【小説】春と孤独を救う招き猫~エピソード11~
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懐かしい、幼稚園の時だ。よくお菓子をねだって公園で食べていた。
これは小学校2年生の時だ。授業参観でお母さんのことを作文に書いてすごく
喜んでくれた。すごく嬉しかった。
ああ、5年生の時だ。急に毎日喧嘩?なのか夜に何か言い合っている声が
聞こえるようになった。夜中トイレに行くときにお母さんとお父さんの
声が聞こえてきて一度少し会話を聞いたことがあった。
ばれないようにしていたからはっきりは聞こえなかったけど、
分かったことがあった。お父さんは職を失っていたらしい。
上司がどうのこうのと言っていたが、お父さんが一方的に悪いわけでは
無いようだった。それを分かってお母さんは気を遣っていたのに、
お父さんはお母さんを怒鳴り付けた。
それにさすがのお母さんも嫌になり、離婚することになったようだ。
本当は分かっていた、全部。でもお母さんは私には言わないでおこうと
してくれているのだから知らないふりをした。
私は自分が不幸だとは思わないし、こういう結果になったのは仕方がない
のだからこれでいいと思っていた。でもそれが、私の心を締め付けていた
のかもしれない。
ここ三ヶ月小麦と共にたくさんの人に出会って分かったことがある。
私もみんなと同じくらい辛い思いをしていたことを。話を聞いていたときは
正直しんどかった。お母さんに知らないふりをするのが良かったのか、
ちゃんと知っていることを言うべきだったのかは分からない。
でも、小麦の言葉を聞いて気づいたんだ。分かったよ小麦、私の孤独が何なのか。
私はずっと・・・私の気持ちを分かってくれる人を探していたんだと。
もう辛くない、ずっと知りたかったことが分かったから。
最後までお読みいただきありがとうございました!
次回は最終回になります!是非最後までよろしくお願いします。
最終話はこちら!→https://tohyotalk.com/question/464209
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