空想小説「青鬼」 第11話 千本のナイフの雨

2 2023/12/03 17:37

氷河が腕を広げると、大量のナイフが宙を舞っていた。これには全員驚愕した。

美香「えええええっ!!?」

卓郎「あんだけのナイフどこにしまってたんだよ!?」

ひろし「いえ、あれは氷河の氷結属性の能力で作ったナイフの形をした氷ですね。」

ひろしは冷静に分析能力で状況把握をした。

たけし「あ、ああ、なるほど…」

ひろしの言葉でたけし達は納得した。

氷河「霜符・サウザンナイフレイン!!」

腕を下に振り下ろすと、上空のナイフが一斉に樹木鬼目掛けて雨の如く降り注いだ。

美香「う、うわぁ…すごいわね…」

たけし「えげつない量のナイフが…」

卓郎「まぁ、あれだけやれば倒せてるんじゃないか?」

卓郎は腕を伸ばしながら言った。

氷河「ちょ、卓郎さんそれフラグ」

氷河は卓郎の方を向いて言った。

ひろし「………!!氷河、まだ倒せていません!!」

氷河「うわあああぁぁぁ!!?」

樹木鬼「この程度で死ぬと思ったか弱者が!!」

氷河が後ろを向いた所を突かれ、腕のような物に捕まり、身動きが取れなくなってしまった。

たけし「や、やべぇ!氷河が拘束されしちまったぜ…!!」

卓郎「フラグ回収しちまったよ、俺…」

卓郎が少し萎えていると、美香が励ますように言った。

美香「卓郎が気に病むことはないわよ!悪いのは氷ちゃんの攻撃でやられなかったあいつが悪いのよ!」

たけし「今、何かすごい暴論が飛んだような…」

ひろし「全く…」

ひろしは3人に呆れながらもこの状況は非常にマズいと考え、打開策を考えていた。

樹木鬼「おらあああ!!!ウィップブリンチ!!」

氷河「っぐっ…!」

氷河は鞭のような蔓で何度も叩かれた。

卓郎「やばいやばい!!氷がリンチされてるって!!」

卓郎は顔を引きつらせながら言った。

たけし「このままじゃ氷河が殺られちまうぜ…!!」

たけしは怯えながら言った。

美香「でも、結界が張られててどうすることも出来ないわ…!」

美香が結界を何度も叩きながら言った。

ひろし「可能な事は、声で指示を出すことですね…」

ひろしは静かながらも、切羽詰まった声で言った。そんな事を言っていたら、氷河は何十回も蔓に叩かれ続け、腕や足が赤く腫れていた。氷河は薄く目を開け、樹木鬼を睨みつけた。

氷河「…っ…ぐ…」

喉もかなりやられ、声にならなかった。

樹木鬼「ハハハハハ!青神である私を倒すのは不可能なのだよ!!」

樹木鬼は高らかに笑いながら言った。

氷河「っ…じゃあ…何…で…青神…である…蜘蛛鬼…は…やられたの…かなぁ…?」

氷河はしゃがれた声で辛そうに言った。

樹木鬼「ふん、彼奴は我ら青神の中でも最弱…負けて当然なのだよ。ハハハハハ!!」

樹木鬼は冷めた声で言った後、あざ笑うかのように高笑いした。

氷河「お前…最…悪…だな…」

氷河が下を向いたまま、低い声で言った。

樹木鬼「なんだと?」

樹木鬼は氷河を睨みつけた。

氷河「仲間の…事…侮辱…してやがる…敵…とはいえ…神経が…苛立つ…!!アイス…パレッド…!!」

氷河は2、3cm程の氷の粒を生成し、銃弾の速さの如く、樹木鬼にぶつけた。が、全く効いている様子がなかった。

樹木鬼「そんな粒っころで倒せると思ったか、弱者!!」

そう言い放ち、また蔓で氷河の体を打ちつけた。

氷河「っ…!!」

氷河は痛さで顔を歪ませた。

樹木鬼「さぁ、歯を食いしばって倒せない事を絶望するがいい!!」

そう言い、笑いながら何度も蔓で体を打ちつけた。氷河は何度も蔓で打たれ、意識が薄れるのを感じた。そんな意識を何とか取り留めながら、氷河はぼんやりとする頭で考えた。

氷河『さっきのといい、普通に攻撃しても意味がないのか…もしかしてどこかにコアみたいなのがあって、そこを壊さないとダメージを与えられない…とかか?…駄目だ、まともに頭が働かねぇ…まぁ、本気でやったら秒で終わるけど、流石に今は自分の「愛刀」を使いたくない。とりあえず、今はこの考えに賭けるしかないな…でも、本気の姿は見せられない。…ちょっと申し訳ないけど…』

   「…、頼む。」

氷河がかすれ声で何かを頼んだ。すると、一瞬で空気中に斬撃が走り、氷河を捕まえていた腕が切り落とされた。氷河は腕と共に地面に崩れ落ちた。

樹木鬼「…!?何が起きた!?」

氷河「…さぁ…何が…起こったん…でしょうねぇ…?」

氷河はよろよろと立ち上がりながら言った。

樹木鬼「さては…この場に別の人間がいるな!?どこだ!!」

樹木鬼は四方八方に蔓を打ちつけ、虱(しらみ)潰ししようとしていたが、全く当たった手応えがなかった。

氷河「さっきの…斬撃を…放った人は…この場には…きっともう…いないよ。」

樹木鬼「…まぁいい。そんなズタボロの体ではもう戦えないだろう。この場で死ぬがいい!」

樹木鬼は勝ち誇った声で言った。それを聞いた氷河は静かに口を開いた。

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タグ: 空想小説「青鬼」 11話千本 ナイフ

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その他2023/12/03 17:37:30 [通報] [非表示] フォローする
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氷河「…正直、今更物理的に叩かれるのは慣れてしまったな…」


2: 11秒 @LEE08 2023/12/03 17:43:40 通報 非表示

鞭がなんか文章面でもすごい痛そうだった()


>>2
氷河「慣れたとは1コメで言ったけど、正直痛かった…」


4: 11秒 @LEE08 2023/12/03 17:47:01 通報 非表示

>>3
わお……お大事なさいだね


>>4
氷河「安心しろ、多分次くらいには治ってるから。」


6: UFO-X @tukuru2023/12/03 19:37:58 通報 非表示

零「...俺はあんな物を耐えたのか...」


>>6
霞「あ、レインさん…じゃなくて、零さん帰ってたんですね。…で、どうしました?何か考えてますけど…」


8: UFO-X @tukuru2023/12/03 20:23:32 通報 非表示

>>7
零「ああ、俺サウザンナイフレイン耐えたからな。」


>>8
霞「マジかよおい…まぁ一応知ってるけど…霜符・サウザンナイフレインはあの子の愛用技だね。」


10: UFO-X @tukuru2023/12/03 20:38:32 通報 非表示

>>9
零「そうだな」


>>10
霞「いやー、あの子も本気出したらあいつくらい速攻で倒せるんだけど…流石にひろしさん達の前ではまだ見せれないからね〜」


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