空想小説「青鬼」 第11話 三上水刃
卓郎「長…」
氷河「長い…」
美香「長いわ…」
たけし「長いなぁ…」
ひろし「長いですね…」
5人はトンネルへ入ってかれこれ四、五分程歩いていた。
たけし「これ、出口あるのか…?」
ひろし「出口のないトンネルはありませんよ、たけし…」
泣き言を言うたけしをひろしが励ましていると、美香が声を上げた。
美香「あ!光よ!!」
前を見ると、遠くの方に光が見えていた。
卓郎「よし来たぁ!皆行くぞおぉ!!!」
5人はその光目掛けて走っていった。
トンネルを抜けると、そこには村があった。人はいなかったが、民家や建物はしっかりしていた。
氷河「へぇ〜…廃村って聞いてたけど、結構ちゃんとしたとこだね。」
そんな5人の元に、村人であろう女性が近寄って来た。
村人「わぁ、来客なんて珍しい!ようこそ青美村へ!」
卓郎「あの、実は俺達、斯々然々で…」
卓郎は、事の経緯を説明した。
卓郎「…って事で来たんです。」
村人「なるほど、そうだったの。今はこうだけど、一時はそうなったわ。青い化け物がここを襲ってきてね。沢山の民家や建物を壊されて、それに大勢の民も喰われてしまって…そのせいで二年ほど廃村になってたの。今もこの村には私以外はいないわ。」
ひろし「なるほど…そうだったのですか…」
たけし「そ、それより、俺はヘトヘトだよ…」
バテたたけしが疲れた声で言うと、村人は、
村人「なら、私が経営兼暮らしている宿があるのよ。案内するわ!」
そう言うと、5人を連れて、宿に案内してくれた。
村人「ここが宿よ。」
美香 卓郎「おぉ〜!」
氷河「すげ〜…!」
たけし「で、でもさ、俺達あんまりお金持ってきてねぇだろ…?」
卓郎「あぁ、言われてみりゃ…」
その話を聞いた村人は笑って、
村人「あぁ、お金はいいわよ。ここには人なんて滅多に来ないもの。ゆっくりしてって。」
卓郎「やりっ!サンキュー、村人さん!」
水刃「そうそう、名前を言ってなかったわね。私は三上水刃(みかみ みずは)よ。よろしくね。さて、それじゃあ部屋に案内するわね。」
ここの唯一の村人、三上水刃につられて2階に上がると、部屋に案内してくれた。
水刃「ここが部屋よ。」
たけし 美香 卓郎「おぉ〜!」
部屋を目の当たりにしたたけし、美香、卓郎は歓喜の声を上げた。
ひろし「洋と和が混ざった感じですね。」
氷河「これがいわゆる和洋折衷ってやつですね…!」
ひろしと氷河は、部屋の内装に目が行っていた。
水刃「じゃあ、ゆっくりしていってね。」
水刃さんはそう言うと、部屋から出て行った。
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