小説書いた![題名は濡れた土です!]
雨は嫌いだ。
特に、今日みたいに窓を叩きつけるような激しい雨は。
古びたアパートの部屋には、電球一つ分の頼りない光が揺れている。その光の中に、彼の姿がぼんやりと浮かび上がっていた。
「なあ、聞いたか?」
彼は唐突にそう言って、新聞を床に放り投げた。一面には、顔を黒く塗りつぶされた男の写真。そして、見出しにはこう書かれていた。
『無差別殺人、またか』
「もう、これで3人目だ。手口が全く同じなんだと」
彼の声が妙に楽しそうに聞こえるのは、気のせいだろうか。いや、違う。彼はいつもそうだ。人の不幸を、まるで自分のことのように喜ぶ。そして、その度に彼の目は、あの、濡れた土のような色に濁っていく。
「知ってるか? 死ぬ直前って、人間はめちゃくちゃ怖い顔をするらしいぜ。目を見開いて、口をぱくぱくさせてさ。まるで金魚みたいに」
彼はそう言って、にたりと笑った。その顔は、電球の光に照らされて、まるで能面のようだった。
その日、俺たちは一緒に酒を飲んでいた。しかし、彼の話はいつも通り、胸糞が悪くなるものばかりだった。
「なあ、お前もやってみないか? きっと、楽しいぜ」
彼はそう言って、俺の肩を叩いた。その手が、妙に冷たかったのを覚えている。
その翌日、彼の姿はどこにもなかった。
俺は、彼の部屋の鍵を開け、中に入った。部屋の中は、昨日と全く同じだった。違うのは、床に放り出されたままの新聞だけ。そして、その新聞の裏には、奇妙なものが貼り付けてあった。
それは、3枚の写真だった。
どれも、目を見開いて、口をぱくぱくさせている男の顔。
そう、金魚のように。
俺は、その写真を見て、吐きそうになった。そして、その3枚の写真の下に、こう書かれているのを見つけた。
『次はお前だ』
俺は、その言葉を見て、全身の血の気が引くのを感じた。
そして、その時、部屋の電球が、ちかちかと点滅を始めた。その光が消えた時、俺は、何かが背後に立っているのを感じた。
それは、濡れた土のような、あの目の色をしていた。
この題名は?
「濡れた土」はいかがでしょうか?
物語のキーとなる「彼の目」の色が、不穏でゾッとする雰囲気を表現しています。

