデコボコした地面に足を踏み入れ、車体を大きく揺らした。

突然、目を覆いたくなるような眩しさに襲われて、徹は目を覚ました。

周りを見渡してみる。徹がいるのはバスの車内。寝る前と変わらない。

 変わったことといえば、外の風景だろう。

さっきまで、バスは確かに町を走っていた。だが今は——

「や、山?」

バスが停車していたのは、先ほどとは打って変わって山だった。

「ここって、終点じゃ…」

その時、座席の陰から、人の良さそうな運転手のおじさんの顔が覗いた。

「お客さん…って、起きてたのか。もう終点だ、すぐ降りな」

「あの、僕、寝過ごしちゃったんですけど、回送で乗せてってもらえませんか…?」

徹は、おじさんの口髭が目立つ顔をじっと見て言った。

「何をアホ言ってんだ。さぁ降りろ降りろ」

「で、ですよね…、ははは…」

徹は、おじさんに追い出されるようにして降車した。

 ドアを閉める前、おじさんは徹を呼び止めて言った。

「悪いな、坊主。俺からは、次のバスまで待てとしか言いようがない」

おじさんは、凛々しい形をした眉毛を悲しげに寄せて見せると、ドアを閉めてエンジンをかけた。

 走り去る前、おじさんは徹の方を見て口を動かした。

当然声は聞こえなかったが、その口は確かに「達者でな、坊主」と言っていた。

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暮らし2023/05/22 22:33:33 [通報] [非表示] フォローする
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続けるかもしれませんし、途中で諦めてやめるかもしれません。


>>1
いい・・・


>>4
ありがとうございます


2: K.ドラ93 @doraaa 2023/05/22 23:38:48 通報 非表示

なんか岡山県のサムハラ神社の奥宮の雰囲気あるわ


3: 下級構成員 @sohkk 2023/05/22 23:46:07 通報 非表示

ぬぬぬぬ


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