空想小説「青鬼」 第23話 何度目かの反省会
火山から出て約15分後、ようやく宿へたどり着いた。
卓郎「はぁ、やっと着いたな…」
闇氷「姉さんの部屋って何階だ?部屋替えしたんだよな?」
闇氷はまだぐったりしてる氷河に聞いた。
氷河「あぁ、うん…前と変わらず2-3だよ。あ、でもその前に居間に行かないと…」
闇氷「そうか。んじゃ、私姉さん連れて先に行ってるわ。」
そういった瞬間、闇氷の姿が消えた。そのことにひろし、たけし、美香はかなり驚いた。
たけし「え゙、消えたっ!?」
美香「青光無いのに能力が使えるのっ!?」
卓郎「闇氷はあの青光がなくても能力が使えるんだとよ。」
唯一事情を知る卓郎が軽く教えた。
ひろし「それは…最強ではありませんか…?」
美香「何で一緒に来てくれないのよ?あの子がいたらもう無双出来るのに…」
美香が少し首を傾げて言った。
卓郎「複数行動が苦手だからだとよ。何なら氷より苦手何だってさ。」
たけし「そ、そうなのか…意外だぜ…」
ひろし「では、私達も向かいましょうか。」
4人は宿に向かった。
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居間では、水刃さんが椅子に座って古い本を読んでいた。ふと、人の気配を感じた水刃さんは、帰ってきたと思い、居間の戸の方向を見た。
水刃「あっ、帰…闇氷ちゃん!?それに氷河ちゃん、どうしたの!?」
水刃さんは二人を様呼びし、氷河の様子を見た水刃さんは本を置いてすぐに駆け寄ってきた。
闇氷「案の定火山の熱でダウンしちまった。後、毎回そんな慌てた声出すなって前にも言ったろ。」
闇氷は氷河を降ろしながら言った。
水刃「ご、ごめん、癖でつい…そんな事はさておき!すぐに回復を…」
氷河「いや、大丈夫…もうすぐ皆帰ってくるから…」
氷河は右手を振って言った。
闇氷「なぁ姉さん、お前、ここ最近無茶しすぎじゃないか?何でお前の苦手な暑いとこだってのに冷却技の1つも出さなかったんだよ?」
闇氷は氷河の隣に座って言った。
水刃「そうよ。前に『忍耐を高める』とか何とか言ってたけど、それ以前に自分の体を大事にしないと…」
氷河「あーうん、分かってはいるんだよ…?それに、まだバレたくないんだ。自分が」
闇氷「おっと、皆来たな。一旦この話は終わりだ。」
氷河が何か言い掛けてたが、4人が来るのを察した闇氷はこの話を終わらせた。
卓郎「ひ、氷…大丈夫か…?」
卓郎は机にひれ伏す氷河を心配した。
氷河「大丈夫に見えますか…?」
氷河は顔だけ動かして卓郎に言った。
美香「まぁ、分からなくもないけどね…」
美香は氷河の近くに座って言った。
たけし「流石にあの暑さは応えるよな…」
たけしも座って言った。
ひろし「では、反省会と行きましょうか。」
ひろしはそう言い、机の前に座った。
闇氷「厄介なのは、やっぱ殲滅軍の存在だな。」
闇氷は壁にもたれ掛かり、腕を組んで言った。
水刃「殲滅軍…あいつらの目的は一体なんなのかしら…」
水刃さんはさっき座っていた椅子に座って言った。
ひろし「青神中心の世界を作る気では…?」
美香「青鬼の事を世界中に知らしめる事じゃないの?」
たけし「世界征服…?」
卓郎「威厳の象徴…?」
氷河「何かを殲滅するのかな…?」
闇氷「何かへの復讐か…?」
たけし「う〜…謎のまんまだぜ…」
たけしは机にひれ伏して言った。ふと、氷河は顔を上げ、呟いた。
氷河「そんな事よりも、自分はあいつ、アルトが言った発言が気になるんですけど…」
卓郎「どの発言だ?」
頬杖をついていた卓郎は顔を上げ、氷河の方を向いて言った。
氷河「『貴方が一番強い』って言う発言です。明らかに美香さんの方が強いと思うんですけど…」
美香「まぁ、確かに私は強いけど…氷ちゃんも十分強いわよ?」
氷河「そ、そうですか?」
美香に言われて、氷河は少し嬉しそうな声で言った。
闇氷「あの長髪、自分が強いって自覚してんのかよ…それと姉さんも十分強いだろうが…」
その様子を見た闇氷はそう小声で呟いた。
水刃「…皆、話はこれくらいにしてそろそろ寝たら?もう11時よ?」
水刃さんは棚に置いてある時計を見て言った。
たけし「そうだな…もう眠いし…」
そう言った後、たけしは大きくあくびをした。
卓郎「なぁ、闇氷はどうするんだ?」
闇氷「ん、私が何だ?」
闇氷は腕を組んだまま卓郎の方を向いて言った。
卓郎「闇氷はどこで寝るんだ?」
闇氷「あぁ、私は気配を消す技を使って近くの小さな洞穴とかに入って寝てる。」
美香「それじゃ危ないじゃない!ここで寝ていったら?」
闇氷は少し考え込んだ後、少し頷いた。
闇氷「そうだな…じゃあ今日は私もここで寝るか。主、開いてる部屋はあるか?」
たけし「え、ぬ、主…?」
たけしは誰か分からず、少し困惑した。
闇氷「水刃の事だよ。だってこいつ、宿主だろ?だから主だよ。」
闇氷は淡々と言った。
水刃「うーん…あるにはあるけど…片付け終わってない…」
闇氷「はぁ!?おま、まだ片付けてなかったのかよ!?」
水刃「すみません…」
卓郎「え、闇氷、水刃さんと面識があったのか!?」
卓郎は身を乗り出して言った。
闇氷「あぁ、お前らが外に出てる間とか寝てる時に関わってたんだ。」
美香「部屋なら2階のひろしの部屋に行ったら?今回ひろしは単独だし!」
美香が手でチェックマークを作って言った。
ひろし「そうですね。闇氷さん、寝るのなら私の部屋に来て下さい。」
ひろしもすんなり受け入れて言った。
闇氷「そうか。んじゃ、そこに邪魔させてもらおうか。後、さん付けはいい。闇氷で結構だ。…おい主、片付け行くぞ。」
水刃「は…はい…」
闇氷は水刃さんを連れて上の階へ上がっていった。
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11時半頃、ひろしの部屋に闇氷が入って来た。
闇氷「ったく、やっと片付けが終わったぜ…」
ひろし「おや、来たのですね。」
持ってきていた小説を読んでいたひろしが顔を上げて言った。
闇氷「あぁ。邪魔するぞ。」
ひろし「構いませんよ。…ところで闇氷。聞きたい事があるのですが、よろしいですか?」
闇氷「あぁ、いいぜ。聞きたい事って何だ?」
ベットに座った闇氷が言った。
ひろし「貴方と氷河とは姉妹関係…なんですよね。」
闇氷「あぁ、そうだぜ。私は姉さんの妹的存在だ。それがどうした?」
ひろし「その件についてなのですが…何故、貴方は妹とはっきり言わず、妹的存在と言ってるのですか?」
闇氷「………」
闇氷は少し目を反らして伏せた後、こう言った。
闇氷「…この話は長くなる。まだ話すべき時じゃない。その時になったら全部話すぜ。」
ひろし「…そうですか…」
闇氷「さ、もう寝ようぜ。もうすぐ日付変わるぜ?」
ひろし「…そうですね。そうしましょうか。」
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翌日、7人は居間に集まった。
闇氷「で、まーたどっか行くのか?」
闇氷は昨日の反省会と同じ姿勢で言った。
美香「ねぇ闇ちゃん、ちょっと聞きたい事があるんだけど、いい?」
美香が闇氷に言った。
闇氷「ん、何だ?…えーと…美香…だったか?」
美香「うん、あってるわ。で、質問なんだけど、昨日耐性がどーのこーの言ってたじゃない?闇ちゃんはともかく、氷ちゃんはどうやって取得したの?」
闇氷「あぁ、私には一時的に能力を使えるようにすることができるんだ。ま、せいぜい10分程度だがな。お前らが寝てる間、ずっと鍛錬してたんだよ。」
闇氷は平然と言った。
たけし「ちょ、ちょっと待ってくれ…?俺らが寝てる間鍛錬してるって事は夜って事だよな…?」
闇氷「あぁ。そうだが…それがどうした?」
たけし「氷河…まさか寝てない…?」
氷河「流石に睡眠はとってるよ。まぁ、皆よりかは短い時間だと思うけどね。」
氷河は少し苦笑いで言った。
闇氷「…まぁ、半永久的に能力を使う方法もあr」
卓郎「マジで!!?」
卓郎が速攻で食いついてきた。
闇氷「あ、あぁ。一応、1つだけそれを可能にする実物があるぞ。」
卓郎「え、マジで!?早く見せてくれよ!!」
卓郎は目を輝かせて言った。
闇氷「………主の付けてる髪飾りだ。」
少し卓郎の食い気味に引きつつも、水刃さんを指さした。
ひろし「主…水刃さんの髪飾り…?」
水刃「これの事ね。」
水刃さんは髪に付けてる髪飾りを外して言った。
たけし「これを付けたら能力が使えるのか…?」
水刃「まぁ、そうね。」
ひろし「これは一体誰が作ったのですか?」
水刃「私、とある人に従者として仕えていたのよ。当時仕えていた人はもういないんだけど…その人が作ってくれたのよ。」
水刃さんは少し寂しそうな表情で言った。
美香「ふ〜ん…それ、今も作れるの?」
水刃「う〜ん…わからな」
闇氷「いけるぜ。」
美香「本当!?じゃあ今すぐ作りましょ!」
闇氷「まぁ待て。作るには当然素材が必要だろうが。」
ひろし「その素材は一体どこに?」
水刃「えぇと…青雅洞窟だったかしら…でも、聞いたところ道中は崩れちゃったみたいだし…」
闇氷「おい主、私をお忘れか?」
不機嫌そうな声で闇氷が言った。
水刃「あぁ、闇氷ちゃんならいけるわね!」
水刃さんは手を合わせて言った。
卓郎「崩れたのに行けるのか?」
闇氷「あぁ。崩れたとはいえ、人が1人入る隙間くらいどっかにあるだろ。そっからこじ開けるまでだ。」
闇氷は左手をぎゅっと握りしめて言った。
闇氷「んじゃ姉さん、一緒に来てくれるか?」
氷河「ん、りょーかい!」
氷河は立ち上がって言った。
美香「私も行くわ!力仕事なら十八番(おはこ)よ!」
闇氷「いや、遠慮しとくぜ。」
美香「えぇ〜!?なんでよ、闇ちゃん!」
美香は闇氷の肩を掴んでめちゃくちゃに揺らして駄々こねた。
闇氷「ちょおい美香、それやめろ!」
美香「じゃあ、私も連れてって!」
闇氷「説明するからとりあえずそれやめろ!!」
そう言うと、美香は手を離した。
闇氷「うぅ…酔う…」
水刃「だ、大丈夫?」
闇氷「あぁ…じゃ、言うぞ。あの青光は、空気中に浮く微量な量だったらなんともないんだ…が、逆に、多量に吸い込み過ぎると、体が金縛りみたいに動かなくなっちまうんだ。能力をまだちゃんと使いこなせないお前らが行ったら速攻で動けなくなるだろうが。姉さんは私が色々とやらせたからまだマシだ。」
ひろし「何故闇氷はそれを知っているのですか?」
闇氷「本だよ。ここには結構古い本がいくつかあるからな。お前らが出掛けてる間にある程度読んでたんだよ。」
ひろし「その本、今もあるのですか?」
闇氷「あぁ。丁度主が持ってんじゃねぇのか?んじゃ、私は行くな。行くぞ、姉さん。」
氷河「オッケー!」
二人は外へ走っていった。
ひろし「…それで、水刃さんが持っていると言っていましたが…」
水刃「これの事ね。」
水刃さんは机に置いてあった古い本を手に取って言った。
美香「見せて見せて!」
そう言い、美香は本を開いた。…が…
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>>1
ボム平(幽霊)「そういうもんなんすかね。アニキ達なら知ってると思うっすけど。」
藤「この話のIFにボム平幽霊登場の小説オネシャス」
>>3
藤「そうそう。あと、オリキンキャラは擬人化。」
ボム平幽霊「並びに、マリオのアニキも登場させてほしいっす。」
>>4
霞「じゃあ、今回は自分がまとめるのかな?それとも、いつも通りコメントでやりあう感じかな?」