新訳幻想異邦伝、御百度参り
「触ってごらん?」
恐る恐る、母のお腹に触れる。
「動いた!」
これから赤ちゃんが産まれる、弟か、妹。
ドキドキする、どんな子になるんだろう?
「早く会いたいね」
新しい家族に、優しく笑いかける。
「わあ、蹴った蹴った!」
お腹に触れると、赤ちゃんがけった。
産まれてきたら抱っこするんだ、何して遊ぼうかな?
「あんた、そろそろ赤ちゃん産まれるんだってね?」
霊夢は何を言うでもなかったが、気にかけているようだった。
「うん!」
「嬉しそうね」
「嬉しい!」
博麗の巫女は、少しだけ笑って言った。
「弟だか妹だかわかんないけど、魔理沙のうちに連れてく時は気を付けなさいよ?」
親友の家が幼子を連れて遊びに行くには向かないことはよく知っている。
「そうだね、爆発しそう‥」
「魔理沙また紅魔館吹っ飛ばしたからね」
「あのさ‥」
「御百度参り!?」
「うん」
「あのねぇ、アホほど長いわようちの階段」
産まれてくる子の健康を願って、階段を上がる。
「まぁそれだけやったら元気な赤ちゃん産まれてくるわよ」
「妖夢姉ちゃんに階段ダッシュやらされてるから、平気だよ!」
「元気な子が生まれてきますように、お願いします」
自分はお兄ちゃんになるのだ、家族が増える。
「もう直ぐ‥会える、ね」
大切な家族が。
「いろんなところ連れて行ってあげる、おんぶして‥はぁ、はあ‥」
痛い、苦しい。
「えへへ、早くあい…たい」
やっと会えるのだ、家族に。
「赤ちゃん、お母さんに会いたいみたいね」
永遠亭では八意永琳がお産の準備をしていた。
「先生‥」
「もうちょっと我慢して、赤ん坊は生まれる時を選ぶから」
「もうちょっと‥あともうちょっと‥」
足が痛い、苦しい。
「平太君、もう直ぐ産まれますよ、赤ちゃん!」
「お母さん!」
「ん〜!ん〜!」
産まれてくるのだ、赤ちゃんが。
「出ておいで、お願い!」
「子宮口全開!」
母の手を握る。
やっと、ほんとに会えるんだね。
このトピックは、名前 @IDを設定してる人のみコメントできます → 設定する(かんたんです)

