妄想小説 なにわ男子との日常短編❾
体育館裏で、石段に座りながら、シクシクと泣く。
一人で孤独に。
みんなに強く当たっちゃったな〜…
あんなこと言って、許してくださいなんて、
ワガママだ。
やっぱ私なんかが近寄っても、不釣り合いだ。
なんで希望なんか抱いてたんだろ…
バッカみたい。
はぁまた涙が溢れてくる。
少女漫画とかなら、ここで誰かくるんだけどな…
でも、主人公はきっと凛だ。
私なんか、ただのモブキャラ。
絶対敵なんだ。
作者さん、お好きに煮るなり焼くなりして…
なんで、こんな涙が出んの…?
私は、ただのモブ。
静かにバットエンドを迎えなきゃ…
なのに…
??「ここにいたっ!」
「えっ………?」
??「すっごい探したんやで?」
「なんでっ、恭平くんが…」
高橋「だって心配やん。あんなこと言って飛び出して。
おまけに泣いてたし。ほっとけへんやん?」
「私なんか、モブなんだよ?かまわないで、
凛のとこ行けば?」
高橋「なに言うてんの?物語の主人公は、いつでも音嶺やで?」
「そっちこそ!凛のほうが可愛くて、お話も上手で。
私のどこが主人公?私なんか悪役じゃん」
高橋「この前言ったやん。自分下げたら顔に出るって。」
「いいよ出てても。何しても、結局はみんな凛のことが好きなんでしょ。
凛も言ってたもん。」
高橋「あぁ、あいつ?ただの自意識過剰やろw
みんなうざくて嫌い言うてたわw」
「………へっ?」
高橋「ハハッマヌケな顔w」
「ちょっと!やめてよ〜…」
高橋「とりあえず、戻ったほうがいいんちゃう?
みんな心配してたし、
りゅうちぇもやってもうたって落ち込んどったし。
みんな女なれしてないからな〜w」
「えっ?そんなわけないでしょ!みんな女なれしてるって!」
高橋「してないてwほら、」
手を出して、私の前に出して待っている恭平くん。
取れってこと…?
「繋ぐの?」
高橋「ええやんwほらさっさとせな先行くで?」
「えぇ!待ってよ〜!」
急いで手を繋ぐと、
笑顔になって、ギュッと力を込めて繋いでくれる恭平くん。
なぜかその仕草に、ドキッとしてしまった。
この時間を大切にしたい。
正直にそう思った。
恭平くんの耳を見ると、赤くなっていて、
ホントに慣れてないんだ。と思って少し笑ってしまった。
こんなことできるって、相当慣れてると思ったのに。
物語の主人公になれるって、信じてもいいのかな。
恭平くんの背中にそっと問いかけた。
【続く】