空想小説「青鬼」 第15話 反省会

3 2023/12/09 17:00

卓郎「はぁ…あんだけヒリつく勝負をしたのは初めてだぜ…」

卓郎は机にひれ伏しながら言った。

美香「そうね…すごく疲れたわ…たけしと氷ちゃんの助けがなかったらどうなってたか…」

美香も床にうつ伏せになりながら言った。

水刃「皆に迷惑をかけちゃったわね…」

水刃さんは目を伏せ、正座で言った。

ひろし「いえいえ。水刃さんが気にすることではありませんよ。」

ひろしは優しい笑顔で言った。

たけし「そういえば…休んでもうすぐ10分くらい立つよな…?氷河全く降りてくる気配ないんだけど…」

たけしが上を見ながら言った。

卓郎「いやいやそんな短時間で起きねぇだろ…たけしなら分かるだろ?」

卓郎はたけしにツッコミを入れた。

美香「流石の氷ちゃんでも大技二連発はキツかったのかしら…」

美香が体を起こして言った。

ひろし「リバースリザレクション…?もそうでしたが、それよりも影を倒す際に使ったあの技…青龍氷雷でかなりの力を持っていかれたのでしょう。」

たけし「まんまひろしの言う通りだぜ…」

たけしは疲れた顔で言った。

卓郎「それにしても…あのオーヴァーって奴はなんなんだ…?」

卓郎が考え込んだ様子で言った。

美香「そうね…彼奴浮いてたし、普通の人間じゃなさそうよね。」

ひろし「それは誰だってわかることでしょう。宙に浮く人間なんているはずがないのですから…」

ひろしは半ば呆れながら言った。

たけし「それと、最後の捨て台詞?気になるよな…」

卓郎「えーと確か…『俺達に勝てると思うなよ、下民が』って言ってたっけな。」

ひろし「『俺達』と言っている事から、まだ仲間がいそうですね…」

美香「下民って…私達をなんて思ってるのかしら!こっちは青神を2体倒してる最強のメンバーなのよっ!?」

ひろし「倒したのは氷河ですけどね…」

ひろしは美香をなだめながら言った。

たけし「そういえばそうだな…巨大蜘蛛鬼はどさくさ紛れにナイフ投げて倒されてる…はずだよな…?」

卓郎「あぁ、倒せてるはずだ。そんで樹木鬼は、氷の技、霜符…何だっけ?」

ひろし「霜符・サウザンナイフレインですね。」

ひろしは卓郎が忘れていた技名を正確に言った。

美香「よくそんな長い技名覚えているわね、ひろし…」

ひろし「『千本のナイフの雨』と覚えていますね。」

美香「あ、あぁ、そう…」

美香は苦笑いしながら言った。

たけし『あ、あの美香が引いてる…』

卓郎「んじゃ…俺はちょっと氷の様子を見てくるぜ。」

卓郎は立ち上がって言った。

美香「え、なんでなんで?」

卓郎「あー、何と言うか、そのー…前科があるからな、氷には…じゃ、俺行くな。」

美香「…すぐ帰ってきなさいよ…?」

卓郎「はいはい、わーったよ、美香。」

卓郎はそう言うと、氷河のいる部屋へ向かった。

_______________________________________

氷河「……うっ…ここは…宿…か。」

卓郎が来る数分前、氷河は既に目覚めていた。

氷河「にしても…ここまで疲れるとは…まぁ、あの大技を出したのは自分の意志だけどな…」

氷河は身を起こし、氷河は少し考え込んだ。

氷河『そんな事より、今まであいつらの音沙汰無かったのは仲間を集めていたからなのか…だとしたら知らない面子が増えて面倒そうだな…まぁ、あいつらが青鬼復活に何かしら関わっている事は間違い無いな。いや…どっちかって言うと[始祖]の復活の方かもしれないな…いやでも、もし始祖が復活しているのだとしたら、確実に暴れ回ってるはずだ。でも、青鬼はいる。そうだとしたら、完全復活はまだ出来ていないが、力を取り戻しつつある…って事か…それとあの薬まだあったのか…あの劇薬は彼奴等が青鬼の強化に作り出した物…だったよな。あれを人間に使ったら自我のなき戦闘マシーンと化し、最悪青鬼になりかねないヤバい物だってのに…ましてやそれを水刃さんに…あのクズ野郎絶対になぶりg』

卓郎「お、おい、氷?」

氷河が殺気立つ中、部屋に入った卓郎が声を掛けた。

氷河「うわぁぁぁっ卓郎さん!いつからいたんですかっ!?」

卓郎「つ、ついさっきだが…」

卓郎は氷河の驚きように驚きながらも、答えた。

氷河「そ、そうですか…ところで何か御用ですか、卓郎さん?」

卓郎「あぁ、また悪夢見てないかってな…」

氷河「その件なら大丈夫ですよ。少しばかり考え事をしていましたが…」

氷河はいつもの声で言った。

卓郎「何考えていたんだ?」

氷河「オーヴァーって奴の件です。彼奴、後々厄介な事をしてくる気がするんですよね…」

卓郎「まぁ、確かにそうだな…」

美香「卓郎〜まだ〜?」

卓郎が考え込むと、下から美香の声が聞こえた。

卓郎「おっとすまん、美香に『すぐ戻る』って言っちまったんだよな。じゃ、俺1回戻るぜ。」

氷河「了解です。」

氷河はうなずいて言った。

卓郎「ふぅ、さっさと戻」

るか、と言いかけたその時、氷河の部屋からバンッと思い切り壁を叩いたような事が響いた。

卓郎「うおっ!?な、何だ…?少し部屋を見てみるか…」

卓郎が細く戸を開けて様子を見てみると、氷河が壁に拳をぶつけていた。

氷河「…っざけんなよ、あの野郎…水刃さんをあんな目に合わせやがって…ぜってぇなぶり頃してやる…!!!」

氷河は凄く恨んでいるような低い声で唸った。

卓郎『ひ、氷…怖えんだが…』

氷河の様子を見て卓郎が絶句していると、突然戸が開いた。

氷河「…卓郎さん、なにしてるんです?」

卓郎「うおおっ、氷!いやさ、いきなり壁をバンって叩いた音がしたからさ…」

氷河「あぁ、そゆことね。ごめんごめん、オーヴァーに対しての怒りが抑えられなくてさ。」

氷河は苦笑しながら言った。

卓郎「な、なるほどな。じゃあ、戻るな。」

氷河「りょーかい。」

氷河は笑顔で手を降って言った。卓郎は階段へ歩いていったが、足を止め、聞き耳を立てた。

氷河「…闇氷。」

氷河が名前らしき物を呼んだ。

闇氷「っと…どうした?あと、珍しいな、いっきなし私を呼び出してさ…」

呼ばれた人…闇氷が言った。

氷河「頼みたいことがある。オーヴァーの動向を探ってほしい。これがその顔の写真。行けるか?」

闇氷「オーヴァー…か。OK、任せとけ。」

その言葉を最後に、闇氷の声が消えた。

氷河「頼んだぜ。…居るの分かってますよ、卓郎さん。」

氷河は戸を横目で見ながら言った。

卓郎「…何話してたんだよ?小声過ぎて全く分かんなかったが…」

氷河「気にしなくたって大丈夫だよ。頼れる相棒に少し頼み事をしただけだからさ。」

氷河は指でチェックマークを作って言った。

卓郎「何を頼んだんだ?」

氷河「オーヴァーの件。彼奴ならきっと何かしら掴んでくるよ。」

卓郎「彼奴って誰なんd」

美香「ちょっと卓郎ー!まだなのー?」

卓郎がもう少し問おうとすると、美香の不機嫌そうな声が聞こえた。

卓郎「や、やべ、そろそろ行かねぇと…」

氷河「じゃあ自分も行くかな。」

氷河は伸びをしながら言った。

卓郎「大丈夫なのか?」

氷河「はい!問題ありませんよ!」

氷河はガッツポーズをして言った。

卓郎「…そうか。」

氷河「あ、さっきの話、今は言わないでね。直に皆に教えるから。」

氷河が耳打ちをして言った。

卓郎「あ、あぁ、分かった…」

卓郎は少し戸惑いながらも、氷河と一緒に降りていった。

美香「卓郎、おーそーいー!」

美香は不機嫌な声で言った。

卓郎「すまんすまん。」

卓郎は美香に手を合わせて謝った。

氷河「自分も来ましたよー!」

氷河は戸の影からひょっこりと顔を出した。

たけし「氷河!大丈夫なのか…!?」

氷河「はい、大丈夫です!今回は無茶してませんからね!」

氷河は心配するたけしに笑顔で言った。

ひろし「それは『今まで無茶してました』と自白しているようなものですよ。」

氷河「ゔっ…それは言わないで下さいよ、ひろしさん…」

墓穴を掘った事に気づいた氷河は、苦笑いしながら言った。

美香「まぁ、氷ちゃんが大丈夫って言うのなら大丈夫なんじゃないの?」

美香が人差し指を立てて言った。

水刃「あ、もうすぐ0時になるわ。そろそろ寝た方が良いんじゃないかしら?」

時計を見た水刃さんが言った。

ひろし「そうですね。明日からまた出ることになりそうですし…」

たけし「あぁ、そうしようか…」

たけしが立ち上がって言った。

氷河「え、自分降りてきたばっかりなんだけど…」

氷河が不服そうに言うと、卓郎が肩を叩いて言った。

卓郎「ま、しゃーねーよ。時間には抗えねぇしさ。寝ようぜ、氷。」

氷河「…ですね。」

氷河は渋々呟いた。

美香「んじゃおやすみー!」

美香は速攻で部屋へ入っていった。

_______________________________________

とある暗い建物、そこにはオーヴァーとその仲間らしき者がいた。その者は、フードを目深く被っていた。

オーヴァー「チッ…クソがっ…!!」

オーヴァーはそう言い、壁に拳をぶつけた。

仲間「どーしたの、カリカリしてさぁ?」

仲間らしき者がオーヴァーに尋ねると、オーヴァーは苛立った声で怒鳴った。

オーヴァー「彼奴等を仕留めきれなかったんだよっ…!!俺は彼奴等を絶対にぶっ頃す…止めても無駄だからな。」

仲間「僕ら『殲滅軍』の名前に泥を塗らないでよ〜?」

仲間らしき者は、オーヴァーの後ろ姿に呼びかけた。その様子を見ている者がいた。

??『…なるほどな…オーヴァーの奴、なんか企ててんな…聞いた感じ、こっちに攻撃を仕掛けるようだな…だが、あのフード被った奴が[殲滅軍]って言ってくれたお陰で、姉さんの仲間に話す時に辻褄が合わせられそうだ。よし、そろそろ引き上げて伝えるか…』

見ている者はすっと立ち上がると、闇の中に消えていった。

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氷河「…殲滅軍…悩みのタネがまた増えたね…」


>>1
だんだん盛り上がってきたな‼〘ラビット!タンク!ベストマッチ!アーユーレディー?〙変身!〘鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエェア!〙ここは宿の外。静かに青鬼を一掃しないと...(イベント)IF作る?(この部分から)作らない?どっち?


>>2
霞「ん〜…作るか作らないかはそっちに任せるよ。作るのなら遠慮なく乗らせてもらうよ♪」


>>3
なん上機嫌だな...(今はビルド戦兎状態)ならお願いするよ。

自分はあらすじみたいなもの作るよ


>>4
霞「戦兎さんと合同小説するのは楽しいからね〜こっちで作ればいいかな?」


>>5
あらすじは作った。


>>6
霞「了解!そっちが望んだ展開になってるかは分からないけど、セリフ出したよ!」


>>7
それはありがとう。まさか闇氷が先とは...


>>8
16話になったら偵察に行った闇氷が戻ってくるからね〜その帰宅途中に見つけた感じかな?


>>9
なるほど。展開進めれば(限トピ)宿にも入れるかな?


>>10
霞「入れるかもね〜でも、その時の時間帯って深夜0時だから起きてるのは氷河辺りだけかもしれないね。」


>>11
あそんな遅い時間なのか。てっきり明るい時間帯だと思ってた(出会ったのが翌日の設定だと思ってた)


>>12
闇氷「待つのじれってぇから1時間で偵察終わらせて帰ってやったわ。」


>>14
闇氷「で、16話でまた少しだけ出るからそこで偵察の情報を言う感じだからな。その間のIF線でお前と会ったって感じだ。」


>>15
なるほどな


>>16
闇氷「あぁ。今リア主は次のサムネの構図を考えてんだが、全然上手く行かないらしく、モンハンのエンドコンテンツしてるわ。」


>>18
霞「はい、のんきなリア主でございます!」


>>19
アルティメットボケやな


>>20
霞「٩( ᐛ )وパァ☆」←渾身のボケのつもり

闇氷「うら。」←顔が気に入らないという理由で流れるようにハリセンでひっぱたく人


>>21
千度の鉄板じゃおらあ

アルティメットフォーム


>>22
霞「スペシャルターボ!」

闇氷「…嫌な予感する、逃げよ。太陽まで投げられんのは御免だ…影移動。」


>>23
たい焼き名人‼ウニなんだよ


>>24
霞「チョ、チョットマッテクダサイヨオヤジサン、ソリャナイレショー?ヒゴトサキロ、タックンラールカラリカレツハモロレライケロ、カララズカエッテクルッテイッタジャナイデスカ!」

闇氷「唐突に何か違うの来たんだが…」←影から顔だけ出してる


>>25
オンドゥルドンドコドーン!


>>26
霞「本当にそんな事…?混ざったね…」

闇氷「私にはなんのこっちゃさっぱりなんだがな…」


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