〜小説〜
私,陽南は,いつも通り校門をくぐり,駅へと向かう。
ピコッ。スマホが鳴った。学級委員の鈴木菜乃葉からだった。
【野崎さん。先生が,宮下くんの家に届けてもらうプリント渡すの忘れてたーって言ってたんだけど,今から学校戻れたりする?】
そう送られてきた。私は走って学校に戻った。
ガタン。ドアを開ける。
「あ!野崎さん来てくれたんだ!はい。これ,よろしくね!」鈴木さんから封筒を受け取った。
「鈴木さんありがとう!」そう言って,私はまた,駅に向かって走り出した。
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ピンポン。私は宮下君の家のインターホンを鳴らす。
「はい。」「3年1組の野崎陽南です。宮下君にプリントを届けに来ました。」
ガチャ。ドアが開き,お母さんが出てきた。「野崎さんいつもありがとう。あ,これ海斗から。」
そう言って,手紙を渡された。「ありがとうございました。」私は走って家に帰る。
なんだろうこの手紙。自分の部屋の椅子に座り,封を開ける。
野崎さんへ
いつも学校終わりに家にプリントを届けに来てくれてありがとう。
明後日頑張ろ。その次の日からは学校に行くつもりだから。
海斗
ここに書いてあるように,明後日は,私と宮下君の高校入試の日。
宮下君は,受験勉強のために学校をずっと休んでいる。それで,家が一番近い私が,プリントを届けるようになった。
コンコン。「陽南ーご飯できたよー塾遅れるよー。」お母さんにそう言われ,はっと我にかえる。
あっもうすぐ家を出る時間。ご飯を食べにリビングに行く。今日の夕飯は,私の大好きな海鮮丼とあら汁。
「いただきます。」私は凄い勢いで食べ始める。「ごちそうさまでした。あっもう時間!」私は鞄を持って,家を出た。
私は時々,塾の前に近くのコンビニで食べ物と飲み物を買う。
今日は,唐揚げとお茶を買い,コンビニを出た。さっき食べたのにまた食べるのか。と思う人がいると思うが,その理由は,食べるのが好きだから。すぐお腹が空くから。この2つだ。
私はいつも,家に帰って寝るまで勉強をする。その間に,さっき買ったものを食べる予定だ。いつもなら,自分でおにぎりを握ってそれを食べるのだが,今日は修正テープを買う用事があったので,そのついでだ。唐揚げはおかずとして食べる。
私が通っている塾は,毎年多くの高校受験合格者を出している塾、Hany。
蜂蜜とは一切関係ない。
教室のドアを開ける。私は,上から二番目のクラス。s、a、b、cの中のaだ。
「陽南〜ヤッホー!さっきぶり!w」
そう声をかけてきたのは,学校で3年間同じクラスの友達で,女子で一番仲が良い横山未來。
「ヤッホー未來!さっきぶりだねwあ,今日夜ご飯何食べたの?」私は未來の後ろの席に座る。
「夜ご飯は,カレーと目玉焼きだった!てか陽南,いつも塾入ったら今日夜ご飯何食べたの?って聞くよね。食べるの好きだね〜w」
未來の言う通り。私はいつも,同じ事を聞く。
「あれ?陽南制服のまま?」「あっいろいろあって着替える時間無かったんだよね...」
ちなみに,私達の通ってる中学校は,星空学院。
中高一貫校だから,そのまま高校に上がれるんだけど,毎年半分くらいの人が受験をする。
「授業始めるぞー。」そう言われ,数学の授業は始まった。
未來はさっきから,チラチラ私の隣の席を見ている気がする。
私の隣の席に座るのは,高塚紫雲。いつも授業に遅れて来る。今日だってまだ来ていない。
しかもなんか頭が良い。私は,点数や順位を心の中で争っている。
「はい。では,昨日やった入試問題を返すぞ。返し終わったら,1,2,3位を発表するからなー。」
教室がざわざわしてきた。
「返すぞー。井上。......高塚。いない。....野崎。横山。」
先生からプリントを受け取る。中を見ると,96点だった。1問間違えてしまった。
教室のあちこちから,これ出来た?とか,低かったーとか,勝った!とか,様々な声が聞こえて来る。
いつも,1,2,3位には,私,高塚,井上さんが入る。今日の1位は誰だろう。
「順位を発表するぞー。1位は,」
ガタン。教室のドアが開き,高塚紫雲が入ってきた。どんなタイミングだよ。私はそう思った。
「お,高塚。今から順位発表するから早く席着いてね。はい。これ昨日の入試問題。」
高塚が席に座ると,教室が静かになった。
「1位は,98点井上。2位は96点野崎。3位は,94点高塚。」
パチパチパチパチ👏拍手が起こる。
1問4点だから,二人とも単位ミスで2点落としてるんだと思う。だとしたら,井上さんは100点ってこと...高塚は私と同じ...
「陽南凄い!私なんて76点だよ。どうやったらこんな出来るの?」
未來にそう言われた。未來は,古文だけ唯一できる。
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授業が終わり,私は席を立つ。
「陽南バイバイ!」未來はそう言い帰って行った。
未來とは違う方面なので,一緒に帰れない。だから私は,一緒に帰る友達がいない。
「野崎。帰るやついる?」高塚に声をかけられた。
「い,いないけど。」高塚に声をかけられると思っていなかった私は,びっくりした。
「俺もいないからさ,水野まで一緒に帰んない?」そう誘われた。
水野は,ここから20分位電車に乗ると着く。
「高塚,水野に住んでるの?」そう聞くと,高塚はうなずいた。
「野崎,水野の先でしょ?」そう。私が住んでいるのは,水野の3駅先の白樺というところ。
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まあそんなわけで,野崎陽南は,高塚紫雲と帰る事になりましたー。
続く
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こんにちは!映凪です!初めて,普通のトピで小説を投稿してみました!(限トピで送った方は同じ小説です)まだまだ上手く書けませんが,感想いただけると嬉しいです!
>>14
塾に入ったら、今日の夜ご飯をすぐに聞く。とか、
可愛い個性(?)をかいてるのがいいと思いましたっ!
>>6
高塚に一緒に帰んない?って言われたところが個人的にキュンキュンした(笑) あと、最初の始まり方がなんか好き(笑)(笑)