【小説】この世界が終わる最後に 第9話「怖い、怖い、怖い、怖い、」
8話
https://tohyotalk.com/question/743589
なろう
https://ncode.syosetu.com/n7920jy/
遥に火の玉みたいなものが直撃した瞬間、俺は1週間前の朝に戻った。
そう、ゲームで言う最終セーブ場所だ。
多分俺の推測だが、火の玉みたいなもの、いやもう”本物”と言っていいだろう。
火の玉が遥を直撃し、そのまま遥を貫通、そして俺に当たって俺も見事に貫通し、遥も俺も死んだってわけだ。
だから俺はこの日に戻ってきた。
怖かった。
遥を守れなかったと思うと一瞬で悔しみや悲しみが溢れ出てきた。
「もう、何も失いたくない。」と何度も考えてしまう。
今までの俺だったら「次の対処法を考えよう。」と次へ次へと進んでいけただろう。
だけどそれはゲームの世界での話だ。
ソシャゲで上手く行かない時は何度もある。課金するときも時々あったが、失うものは金だけだったから、次へ次へと進んでいけたのだろう。
だが今は金みたいなちっぽけなものではない。
失うものが大きすぎたんだ。
たとえ時間が戻ったとしてもあの時間の遥は守れなかった。
そう思うとこれまで遥を2回見殺しにしてきたと言っても過言ではない。
今回で3回目だ。耐えられるはずがない。
しかも3回目は俺の目の前で死んでしまった。
反射神経とか運動を毎日しておけばすぐさま反応して遥を助けられたのかもしれない。
だが、できなかった。
俺はその悔しさ、悲しさがずっと心に刺さってあの日の1週間前に戻ってから2日程度寝込んでしまった。
地球が終わる5日前、いつもの通り枕カバーをビショビショにしていた俺はある”言葉”を思い出した。
「そのときの遥じゃないと思う。いや、その時の遥ではないよ。」
「だけど死んでしまった遥は結衣人のこと、許すと思う。」
「だってそれだけしっかりと考えて言ったんでしょ?」
「いろいろなことがあったんだろうなぁって解釈したと思うよ。」
俺は思った。
「3回もお前のことを見殺しにしてきたことを、本当に許すのだろうか。」
「許すよ。」
そこに居たのは、遥だった。
「、、、なんでここにいる、?」
「なんでって、心配だからでしょ。」
「、、、俺はお前のことを3回も見殺しにしてしまった。俺を心配する必要はない。」
遥はため息をつきながらこう言った。
「あのね?結衣人。私今生きてるじゃん?見殺しなんてそんなこと結衣人がするはずないでしょ?」
「、、、俺はしてしまったんだ。3回も。」
「今ここにいる私じゃだめなの?なんか変わっちゃう?」
「、、、何も変わらない。そう、何も変わらない遥を見殺しにしてしまったんだ。」
「、、、あのさ、いい加減、」
「ほっといてくれよ!!!」
ベッドに座っている俺は目の前にいる遥を力強く押した。
「俺の気持ちなんて、誰もわからないんだ!」
「、、、少なくとも、私はわかる。」
「じゃあ聞く!お前は目の前にいる俺が3回も、しかもお前のせいで3回も死んだらどうする!?」
遥は答えられなかった。
目の前に居る俺が死んでしまう。そしてその死んだ理由が遥、だなんて考えただけでも吐き気がするだろう。
みんなそうなんだ。
好きな人を失くす、自分が大切な人を失くす、しかもそれが自分のせいだったら何も考えられなくなるんだ。
「、、、本気で止める。」
遥が言った。
「、、、3回ってことは死に戻りかタイムリープでもしてるってことでしょ、。だったら止められる。」
俺は何も反論できなかった。
「、、、少なくとも、私は結衣人の苦しい気持ちがわかる、。」
「、、、私は、結衣人のことが好きだから、。」
このトピックは、名前 @IDを設定してる人のみコメントできます → 設定する(かんたんです)